「恋の前と後」花束みたいな恋をした 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)
恋の前と後
オープニングの掴みがよくて、一気に引き込まれました。台詞にちょっとした捻りや工夫があっていちいち面白かったし、演出も好みでした。初めて訪れた彼の部屋の本棚をみて、「うわ~、うちの本棚と同じじゃん!」みたいな台詞に、ほのぼのしてしまいました。「監督誰なんだろう?」と調べたら、土井裕泰さんだったんですね。「今、会いにゆきます」(04)とか「映画ビリギャル」(15)とか、土井監督の描き方は好きです。出会った瞬間から、不思議なほどの共通点にぐんぐん互いの距離が縮まって恋に落ちていく感じ、「これは運命だ!」「偶然とは思えない!」みたいに盛り上がっていく気持ちが懐かしかったです(笑)。前半の恋全開モードから徐々に暗雲立ちこめる展開は、観ていてちょっと辛かったですね(涙)。共有できる興味や趣味で近づいていって、さらに距離を縮めていったら、互いの価値観の違いも目に付くようになって、徐々に醒めていく感じがとてもリアルでヒリヒリしました。でも、ラストのストリートビューのシーン、よかったです!麦(菅田将暉)の表情が脳裏に焼き付きました。恋の後のさらにその後に何かあるんじゃないかみたいな予感に包まれて、ちょっと幸せな気持ちになりました。やっぱり、麦と絹(有村架純)は特別な二人だったと思います!
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