「見ざる聞かざる言わざるを脱却せよ」弥生、三月 君を愛した30年 Don-chan(Daisuke.Y)さんの映画レビュー(感想・評価)
見ざる聞かざる言わざるを脱却せよ
「世の中はつらいことでいっぱいですが、それに打ち勝つことも満ち溢れています」
「人の苦しみをやわらげてあげられる限り、生きている意味はある」
ヘレン・ケラーが残した言葉である。
そんなヘレン・ケラー推しの波留さんが演じる弥生はとても素敵だ。
カセットテープにサクラは録音していた。
触れてはいけないこと、伝えたい思いを作品に残して亡くなった坂本九。
六八九トリオ(永六輔、中村八大、坂本九)...”689”。8月6日 広島、8月9日 長崎。
サクラが好きな歌が『見上げてごらん夜の星を』。
坂本九が亡くなった日本航空123便墜落事故は闇が深い。
坂本九は原爆地上説を示唆していた。
愛が彼の原動力となり世間に伝えたかったのだ。
今作は死の間際の走馬灯のようなダイジェスト的な進行中に、回想シーンも加わるので話がややこしいが、過去を振り返りながら生きている描写である。
歯医者のシロクマが弥生に告白するとき都合よく周りに誰もいない。
それは、二人きりのシチュエーションをシロクマが準備したのだ。
自らタイミングを作り出したとも言える。
ボール返却を急かす少年は待つ。
バスを追いかけてばかりの主役たち。
バスを待つくらい早く来ていれば乗り遅れずに済む。
しかし待たないから乗るタイミングを逃す。
サクラのお墓(死者)に本音を暴露する。
墓石に耳があると思っているのか声に出して言う。
遺骨があそこに埋められている設定なのだろう。
1948年に”墓地、埋葬等に関する法律”が制定。
火葬の義務化まではされなかったが、自治体は環境衛生などの理由から条例で土葬を制限した。
1948年より以前は日本でも土葬していたのだ。
ちなみに現在アメリカやヨーロッパの主流は火葬ではなく土葬である(火葬率は30%)。
情報化社会だから理解できる日本の習慣の違和感。
山田太郎→サンタ→クリスマス→イエス・キリスト(飛躍し過ぎかな)。
イエス・キリストは3月に処刑されたことが有名だ。
旧約聖書の教えとは異なる意見を述べ権力者に処刑されたイエス・キリスト。
教室で学校の方針とは異なる意見を述べ警察沙汰になった弥生。
おかしな世界でまともな言動をすると変人扱いされる。
盲目で、耳が聞こえず、口も利けないというほどではないが太郎には弥生が必要だ。
太郎だけが見掛け倒しなのではない。
教育、法律、病気、災害、まともではない日本を感じる。
ラストの赤ん坊は、太郎と弥生の愛の結晶ではなく、なんと本人達。
視聴者を騙すような描写。
黒木瞳さんも若い姿で登場した。
30年間を同じ役者で通すのも凄い。
ダメ出しすれば太郎と弥生は、もう少し特殊メイクするなど加工したほうが良かったと思う。
仙台での太郎と弥生のラブシーンは印象的。
3.11に日付変更する場面は最高に盛り上がる。
本屋で『奇跡の人』の本を取ったら二人が出会えたのは良い場面だった。
日本では江戸時代でも火葬はあったそうです(寺の住職さんに聞きました)。ショックなんですよね。
焼き場から出て来た時の姿。
辛いです。多分今は火葬が原則だと思いますが。
好意的に作品をご覧になられたのでしょうか。私、再度見直さねば、と思ってしまいましたよ🦁
こんばんは♪
共感コメントしていただきましてありがとうございました😊
ドンチャンさんは、本作大好き💕
なのですね。またお詳しい。
波瑠さんご自身はいい俳優さんだと思います。サクラ🌸が残していたテープのこと記憶に無くすみません、また観たらしっかり確認したいです。八六九トリオ?
あの日航機墜落事故は謎と言われていますが、陰謀説があるのですか?