「所詮「アイドル映画」でしかない。出演者は被害者。」オレたち応援屋!! とがやさんの映画レビュー(感想・評価)
所詮「アイドル映画」でしかない。出演者は被害者。
結論:すべてにおいて、時代遅れでつまらない。監督の嗜好が露呈しすぎて、出演者はもはや被害者。こんな駄作をなぜ東宝もジャニーズ事務所も公開を許可したのか分からない。
自分は、友人がエキストラでこの映画に出るというので観ました。
ストーリーを少し説明します。
喫茶店に集う、関係性や素性が謎すぎる5人の若者(ABC-Z)が、誰かを応援することを目的とした「応援屋」として働いていた(副業?本業とは思えない)。
オープニングは持久走大会で、夕方になってもトボトボ歩いている中高くらいの男子生徒を5人が応援するところから始まる。最終的に5人と男子生徒の友人らの“応援”によって、彼は無事ゴールすることができた。
正直、このオープニングシーンの時点で「ああ、こりゃつまらんな」と確信できた。
(ビリの男子生徒を学校がコースでの監視を放置するわけがないし、ゴールする前から校庭の片付けをするわけもない。それに見知らぬ青年たちを、許可もなく学校に入れられるわけもない。てかそもそも「巨漢=運動できない」という図が時代遅れ。)
「応援屋」の5人は、町の人から依頼をもらい仕事をしている。しかしその内容は「迷子の猫探し」や「引っ越しの手伝い」など、いわゆる「便利屋」のような内容が多い上、金銭のやり取りを成立させることなく遂行している場合もあり、彼らの応援屋としての収入はほぼゼロだった。
そんなとき、とある島で高校教師を勤める女性から「20年前に終わってしまった、島の伝統祭り(雷神祭)を復活させ、今年度で廃校してしまう自分の最後の生徒たちの門出を祝いたい」という依頼が。
ここから無駄でしかないシーンが続々盛り込まれます。
5人がそれぞれ、依頼人の先生に変顔でメロメロになるシーンがところどころに入り、5人が住み込む島の宿(先生の実家)で、女湯に入っている先生の姿を覗きに行こうとするシーンが挟まれたり。
時代遅れも甚だしい内容で、メンバーの変顔や余計なシーンを求めていない身としては、正直そんなシーンに力を入れていないで、もう少しストーリーをしっかりしてくれ…と思う。
その後も話のテンポは無駄が多いため遅く、余計なメロメロ変顔シーンは特に何の伏線(恋仲フラグとか)にもならなかった。
結果的には、島をあげて「雷神祭」を復活させることができ、最後の高校生活に花を飾ることができた生徒と依頼人の先生でした。
お祭りで踊られるダンスの振り付けは、主演の五関さんが担当しているそうです。
このダンスシーンはさすがジャニーズだ、と思えるシーンで、映画で最も「何も気負いせず素直に見られるシーン」でした。
その後、島から戻った5人は変わらず「(便利屋も担う)応援屋」を続けることに決めたところで映画は終わりです。
出演者の誰かのファンであれば、観に行ってもいいだろうけど、きちんと「映画」を観ようというのなら、ほかをあたった方がいい。
監督、脚本が好みとするギャグセンスや「女性への接し方」が、私には合わなかったんだなと前向きに考えようと思います。
(ヒロインへの「美人○○」な扱いも公然猥褻のような多くのセクハラや轢き逃げも、女性客が多いと見込まれる本映画において、よく取り入れようと思ったよな…abczメンバーにそれをやらせるなんて、まさにヒロインもabczも被害者でしかない)
内容がない、まさに「アイドル映画」でした。
監督は続編を作りたいそうですが、無理だと思います。詰め込みすぎだし、出演者それぞれの魅力を活かせていないと思います。ギャグの質も古いです。
とはいえ、寝なかっただけ偉い自分。
追記:
出演者の演技力は総合的には高かったです。ただジャニーズJr.の子たちはこれから演技も頑張ってほしいなと思いました。
abc-zをテレビでは歌番組くらいしか見かけたことはないのですが、もっと彼らの活躍が見てみたいと思いました。主題歌も良かったので→