花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
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坂元さん×菅田くん×架純ちゃん観れて良かった。
始まれば終わる。始まりは終わりの始まり。終わりに始まりを思い出すといつのまにか忘れてしまったことに気づかされる。どんなことも経験として思い出として確かに残っていてそれが紛れもなく自分の人生を作ってる。だからこそ無くなったように思えても良い思い出は確かにあるんだ。消えてない。なかったことにならない。辛いことや消したい過去も消えないって考えると苦しいけど。麦くんの変化はきっと変わらざるをえなくて、でもどう考えても想像するだけでああなっちゃうのは息苦しい。ある意味好きだった本も漫画も楽しめなくなってしまって当然で。パズドラに打ち込むのもきっと無心になれるから。人によるかもしれないけど。頭も気も使いまくってたらそうなるよ。なげやりなプロポーズとか、喧嘩した後一見冷静に普通に会話してる感じとか、リアル。絹ちゃんの変わらない部分。麦くんが変わっていったからこそコントラストとしてよりそれが鮮明で。生きるって責任とか、本当にやりたくないことやりたくないよなとか学生気分とか社会って何なんだろうとか色々考えさせられる。まだ考え足りない。麦くんみたいに生きてる人が大半だとして、でも絹ちゃんみたいに生きてる人もきっといて、私は絹ちゃんみたいでありたい。
そもそも2人は恋愛していないのではないか?
そもそも主人公の2人が恋をしているという前提が感じられず、入り込めなかった。「この人でなくてはだめ」という関係性には感じらず、たまたま趣味が合っただけに見える。なので、別れてしまっても何の切なさも覚えなかったのだと思う。確かに出会った当初の思い出は綺麗なもので手放したくないものかもしれないが、それはあくまでも昔の出来事で「今、ここ」にあるもの(別れる時からみて)ではないのである。
特に、醒めてしまったのが喧嘩や倦怠期の描写である。なぜか同世代の私からみても幼く感じられてしまう。愛し合っていたなら、あのような自分の感情だけを吐き出すような、思いやりの欠片もないやり取りには至らないのではないか。
また、主人公たちの人柄に魅力が感じられなかった。主人公の2人は俗っぽくなく独特な感性の持ち主で、陰と陽のどちらでもない人なのだと感じる。だとしたら、精神的にもっと成熟していて知的さがあればバランスが良かった気がする。さらに、カップルとしても憧れる要素がなかった。本作品では、他の登場人物の影は薄くカップルの関係性を排他的に描いたものと思われるが、2人だけの世界が感じられなかった。うまく言えないが、もっとバカップルらしいところがあってもよかったのでは、そうしたらキュンとくることがあったかもしれないと思う。
散々偉そうなことを述べてしまったが、鑑賞できてよかったと思っている。ここまで感想を書いているのは強く影響を受けている証であろう。個人的には、自分も主人公と同世代で5年に渡る恋愛をしたものの(なんの前触れもなく相手の心変わりで)別れてしまった経験があったため、さぞ感情移入して辛くなるだろうと思ったが、見事に裏切られて、それが面白かった。私は5年間全力で恋をしていたのだと清々しい気分になれた。感謝している。
記号化したサブカル
美男美女のサブカル好きって時点で違和感を感じてしまうんだよね。まあそれはいいとしても、記号化したサブカルの固有名詞が飛び交うだけの会話ってなんか空虚に感じる。
「好きな言葉は替え玉無料」って自己紹介する絹の言葉をスルーするってありえる? そこって食いつくとこでしょう。記号化した単語をいっぱい並べるだけのセリフが結構あって、しっくりこない。
就職したからって興味がなくなるってことは、サブカル好きな自分に酔ってるだけなんだと思う。
共感できたのは、「好きなことを仕事にしたい」絹のセリフくらいかな。
恋愛感情がなくても家族になりたいって、いつの時代の感覚だよ。監督さん!
それはそうと、『街の上で』の女優さんがいっぱい出演していたのは驚いた。
その辺でガスタンクなら廻沢か平沼橋
2015年、終電間際の京王線明大前駅で出会った大学生カップルの5年間の恋愛映物語。
調布で独り暮らしをする男子大学生と飛田給の実家で暮らす女子大生。
名大前からだとタクシーで5~6000円ぐらいですかね?
それぞれお付き合いで参加した乗り気じゃないカラオケ帰り、終電を逃して時間を潰すうちに、共通点が沢山あることから意気投合し、交際して同棲して…大学生からフリーターになり就職しという、どこかでありそうなカップルの心境や環境の変遷と機微をただひたすみせていくというね。
決してつまらなくはないけれど、主人公の2人が自分とはまるで違うタイプの人間で、共感出来るものがほとんどなかったし、冒頭でオチをみせられていたからか、ふ~ん…という感じだった。
希望と現実を持ち合わせる年頃
花瓶に入れた花束が時間が経つにつれ変化する様に、出逢いによりいくつもの彩りを感じる瞬間を味わい、時の流れに互いが少しずつズレを感じながらも過ごしていく様が2人の心情と共に描かれとても良かったです。
また片方のみのナレーション(心の声)ではなく互いのナレーションを入れることで、心情の変化をより細かく表現してると思います。
大学生という希望と現実を持ち合わせた年頃で出逢う2人。
だからこそ色鮮やかな花束を想像させる2人の関係性が描けるのだろう。
最後に押井守監督が本人役で出てるとは思いませんでした。
これはビックリしました。
彼氏と別れた気分になる映画
恋愛映画によくあるツッコみたくなるような設定が少なく、現実的でそのへんにいそうなカップルの話というのがよかったです。完全に同じ経験をしているわけではないのに、自分の恋愛に重ねられる。
「学生時代の恋愛と結婚は違う」という言葉が映画の中にありましたが、まさにそんな話でしたね。麦と絹が出会った時と同じ大学4年生で就活中の私は希望が持てなくなりました笑
前半はあんなに幸せそうなカップルだったのに、後半のケンカやすれ違いはリアルで痛々しく、最後のファミレスのシーンは号泣でした。演技力が素晴らしいです。脳にこびりつく余韻。
恋愛感情はいつかなくなってしまうという問題の答えは何なのか、麦くんと絹ちゃんはどうすれば別れなかったのか、考えてもわからずモヤモヤします。
なのに、リピートしたくなる素敵な作品でした。2回目も観たし、ノベライズ本とフォトブックも買いました。
ただ、レビューを観ていると恋愛経験や恋愛観によって評価が分かれるのかなと思いました。あと、デート向きではないです。
有村架純ちゃんがかわいかったです。
もっと若い時期に本作に出逢いたかったという嫉妬心
ラブストーリーほど観る者の価値観に左右されるジャンルはないのではないだろうか。それまでの恋愛経験や恋愛哲学、さらにはその恋愛をしていた年齢や時代さえも作品への評価へ影響を与えかねない。故に、この作品の評価が人によってばらつきが多いのは当然のことに思える。
かく云う自分はどうかと問われれば、それほどの共感を得られなかったタイプだ。若い二人が恋をして、甘美な時と厳しい現実に直面する時を経て、次第に変化する心境を紡いだ構成は見事であったし、恋愛のピークを超えて、感情がプラトーに達したやや退屈な日常さえも描いた思い切りの良さにも関心した。特段、前半で2人が居酒屋で語らうシーンの距離の縮め方のリアルさには頬を緩めてスクリーンを見つめていた。
だが、それは物語の輪郭にすぎないように見えた。2人のモノローグで語られるストーリーテリングは冗長に思え、展開が進むほどに2人のモノローグが左右で異なる音を出すステレオのごとく、不協和音となって耳に残る。無論、次第に変化するその微妙なセリフの食い違いこそが本作の魅力であるし、そこを読み解くことに物語の魅力が隠されているのだろうが、私にはセリフ過多のあざとい演出に思えてしまったのだ。
記号的に使われるサブカル情報が架空のものではなく、実在するものを登場させたことは諸刃の剣だ。同じ時代を生きた同じ世代の観客には響くトピックであっても、数年後、数十年後に本作を初めて観る者にはどう映るのだろうか?と首を傾げたのも事実。ただ、本作の主人公たちと同世代、同年代でこの作品を観賞したのであれば全く違った感情を持って観れただろうと思うと、もっと若い時期に本作に出逢いたかったという嫉妬心があるのも事実である。
現実と理想のギャップが辛い
子どもと大人の中間の学生2人が社会に出て、現実と理想のギャップや、お互いの価値観の男女のズレがとてもリアルだった。一生で忘れられない人と結婚する相手は違うというのはよくあり得ることだろうなと映画を見て改めて感じた。
学生から社会人を経験している大人が見ると、客観的に男女の思考の変化に共感ができ、観終わった後に色々と昔の思い描いた未来と現実を見つめ直すきっかけになったような話だった。これを踏まえて自分を大切にしつつも相手の気持ちも理解して大切にしようという気持ちを持てるのではないかなと思う。
オススメできるがカップルで見るには重いので友だちか1人で見たほうがいいと思う。
あの日、チケットで手に入れた5年にわたる2人の時間
はじまりは押井守だった。
絹と麦の良くも悪くも成長の物語でした。
はじまりはおわりのはじまり。
あの終電から2人のカウントダウンは始まっていた。
出会ってすぐの多幸感、からの見てられないほどのイチャイチャ、それだからこその2人の冷め方の落差。
若い頃の恋愛と結婚は違う。
序盤のサブカルの応酬は、サブカル割といける自分からしても流石に疲れたけれど、2人を繋いでいたサブカルが、麦の諦め「じゃあ」に変わっていくのは本当に観ていて辛かった。
モロにわかるんだもん。2人の間の見えない壁が。
恋愛経験少ない自分でもしっかりわかる、街中に転がってそうなある意味普通の、リアルな恋愛でした。
別れる
この言葉を使わずに別れた結婚式の夜のファミレス。
未練がましい麦とここできっぱりと終わらせたい絹。
まさに男と女。
清原細田カップルに自分たちを重ねるところは印象的でしたが、自分は泣けるようになるまでにもう少しかかりそう。
ただ、それまで重苦しかった空気が、別れた途端に解放されたように吹っ切れて、付き合い始めた頃の多幸感が戻ってきたのが唯一の救いになりました。
前述の通り、サブカルの畳み掛けは疲れますが、途中からこの作品のサブカル要素の重要性に気付きます。
5年の間、2人の愛の形、関係は変わっていった。
その年の経過を感じさせるのは、2人の演技による微妙な違いはもちろんのこと、周りの人たちの変化や時代によって流行りの変わるサブカルたち。
特にACCの歴史が絹麦とともにあった。
もちろんPORINさんも。
内容に注目しがちだけど、忘れてはいけないのが、豪華キャストの絶妙な無駄遣い。
あの人からあの人まで、チョイ役でいっぱい出てくるので、サブカルや固有名詞とともにどこに誰が出てくるか、ワクワクしながら観れました。
言葉選びが秀逸で、比喩や例えも気持ち良い溢れ出る坂元裕二ワールド。
とにかく良くできた映画です。
好きになる人もならない人もいると思います。
流石の脚本に、復習にはもってこいのエンドクレジット、遊び心満載なパンフレットも。
2人の幸せな未来を祈って、色々な意味で何度も観たくなるような映画です。
人間は良くも悪くも変わっていくもの。 恋愛関係もずっと一緒ではいら...
都合良すぎ
前半の二人の出会いですが、二人の趣味が完全に一致してすぐ仲良くなる過程が出来すぎていてご都合主義だなと思い反吐が出ました。それでもう自分はダレてしまったのでそこからは完全に惰性で観ていました。
最後の方のファミレスで話し合うシーンでも昔の自分たちと同じようなカップルを見て二人は涙していましたが正直ふーん、これもご都合だなと思ったし変に長いので早く終われと思ってしまいました。
ただ二人が疎遠になっていくのは妙なリアリティがあり良い意味で気分が悪くなりました。
ご都合主義というより何でもかんでもわかりやすく提示しすぎているのかも?
佐久間宣行のお勧めで
共感できた
ごく平凡で幸せな恋が緻密に描かれていて、世代と形が違えども、自分にもこんな時期があったなぁと思いました。
ただ、ラストシーンで別れるときは、26歳にしては老けすぎではないかと思いました。
モノローグがいやだった
「恋」で始まり「愛」で終わる物語
生まれて初めて恋愛映画で泣いた。それくらい心を揺さぶられ、作品に引き込まれた。登場人物の年代と自分の年代がぴったり一致していたのもあり、あーこの頃あれしてたなぁと余計フィクションである事を忘れる作品だった。あと友達にどんな内容だったか聞かれた時に「運命的な出会いをした2人が5年付き合って円満に別れる映画」と説明した。そこで思ったのは特にどんでん返しや衝撃のラストがあるわけでもなく、内容は至ってシンプル、予告編がほぼダイジェストになっていたのに何故こんなにも見応えがあって心を揺さぶられたのだろうという疑問だった。言葉での説明は最小限に、かつそれに含まれる意味は最大限にしようとしている。これは個人的な解釈だが絹があえてマリーゴールドの名前を教えないようにしたが2人の思い出が「花」となり皮肉にもお互いが思い出すきっかけとなっていた。その花が積み重なった花束がしおれていく切なさが心に一番響いた。「恋をした」と過去形にする事により互いの道を歩みながらもその「花束」の美しさは変わらなかった様に思えた。
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