劇場公開日 2021年1月29日

  • 予告編を見る

「彩がギュッと詰まった時間」花束みたいな恋をした an7さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0彩がギュッと詰まった時間

2021年2月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

特に大きな出来事が起こるわけではないけど、
日常が、価値観が、関係が少しずつ変わっていく。
映画を観ている間は、ほんの少しだけ、
自分が2人の人生を歩んでいる気分になりました。

昨年大学を卒業し、
社会人として働き始めたばかりの私にとって、
とても身近に感じられるストーリーでした。
好きなことをして暮らしたい絹ちゃんと、
責任を持って働こうとする麦くん。
どっちの気持ちもわかるからこそ、
もどかしさでいっぱいになりました。

あえて絹ちゃんの目線になってみると、
家族から押し付けられて嫌だった価値観を、
今度は好きな人が持つようになってしまって、
一緒にいてもひとりぼっちな気がしてしまうんじゃないかなと。
最後のファミレスのシーンでは、
麦くんの変わりすぎた価値観(普通の家族生活=幸せな家庭)に、少しイラついてしまいました。
パン屋さんのシーンは、本当に心が痛くなりました。
そういうことじゃないんだよなぁ…って。

タイトルについて、いろんな捉え方があるけれど、
「花束=彩がギュッと詰まった時間」だと
個人的には思います。
幸せだった4年間が、枯れずに2人の中で思い出として生き続けていることが嬉しかったです。

最後に、なんといってもやはり、
菅田将暉さん、有村架純さん、
お二人の演技が素晴らしかったです!!

an7