花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
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【贈り物のような恋】
ギフトのような恋をした。
花束みたいかはわからない。
でも、思い出したら、微笑みたくなる。
若い頃は、趣味が何とか、こんな価値観だとか、語り合いたいことは沢山あった。
それが同じであることは、運命のような出会いだと思わせてくれた。
大会の健闘を祈ってもらったり、
お互いに合格を祈りあったり、
お互い祝杯をあげたり、
そして、一緒に過ごす時間は長くなって…、でも、
時間はあっという間に過ぎる。
幸せな時間だ。
暖かな時間だ。
穏やかな時間だ。
肌と肌が触れ合うゾクっとする時間だ。
気だるいような溶けあう時間だ。
だが、すれ違いは必ずある。
それは、防ごうと思って防げるようなものではない。
唐突なようで、実は蓄積してたり。
生まれ育った故郷に帰りたい。
仕事に打ち込みたい。
ケンカもしたが仲直りも出来た。
でも、決定的な瞬間は訪れる。
予想はしていても、
覚悟はしていても、
胸が締め付けられるようだった。
今でも思い出す。
離婚した相手とのことより、良い思い出として思い出す(前の妻よ、ごめんなさい)。
どうしてるだろうと、たまに考える。
元気だろうかと、たまに考える。
人づてに確かめることは出来るけど、聞かない。
でも、祈っている。
幸せであって欲しいなと。
映画のように偶然会えたら良いなと。
僕の経験した贈り物のような恋は、花束みたいな恋と少し似ているかもしれない。
新鮮なラブストーリーでした♪
舞台は2015~2020年。麦くんと絹ちゃんの恋愛模様を描く。
特に突飛した設定があるわけでもなく、とんでもない事件や困難が起きるわけでもない。
映画だからこそ表現できる、現実ではありえないような素敵なラブストーリー・・・的な作品とは全くの逆。
あくまで皆が経験してきたような恋人たちのリアルな日常。
だからこそ、共感しやすくもあり、自分自身と重ねてしまうところもあり、素直に泣けてしまう。
ラブストーリーというジャンルは、決して嫌いではないけれど、自分としてはなかなか心に残る作品は少ない。
でも本作は、なんか新しいラブストーリーを見させてもらった感じがします。
有村架純ファンとして、押さえておくかって感じで観に行ったのに、予想を遥かに超える良い作品でした✨
あと、その時々に流行ったサブカルチャー的ネタがふんだんに盛り込まれています。
分かるネタにはニヤリとし、分からないネタはさっぱり分からない。
そこが分かるか分からないかでも、楽しさが変わってくるかもですね😄
とりあえず、話の例えにちょこちょこ出てきた今村夏子のピクニックという小説が気になってしょうがないですw
【似た者同士が、共感しあい恋に落ち、少しづつ齟齬が生じる過程を、主演二人の心象を綴ったモノローグで絶妙に表現している素敵な風合いの恋物語。切ないが、ホンワカして、心に沁みます・・。】
◆麦君(菅田将暉)と絹さん(有村架純)の初めての出会いから、二人が何気ない会話をしながら、実は相手の嗜好を探るようなモノローグがとても、効果的に効いている作品だと思いました。
◆冒頭、二人が、あるカップルがイヤホンを”R”と”L”をそれぞれの耳に当てて聴いている姿を見ている時のモノローグと、二人が顔を合わせた瞬間の表情。
その後も、二人の嗜好の同一性がさり気無く描かれる。
それは、履いているスニーカーであったり、好きな作家であったり、好きなゲームであったり・・。
◆菅田さんと、有村さんの演技も、実に自然で
”この二人は、実は本当に恋人ではないのかな・・”
と思ってしまった程である。(私だけであろうか・・。)
◆そんな二人の相性の良さが、麦君が正社員として働き始めた途端に少しづつズレて来る・・。だが、その過程さえも自然に描かれる。
■そんなことを言っちゃだめだ、麦君!と思ったシーン
・思いが擦れ違う二人。そんな時に”結婚しよう!、君は俺が養うから・・君は好きな事をすればいい・・。”と麦君が、言ってしまうシーン。
ー その言葉だけは、彼女には、言ってはいけないのに・・。ー
■最も沁みたシーン
・二人が別れ話をするために、親友の結婚式の後、”思い出のレストラン”で告げるシーン。
ー あれは、キツイよなあ・・。自分たちが別れ話をしようとしている時に、自分たちが初めて告白した席に座った初々しいカップル(清原果耶さんと、細田佳央太さん)の会話が聞こえてくるのは・・。
二人の脳裏には、一瞬にして初めて出会ってから過ごした楽しき日々が浮かぶ・・。ー
<あれだけ、相性が良くても微妙な齟齬の積み重ねで、関係性が少しづつズレていく過程を実に自然に、丁寧に描いている作品。
切ないが、何故かホンワカとした気分になり、学生時代の様な恋を又して見たいものだなあ・・、などと思ってしまった作品。風合いがとても良い作品です。>
花束はもっと美しくない?
学校の先生のモノマネで笑っていられる高校生みたいな映画を観ました
大学生で出会い、好きなものや価値観が同じで惹かれ合った男女が、生活や就職のためにすれ違って別れていくラブストーリー映画自体は珍しくも何ともありません。過去に腐るほどあります。
ですから、それに何をプラスするか、どんな新しい切り口を提示するかがこの映画の存在意義だと思います。
では、この映画は一体何がプラスされていたのでしょうか?
2015年から2019年までの流行、音楽や漫画や小説やゲームやネットなどのカルチャーや小ネタがストーリーの至るところに散りばめられていたこと。
それが、この映画の作り手がこのラブストーリーを描くために考案した新しい切り口だったと感じました。それ以外に目新しいといえるものは発見できませんでした。
しかし、それって何が面白いのでしょうか?
サブカル好きの麦と絹に合わせて、登場する品々はマイナーなものばかり。メジャーな流行はほとんど出てきません。
マイナーだけど、他人の創作物をいっぱい引っ張り出してきて展開するストーリー。
それってなんか、学校の先生のモノマネで笑っていられる高校生みたいなものじゃないですか。
悪く言えば内輪受けですよ、これ。
有名人のIKKOのモノマネが似てたら笑いますが、学校の先生を知っている人はごく少数ですし。私はそんな先生を知らないので「まぁそんな先生いそうだな」ぐらいな感情しかありません。
ものすごい数の他人の著作物の権利許諾を得なければいけないスタッフはすごく大変だったろうなとは思いましたが、そう感じるぐらいで話自体はあんまり面白くはなかったです。
行定勲の劇場よりはマシだったぐらいのレベルでした。
脚本家さんも監督さんも大ヒットドラマを何本も世に送り出しているクリエイターだったのでこちらの期待値が高すぎたのかもしれません。これは映画です。別のジャンルでした。
緊急事態宣言下で公開に踏み切った根性は買いますが、コロナ禍だからこそ世間の流行や小ネタに終始する作品が余計に安っぽくみえてしまった感じもありますね。
ラスト付近の時間軸が2020年で、別れた二人がそれぞれ別の恋人とデート中に偶然再会するってシチュエーションが、ノーマスクで三密なのでコロナ禍では不謹慎な人々に見えてしまいますし。
これは公開延期にして平和になった数年後に公開するか、ラスト付近はコロナ禍に合わせて撮り直してもよかった気がします。まぁ菅田と有村のスケジュール的に不可能でしょうけど。
結論。
他人のモノマネで笑いを取る芸も立派な芸のうちですが、できればオリジナルの新しい芸を発明して、他人からモノマネされるぐらいの映画を作って欲しかったと思いました。以上です。
人生
有村架純が出るということで見に行きました。
ただの恋愛映画ではなく、本当に現実を描いている映画で、親近感というか現実味があって個人的にはすごく好きな映画になりました。
きぬ(有村架純)がそうめんをずずっとすすって一旦止めてまたすするところと、本屋さんで本を持ってくる時にぴょんぴょんってくるところがめちゃくちゃ可愛かったです。
ぜひ注目して見てみてください!
共通点が奇跡のように多かった二人が、お互いの共通点探しをしながら盛り上がり、二人はラブラブ気分に包まれますが、やがて探すべき共通点も探し尽くしてしまいます。そうなったあと、はたして二人は……。
主演の菅田将暉と有村架純の二人が、お互いの趣味も興味も考え方も非常に良く似ていたことから、それが愛へと発展した、そういう二人の愛の日々を延々と描いた作品です。
言うまでもなく、男女のあいだで共通点が多いことは、二人の間隔を引き寄せる最良の材料です。
「この趣味も一緒だった」、「あの考え方も一緒だった」と言いながら、お互いの共通点探しをして、二人はラブラブ気分に包まれるわけですが、やがて探すべき共通点も探し尽くしてしまいます。
そうなったあと、はたして二人はどうなってしまうのでしょうか。
共通点探しだけが愛だと感じている二人の姿に、どこか危ういものを感じながらも、共通点探しを続けている最中の二人のラブラブ気分を楽しめば良い映画なのかな、とは思いました。
ところで、これはオリジナル脚本だという触れ込みでしたが、楠瀬誠志郎の歌「5minuits」(1991)のパクリ、とまでは言わなくとも、そっくりそのままのシチュエーションが展開されます。
歌では、お互いに別の恋人を連れてすれ違い、背中を向けあいながら小さく手を振るのですが、映画の二人もまさにその通り演じたので、しかもそれがエンディングの良いところだったので、おやおやーという感は否めませんでした。
シナリオライターもバブル期の人なので、バブル期に流行った、このとびきりオシャレな歌が頭の片隅に残像として残っていたのかも知れませんし、あるいは、みんなが忘れた頃に、いつかこのシーンを脚本にしてやると思って温めていたのかも知れませんが。
というわけで、もし楠瀬誠志郎の「5minuits」を聴けるチャンスがあるなら、ぜひどうぞ。
たしかにこの歌の世界の向こう側に、映画「花束みたいな恋をした」の世界観そのものが二重写しで透けて見えるのです。
それに、「5分間」という題名の曲ですが、実際には4分ほどで聴き終わるシングルですし。
花束みたいな恋の描写が尊い
菅田将暉さんと有村架純さんが演じる、出会いから恋人との一番楽しい時期の描写がとても自然で可愛らしく「あぁ恋愛っていいなぁ。すごく楽しくて大事な時間が重なっていくんだよなぁ。」と、自分の過去の恋愛の思い出に浸りながら観ていました。
物語の展開に意外性はなく、というかもう予告から結末は分かっているしそのキッカケも想像通り。本作は物語というよりも、一組の普通の恋人たちの花束のような恋の始まりから終わりまでの日記のような日々の描写を愛でる作品だと思います。
一つ一つのやり取りにリアリティがあり、幸せなときめき、恋の楽しさやドキドキ、そしてイライラやもどかしさが伝わってきます。中でも、嘘みたいに共通点が多く恋が始まる予感しかない麦くんとの出会いの一夜のあと、朝帰りして実家に帰った絹ちゃんが母親の小言に耳を塞ぎ「まだこの気持ちを上書きしないで」と、余韻に浸る姿が大袈裟過ぎず、でも物凄くドキドキした恋の始まりの表現にぴったりで、とても共感しました。
終始とても丁寧でナチュラルな描き方で、それぞれの心理描写も分かり易く、ほっこりしながら観ることができました。
恋はナマモノ、賞味期限があるからこそ…
2015年から2020年までの時代背景とともに、ある男女の恋の始まりから終わりまでをリアルに描いた作品。
他人の恋愛事情を見ることによって、客観的に自分の恋愛経験も見つめることになる。わかりみが深いとはまさにこのこと。
ずっと同じ人を好きでいることはほぼ不可能である。
恋の賞味期限はよくもって三年と言われていて、そもそも恋とは脳の快楽ホルモンによっておこるものであることも科学的に証明されているのだ。
恋のいざこざも男と女の脳の構造のすれ違いによって起きる。
また男の愛情は責任であり、女は共感やダイレクトな愛情を求めるということが、本作からも感じられる。
花束って特別なもので、そこにあるだけで日常が彩り華やぐ。そして恋は花束のようなものでいつか、枯れてしまうのだが、たとえ枯れたとしてもドライフラワーのように楽しむことはできる。それが例えるのなら“結婚”ではないのかなと。(経験者から見て)
とはいえ、やはりドライフラワーより、生花、瑞々しいフレッシュな花束の方が良かったりして(だから不倫って古今東西なくならないんです)。
恋愛は儚くもあり人生をより豊かにしてくれるエッセンス。恋せよ若者、夢みよ若者、そんなメッセージ性を感じた。
カラオケっぽくみえないカラオケ、あの“蜜”が今は懐かしくもあり、そして、渋谷パルコが閉店したり、スマスマが最終回を迎えたり、パズドラにはまったり、前田裕二の『人生の勝算』、Air Podsじゃないイヤホン、この5年間の時代の象徴といったものを加えての描き方も好きだ。
部屋のインテリアも、絵も、色調も全て私好み。
不満な点を挙げるとすれば、エンディングで、オーサムシティクラブの『勿忘』が流れるとばかり思っていたから、そこが残念。聴きたかったな。
始まりはいつも終わりの始まり
菅田将暉扮する山音麦は、終電を逃した事をきっかけに有村架純扮する八谷絹と出会った。価値観が似ていた事からふたりは付き合い始めた。「始まりはいつも終わりの始まり」と言う詩も紹介されていたが、昔から同棲と言う言葉はあったけど、いかにも安易な今どきの同棲は昔とは違う様な気がする。
麦曰く、生活する事は責任だ!と言うセリフがあったし、麦は結婚を望んだりもした。身近な私生活においても同棲から結婚に踏み出すタイミングで相談を受けたり女性の両親に挨拶に行くのに悩み始めた男性の話を聞いた事があるが、私に言わせると麦の場合は就職が決まった段階で何とか結婚に踏み切るべきだったよね。同棲と結婚の考え方が男女で違っても、一生を添い遂げる覚悟を決めてプロポーズするのは男性であるべきと思う。甘い恋愛も生活が入ってくると、現実にさいなまれる事が出て来るから何とかふたりで乗り切る努力が出来るのは結婚して子孫を作ると言う意識から始まると思う。菅田将暉と有村架純は悪くなかったけど、この映画の展開では単なるその辺にありがちな話になってしまったんじゃないかな。
ところで、映画前半の最寄り駅は京王線名大前駅であった事からすると、麦は明大生かと言う感じで、綺麗になった名大前駅とともに我が青春時代をも懐かしく思えたのは良かったね。
恋と愛の違い!?
これが恋の映画か?
押しボタン式の信号機
「私たち」だったし、きっと「あなたたち」です
坂元裕二さんだったから観に行きました。
単純なラブストーリーなど書かないと思ったから。
ジェットコースターのような上がり下がり落ち着く、恋愛という時間。
生きていく、又は生きていかせる為にしなければいけないこと。
それでも忘れられないあの日々。
埋め合いたかった言葉たち。
学生の時に出会っていたらきっと理解出来なかった作品でした。
でももう私も学生ではなく、学生気分でいられるわけでもなく、でも学生気分のつもりでもなくて、、。
私は今の私そのものを観ているようでした。
きっと、誰もが一度は経験する道なのでしょう。
そしてその道を共に歩いた人のことは一生忘れられないのでしょう。
道を歩き続けても、違う道を歩き始めても、間違いではない。
私も、「私たちの道」を考え直したいと思いました。
ネタバレはしません。
でも、必ず観て欲しい作品です。
誰にもある大切な恋愛体験を思い出させる
終電を逃したことで出会った麦と絹。2人が付き合って別れるまでを描いたラブストーリー。
有村架純と菅田将暉が主演で坂元裕二が脚本、Awesome City Clubの音楽がフィーチャーされてるとなったら観ない要素がない。
ストーリーは意外とシンプルで、2人が出会っていろんな趣味や感性が似ていることに驚きながらも惹かれ合う序盤、卒業間近に2人で暮らし始める中盤、社会人となり徐々にすれ違っていく終盤となっている。
2人の趣味・感性にすべて共感できたわけではないが、好きなものが似ていたり共有できる素晴らしさを存分に味わせてもらった。そして後半2人が別れるまでの過程もそこらへんでありそうなエピソードに固められていた。それはありきたりということではなく、とても共感できるものということ。
ハッピーエンドではないが、バッドエンドでもない。多くの人が経験する昔の恋愛を思い出すような鑑賞体験だった。そういう意味ではとてもリアルなラブストーリーだと言える。泣いたりするほど切ないわけではないが、個人的にはすごく愛おしい作品になってしまった。
嫉妬!やっぱり坂元裕二さんだな〜
花束みたいな言葉の数々、やっぱり坂元裕二なんだよな〜。流行りものポップカルチャー引用&時事ネタ満載だけど普遍的、こんなの嫉妬する。時間経過を表すナレーションなんかは、紛れもなくぼくの大好きな坂元裕二節。リアル(ex.『ゴールデンカムイ』)実名登場の嵐がその時代を知っているものとして共感ポイント上げる。「偉い」「おかしい」「何も感じない人だよ」の差異を伴う反復に、靴などの小物使い。「さわやか」!ハンバーグ食べたい!サラッと静岡!Awesome City Clubの刷り込みがもはや癒着サブリミナル効果。それに対して『希望のかなた』は本当に良い映画。「パズドラしか!やる気しないの!」は名台詞・オブ・ザ・イヤーか。「もうなんかどうでもよくなった」という温度差。羊文学いいよね。無理なのは分かってるんだけど、僕も坂元裕二さん脚本で恋愛モノ演じたいっすね、そんな気分にもなる。
架純と将暉が恋をしたら…。あえてカリスマ性を押し殺すように平凡な菅田将暉の髪型はちょっとカツラみたい。そんな将暉が社会に飲まれる。架純も苦労する。だから、2014年のワールドカップでブラジルがドイツに7点取られたのよりはマシだって思うようにしている。主人公たちが終盤ファミレスの若者に若かりし頃の自分たちと重ねるように観客もまた自分たちの経験・体験を重ねる。けど、大学の授業サボってセックスしてる連中マジでくたばってくれ。二人ともバイトしながらダラダラ同棲とかしてみたい。そして謎にお金発生してるんかってくらいのジョナサンの主張!よーし、コロナ終わったらライブ行くぞー!!あ、下心とかじゃなくって…。にしても最後までイヤホンって物持ち良すぎる。きのこ帝国の解散、多摩川の氾濫、そしてグーグルマップ。かわいい手描きの絵のタッチとかオシャレが鼻につくのは確か(普段はこういうの大好き)。出たなリトルモア。
不思議な気持ちになった。
映画館を出て、不思議な気持ちになった。
どこかうらさびしいような、きつねにつままれたような…。
ふたりの出会いは飾りっ気なく魂が出会うようで観ていてドキドキした。
共通点の多いふたりが意気投合するだけじゃなく、相手の気持ちを細やかに慮りながら一緒になっていく描写はほんとうに美しかった。
なのに、ラストに向かってホラー化する(笑)
相手のことをどんどん受け入れられなくなっていく。
相手の変化、自分の変化も受け入れなくなっていく。
別れをごくごく簡単に選ぶ。
自分も若い頃、こんな別れがあったような気がしてきた。
軽い。別れが、耐えられないほど軽い。
傷が大きくなる前に、戻れなくなる前に別れた、というべきか。
賢い選択なのか、人間的な成長を放棄したというべきなのか。
不思議な後味はどうもそのあたりのようだ。
坂元裕二脚本。なんとなく納得した。
そんなの駅前で買えばいいじゃん
坂本裕二さんってどんな恋愛してきたんだろう。。
学生、特に大学生にほんとに刺さる映画でした。セリフ一個一個とか空気感とか、もはや共感通り越してこれ自分の話?みたいな錯覚に陥りました。
付き合いたての盛り上がりからどんどんすれ違っていくって恋愛映画は、世間に山ほどあってステレオタイプだけど、この映画が特別なのは、別れることを前提としてストーリーが展開されていくからだと思う。(あのオープニングは秀逸でした)見ている方が映画に共感して感情移入するというより、自分の過去の恋愛を客観的に見ているような感覚。だからこそ、ラストのファミレスのシーンが非常に効果的なんだと思う。麦くんが必死に独白していく姿と、後ろの初々しい男女の対比がうますぎて。涙止まらなかった。けれどこの映画は涙のまま映画館を出させることはない。余韻すらも楽しく可笑しく、微笑みで終われる、本当に花束みたいな作品。
だんだんお互いの立場が逆転していって、嫌いになったとかじゃないけど、圧倒的に価値観が合わなくなってくる。趣味や感性があっていたとしても、人生の選択によって自分の中の優先順位を恋人と揃えることは相当難しいこと。とにかく脚本がすごい。なんでこんなにわかるんだろう?って。
学生が学生のうちに見てほしい映画
PS.オダギリジョーのビジュアルとライブハウスの佇まいがめちゃめちゃ「南瓜とマヨネーズ」??となったけど、「別れて他の男探せばいいじゃん」てセリフで、あ、違うってなった。
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