劇場公開日 2020年9月11日

「男同士でも、恋はいつも温かい」海辺のエトランゼ ニンフィア好きさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0男同士でも、恋はいつも温かい

2021年7月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

2か月ぶりの映画鑑賞&レビューです。

今や恋愛は、男女カップルだけのものではありません。男が男に恋したっておかしくないのです。相手がだれであろうと、人を好きになるのは素敵なことです。同性間での恋愛も十分成立します。この映画が言いたかったのはそういうことでしょう。

主人公の駿に惹かれる実央が最初から最後までとても愛おしく見えました。59分という短い尺の中で、二人の純愛をこんなに鮮明に描いているところもとても良いです。特に実央は、最初は一方的な恋心でも、だんだん駿を自分に導いていっています。元々実央と同じく男が好きだった駿も実央への愛が生まれてからは好きで好きでたまらないという気持ちだったでしょう。二人の愛はお互い急速に膨らんでいき、決して離れたくなくなってより一層好きになってしまう二人の感情表現が切ないけど愛おしくて忘れられません。短くても十分見応えはあり、観た後はどこか心が温かくなって誰かを愛したくなります。それだけこの59分の中にインパクトが残されています。

「おっさんずラブ」と「窮鼠はチーズの夢を見る」が全然違うように、一口で「BL」といってもその中で分類わけは様々です。同じ男同士の恋愛にしても形はそれぞれ違います。形は違えども、素敵な恋愛であることは同じです。今作の場合は、舞台である小さな美しい離島が二人の恋模様をより美しく魅せていました。こういった背景も作品の中ではとても大切な部分です。この映画はより革新的な「BL」を描いた素晴らしい映画だと思います。

ニンフィア好き