花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
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学生恋愛のあるあるが描写された作品
大学生、就活を目前にしている自分には「今」という現実を突きつけられているように感じました。
序盤の絹と麦の運命的な出会いは恋愛における「理想」の部分が描かれていて誰もが憧れるこんなのいいなあ、素敵だなあっていう始まりでした。
就活、就職を機に2人の距離に小さなヒビが入り始めた。一緒にコーヒーを飲みながら歩いた帰り道は別々に、大好きだった漫画、舞台、ゲームも忙しさを理由に共有しなくなっていってしまう。
絹ちゃんが楽しみにしていた舞台の日に麦くんは前乗りの仕事、それに対して「じゃあ」一緒に行こうって言ってしまう。「じゃあ」という一言。この一言の罪深さ。
大学生の頃に見つけた地元のパン屋さんが数年経って潰れてしまった時、絹ちゃんは潰れちゃってた、に対して
麦くんは「駅のパン屋で買えばいいじゃん」の返信。
お互いの気持ちを少し考えることができなくなっていく、思っていた返信とは違う返信に感じるモヤモヤ感。
理想的な出会いから始まったから余計に感じる後半部の現実的なすれ違い。映画中に散りばめられた小さな棘が残って胸が苦しくなりました。
終わり方にモヤモヤ感は残りましたが、恋愛を経験した人にはみんなにおこることだからこその胸の苦しさであるのかなって思いました。
2人はお互いに「好き」を言っていなかった。好きなものの共有はしていても好きはなかったことがこの映画のポイントかなと感じました。
ちょっと説明過多?
サブカル好きにはたまらないみたいな意見をSNSで見かけたので鑑賞。
なんというかそもそも恋愛映画でこんなにも説明口調である必要あるのかなっていう違和感を覚えた。
映像で表現すれば良い所も説明が入るし、作り手側が親切すぎる。
恋愛あるあるを見たい訳じゃなくて恋愛映画を見たかった身としてはもっと映像に委ねても良いのではと思った。(何様
個人的に本当ならもっと悶々としながら恋愛映画は見たい。彼、彼女はいまどう思ってんだろ?って想像しながら見るのも面白いと思うのに全部説明してくれるから全く頭を使わずに見れた。
あと、サブカル要素が非常にくどい。しつこい。寒い。
作者名を羅列する下りとか共感性羞恥を感じた。
良かった要素は、ここ最近スクリーンで見かける機会の多い女優さんが結構出てるので(脇役だけど)、映画好きな人はそこに注目しても良いかも。
あと、若いカップルで見に来てる人が多かったので一人で見に行くと上映後がなかなか気まずいので要注意。
追記
映画を見て数日経って思ったのは、これは恋愛映画の皮を被った何かであること。
あくまで恋愛はオマケなのかも。
サブカルに陶酔する若者を薄っぺらく描いてる感じ、大学生特有の社会に出ることに対する嫌悪感、何だかんだ安定を求めて就職をした結果生じた不和、多忙を言い訳にして過去の自分を否定するかのような言動、結婚することがステータスのように捉え出す主人公。
現代社会に生きる若者の理想と現実。
現代社会の構造に抗おうとしても無駄って言われてる気がした。
いま自分が大学生でこれから就職のことを考えないといけないからこそ心に来るものがあった。
女の子に見てほしい
21歳大学生の今の自分に刺さった印象的な言葉が2つあります。1つは有村架純が演じる絹ちゃんが麦くんと出会う前にナレーションで言っていた「頼りになる男は女を見下しているだけ」(正確には覚えていませんがこんな感じ)と、二人が別れる寸前のファミレスで、結婚して幸せになろうよ、恋愛感情が無くても......などと言っていたシーンのあとに絹ちゃんが言った「またハードルを下げるの?」という言葉です。
私は昔、頼りがいがあって、大人な男の人がいい♡なんて思っていました。女の子なら高校生の頃なんかはそう思う人が多いんじゃないかと思います。でも、やっぱり絹ちゃんの言葉は本質を突いているなあと思いました。上司や先輩に対して頼れるなあこの人と思うことが多いと思うのですが、それはやはりこいつより歳上とか仕事ができるからってのが頭の端っこにあるんじゃないかと考えてしまいます。
もう一つの言葉は長く付き合っていると、男の人はみんなこんなもんなのかも、とか、どこの夫婦も長く一緒にいれば、セックスレスになったり、相手の存在が邪魔になったり、うざいところがあってももう呆れて怒ることさえしないとか当たり前なのかなぁとか思っていました。でも私は心のなかでは、ずっと仲のいい夫婦が理想だし、男は遊ぶものだなんて考えもしないで、浮気しないで一人の人を大切に愛してくれる結婚生活を送りたいなと考えてしまいます。大人になるにつれて自分の考えは、夢みたいな話なのかなって思っていたけど絹ちゃんの言葉でハードルを下げるのやめようって自分に言い聞かせました。どの夫婦もなんて言うけれど、浮気をしない人も歳をとっても仲のいい夫婦っています。私が女なのでどうしても絹ちゃんの視点で見てしまったけれど、女の子が大切にしてくれない男性とか、自分の理想のハードルを無理に下げた恋愛をしないようにしようって思える映画だとも思いました。
何がはじまる予感がして、心臓が鳴ったー。
感想
終電を逃し偶然に出会った、麦と絹。
バイト、同棲、就活。いつでも一緒にいた20代のぜんぶが、ずっと楽しかった。最高の5年間を描く、不滅のラブストーリー誕生。
好きな音楽、映画、価値観が嘘みたいに一緒で靴までもお揃いときたら恋に落ちないわけがありませんね。
同棲が始まり、幸せな日々が流れ、ずっとこのままならばよかったのになと思いました。麦の就職が決まるまでは…。
働きはじめた麦は人が変わってしまって終始イライラ…ただ麦の心情のずっと一緒にいたいが為のお金が必要、絹の心情のまたかも両方わかるなとも思いました。
いくら運命的な出会いかたで価値観、趣味が同じでもうまくはいかないものだと改めて思いました。でも悲しい別れではなくお互いが納得してのお別れだったのでスッキリでした。
OCCがガッツリ出てたのはびっくりしました!ポリンちゃんに関しては女優デビューでしたかね笑
エンディングで勿忘聴きたかったのでそれが唯一残念でした笑
期待した人も多いんじゃないでしょうか。
※3回目のデートで何にもなければずっと友達
20代の日常の恋愛をリアルに再現した映画
面白かった
奇跡のように気が合う2人の出会いからものすごくリアルな恋愛模様で、別れ話の時の2人の演技はとても素晴らしかったです。クスクス笑えるシーンもいくつかあってとても面白かった。
自分の恋愛を振り返ってしまう
ワンデーフリーパスポートの3本目
予告を観たときから、菅田将暉くんと有村架純さんのラブラブな感じがこれでもかというほど伝わってきて、どんな物語が描かれるのかと期待して鑑賞してきました。
冒頭のシーンと、そこから5年前の出会いに戻って描かれることで、結末はなんとなく読めるのですが、それでも最後にどんでん返しがあるのではと期待しながら観ていました。というのも、二人が偶然出会い、共通の趣味から意気投合し、告白から交際が始まり、やがて同棲を始め…と一つ一つの出来事がとても丁寧に描かれていたからです。
二人の間には特別なことも大きな事件も起きません。ただただ平凡な日常が描かれます。しかし、二人にとってはその日常の一つ一つが大切な思い出であり、ありふれた、どこにでもいる恋人たちと同じです。それだけにリアルで、誰もが自分の恋愛経験と、重ねて観ていたことと思います。
特徴的なのは、随所に差し込まれる二人のモノローグ。これが実に効果的で、二人が互いを察したりすれ違ったりしていることが、よく伝わってきます。同じ出来事でも男女によって捉え方が違ったり、相手に求めるものが違ったりということは、誰にも思い当たることがあり、多くの人が共感的に二人の行く末を案じながら見守っていたのではないでしょうか。ラストも、望む形ではなかったですが、それがかえってリアルで、より共感できた気がします。
脚本もさることながら、本作の魅力を高めているのは、言うまでもなく主演の二人。菅田将暉くんと有村架純の演技が醸す、麦と絹の雰囲気が秀逸で、場面ごとの二人の心情が手に取るようにわかるほどでした。おかげで、作品世界にどっぷりと浸ることができました。
甘酸っぱさと切なさ、懐かしさと後悔。そんな思いを抱きながら、自分の恋愛を振り返ってしまいました。
はじめまして。好きな言葉は…
恋愛相手が結婚相手と
ならない場合も
あるんだよ。っていう
話でした。
多くの人がもっている
色あせない人生の記憶の引き出しを
素敵な作品を通して
覗きました。
本作を実際に観るまでは、
題名の「花束」は
素敵なものという意味と
想像してたのですが
違いました。
いや、
違わないのですが、
意味としてもうひとつあることに
気付きました。
それは、
恋愛は、
鉢植えではなく、
切花としての観賞期限があって
枯れるまでの美しい期間を
一緒の時間をすごすのだという
メッセージでした。
一度知ったあの感情を、
再び求め続けて、
その感情が消えない相手を探すか、
今は別の気持ちでも
あの感情を共有した相手を
生涯の相棒として
さらに
同じ時間をすごすのか。
すごい意見が別れそう。
近くに、
友達としていてもらって、
その時代に
自分の価値観と合った人と
ずっと恋愛をし続けても
世の中まわるなら
そんな社会がいいかもしれません。
鉢植えのように、
枯れない恋愛で
結婚するのもありだけども。
パンフレットが
作中のいろんなものが
詰まっていて楽しい。
おすすめ
前半が少し出来すぎてはいた
ドラマティックな展開がある訳でもないのに非常に面白かった。共感できる展開やユーモラスな言葉の数々が映画の世界に引き込むのかも知れない。また、「こう言う地味な作品でも商業的に成功できるんだな」っとも思ったりした。無理に異世界転生しなくても面白い映画はヒットするのだと思った。
ただし前半は少し出来すぎていたようにも思う。どうせリアルを追求するならバイト先で出会うなどの自然な流れがあっても良かった気がする。それと絹の風変わりな設定も少しやりすぎな気がする。ポップカルチャーが好きなのはいけどさすがにジャンケンのくだりは少しイラっとした。いや、木線に触れる何かがあったのかも知れない。私も昔は風変わりな自分を「他人とは違う特別な存在」だと思っていた。パリピでも「凄い人」にもなれず風変わりな自分を演じる事で何者かになろうとしていたのかも知れない。そう言うイタさも含めて良い思い出の1ページを見ているようだった。
それと麦が就職をしてポップカルチャーではなくビジネス本を読んでいる所に今の自分を重ねてドキッとしてしまった。この映画は恋愛の映画であると同時に自分の価値観を揺さぶる映画でもあると思った。
あの曲を思い出した。
花束みたいな恋って…
サブカルチックな商業映画(褒め言葉)
脚本が『最高の離婚』や『カルテット』の坂元裕二さんということもあり、格言めいた言葉が散りばめられていて、観心地が良かった。
映画全体的な内容は他の方も言われている通り、二人が出会って別れるまでの『リアル』なラブストーリーなのだが、使われている美術作品などが明らかに高級でとてもフリーターの二人が買えるような物ではない『理想』な暮らしを体現しておりそこもまた、あくまで映画の世界だと認識させられ興味深かった。
また、小説や音楽が好きだと豪語する人が好きになりそうな、小説や音楽の固有名詞がこんなにふんだんに使われて、売れないわけがないと思った。
自分自身、同じ時代に学生で小説に出てきそうな出会い方、夜な夜なお互いの好きなものを語り合う恋愛を体験した淡い思い出が蘇り、帰り道は少し胸焼けがした。過去の恋愛を思い出して同じような気持ちになった人は少なからずいそうだな...。
青春時代の妄想を具現化したような高密度ストーリー
恋愛映画が傑作である条件というのが個人的にはあって
・自然体なイチャイチャ
・色濃い照明
・バッドエンドだけどハッピーエンド
・「行為」は描写しない、又は及ばない
の4つ。
イチャイチャは観る人を悶絶させる効果があって行為を描写しないのはその悶絶をさらに強める。恋愛映画を観る上でこの「愛おしいけど手が届かない」という悶絶こそが醍醐味だと思っていて、この映画の場合、この悶絶が物足りない気がした。
ストーリーは脚本家で宣伝してるだけあり、ユーモアとドラマを織り交ぜていて面白い。しかしやはりまだ商業映画的なクセがあるといった印象でもう1パンチ喰らいたかったな。恋愛映画の爽やかさと切なさの境界線をさまよってるような感じだった。
でも実在のカルチャーを出したのはめっちゃ良かった。
「神がいる」
「新海誠がいつの間にかポスト宮崎駿」
とか。
自分もこの2人と同じような趣味してるから神は世界水準だし、新海誠と宮崎駿は決定的に違うし、無理して人付き合いするよりは自分の世界に篭っていたいし。
そういうヲタクならヲタクほど共感できる要素があったのが1番好きなポイントかもしれない。多分隣りの人は「なんであの人あんな鼻で笑ってんだろう」と不審に思ってたはず。
いいんだよ不審でも。こっちは楽しいんだから。
逆にファミレスのシーンでその人は泣いていて、そんなに泣けるかな、と疑問に感じたが…
自分もわざと終電逃した振りすれば出会いとかあるかも?て馬鹿げた事考えたり、そういう甘い妄想も恋愛映画の醍醐味かもね。
恋人じゃなくていいから趣味がピッタリな友達欲しいよなぁ。
とりあえず清原果耶版の『花束みたいな恋をした』よろしくお願いします!
ちなみにさわやかハンバーグ大好きだし、魔女の宅急便はやっぱアニメです!ガスタンクよりは…ホビットかな。
【要注意】カップルで見に行くべきではない
恋愛というよりも人生観の映画です。非常にリアルな描写で監督、脚本、俳優さんらのクオリティの高さが分かります。
が、それゆえに非常に重く感じました。
表記通り、カップル、特に付き合いたての2人にはとても気不味い空気にし、微妙な状態の2人には別れを加速させるものとなりえます。
現に私が観た時はカップルだらけだったのですが、上映中から終わった後までの何とも言えない嫌な静寂でした。
完全に個人的なことですが、映画見るまで楽しい1日が、観ただけで後味の悪い形で1日を終えることとなってしまいました。
1人や恋愛対象外の人と見に行く分には良いと思います。
繰り返しますが、バレンタインデー前後に浮かれていくとカップルブレイカーとなりえる非常に危険な映画です。
(なぜこの内容で恋愛ものとして、この時期に公開した…)
本当に一般人の恋愛あるあるを映画にしたって感じだったので、すごく親...
安定感
いつか恋は終わり、花は枯れる。だからこそ美しい。
二人が付き合いはじめてすぐの旅行。海辺でのシーンが印象的でした。
一時だけ黙ってその場から離れてしまった麦に絹は取り乱しながら「居なくならないで」と懇願するように責め立てます。
カップルとなったばかりで劇中の二人は燃え上がり、それを見守る観客の我々も盛り上がっている段階であえて冷や水を浴びせるようなあの場面。
ミイラ展開催のニュースを見て内心ではむせび泣くほど歓喜していてもその表情からは全く察することが出来ないほど常に穏やかで、後に転職後のすれ違いで喧嘩をするときも、一瞬感情を昂ぶらせることはあれど冷静さを失わないよう努めている大人(と言うより物事を達観している)性格の絹が、劇中で最も感情的になった瞬間だったような気がします。
まだ序盤と言えるあのタイミングであのシーンを入れたのは、二人の未来を暗示していたのかなと感じました。
きっと絹は「二人で」というのを何より大事にしていたんだと思います。
恋愛も生活も二人で営んでいきたいという絹の姿勢がその後の二人の同棲中の様子からも伝わってきます。
駅から帰るのもお風呂に入るのも本を読むのも曲を聴くのも二人。べったりし過ぎじゃないかと思うほどに。
だから海辺でも麦が黙ってしらす丼を一人で取りに行ってしまって、片割れとして取り残されたことにあんなに声を荒らげたのかもしれません。
「美味しいしらす丼を食べさせたかった」という麦の気持ちを汲んでもなお動揺を抑えられない、という様子を有村架純さんがとても上手く演じていました。
対して、彼氏である麦としては男として「相手に何かをしてあげたい」という気持ちが先走りすぎて、
それが結局、先のことを考えるがあまり相手を置き去りにしてしまい、二人の関係にズレが生じてしまうことになったのかなと。
そうした彼女のために不器用なりに頑張る、でもそのために変わっていってしまう彼氏の姿を菅田将暉さんが好演していました。
見終わってから考えてみると、二人が出会った最初の夜の明大前駅から調布駅までの道すがらや、同棲開始後の河川敷を歩くシーンは二人の「人生」を表す暗喩になっている気がしました。
徒歩30分の道のりでも二人で一緒に歩いていれば全然問題ないし苦でもなさそうで、二人で歩いているときはその時間も含めて幸せそう。
そのぶん中盤以降、二人で歩くシーンが減ったのは二人のすれ違いを表しているようで悲しかった。
一人で毎日30分かけて歩いて帰るのはつらいでしょう。
そうして一人で帰宅してもまだ麦は仕事から帰ってきていない。
そんな日々が続くうちに「二人の人生」の道がわからなくなってしまったのかと思います。
絹が静岡出張に行く麦へ移動中にと勧めた『茄子の輝き』という作品を気になって調べてみたら、短編集ですが元妻との記憶を回顧するのがメインのお話のようです。
もしあのときに麦がもしその視点を持てていたらなぁ。。
とはいえ、別れを選んだシーンの美しさやその後の「二人の日常」まで描いてるあたり、本作は別れ=悲劇というかたちでは扱っていないと感じ、とても良かったです。
エンディングも泣かせにかかる情緒的な曲ではなく、ほのぼのとした曲とイラストでほのぼのとした日常を振り返るからこそ、悲しい結末では決してないということを示しているような気がしました。
「花束」というのは基本的に誰かから渡されるもので、古今東西異性へのアプローチに使われるものですが、
時が経ち、枯れて終わってしまっても「あの花束はきれいだったな」と思い出し心が温かくなる、そんな素敵な恋愛をした二人の、至上のハッピーエンドではないでしょうか。
ただ、カップルは一緒ではなく別々に観るか、劇場を出たあと自分たちに置き換えてゆっくり消化する時間があったほうが良いかもしれません。
こういう、フィクションだけどリアルな恋愛映画から気付きを得て、まだ枯れてないのに別れてしまうカップルが恋から愛へ進めるようになれたら良いなと思います。
素敵な作品を見れました。
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