「邦画…やるやん…」花束みたいな恋をした ばぶさんの映画レビュー(感想・評価)
邦画…やるやん…
映画は好きだけど恋愛映画にはビタイチ興味が無い。
ましてやせっかくの大スクリーン大音響でなんで他人の恋愛模様見なきゃあかんのや、とすさみきった感性の持ち主でしたが、各所でべた褒めされてたので見に行きました。
生まれつきチョロいので。
結果は、映画館でみて大正解の作品でした。
暗い部屋で、物も言わずスマホも触らず細やかな描写を克明に見つめる体験って、自宅だとなかなか難しいんですよ。
ついついトイレいったりお菓子あけたりTwitter開いたりして集中が途切れる。
でも映画館ではそれが出来ない。
だから、菅田将暉と有村架純のあまりにも真っ直ぐ愛しあう2人がめちゃくちゃ愛しくて尊かった。キスシーンのたびに照れた。わたしが。なんも関係ないのに。
エッチシーンは精々ふたりの足とか手しか見えないのにめちゃくちゃえっちだった。セックスは挿入や愛撫だけじゃなくて、言葉を交わして同じ空気を吸う、その「雰囲気」に宿るんだと認識させられた。めっちゃえっち。ふたりで一緒に布団入るな。えっちだから。
夢見がちな男は現実を見せつけられて「社会」に迎合することを選び、夢は違う形でもいいから叶えようと健気に頑張る女はそんな彼を寂しそうに見つめる。ああーーーこの世のどこにでもある光景ーーーーーただ世の中のカップルは菅田将暉の顔面も有村架純の可愛さも持ってないーーーーこのふたりだから絵になるしお話になるーーーーーーこんなん現実にあったらとっとと別れて終わるーーーーー
~完~
いや終わらん。
この映画の何がすごいかは色んな人が色んなところで言ってるので割愛する。
けどこれは、映画館という特殊環境だからこそ、ここまで2人の行く末に没入できた。
邦画の、しかも恋愛に力を入れてる作品はなにかと事故に巻き込まれたり病気になったり片方死んだりもう死んでたりするけれど、この映画でそういうわざとらしいトラブルは起きない。
あくまで、淡々と、出会って、愛し合って、すれ違って、結果──別れる。
ドラマらしいドラマなんてない。日常の積み重ねの上に選択し、明日が来た、それだけ。
だからこそ生々しい説得力というかリアルさがあった。
こういうの作れるんやん邦画界。
最高やん。
これから邦画もっと見よ。
結論。
恋愛映画はいいぞ。
食わず嫌い、良くない。