1917 命をかけた伝令のレビュー・感想・評価
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このような映画を見ると、カットを割るという意味を考えてしまう。的確...
このような映画を見ると、カットを割るという意味を考えてしまう。的確だったと思う。ただただ超絶技巧に没頭してしまい、ファスビンダーの「あやつり糸の世界」を見たあとのような心持でいる。情緒とかそういうところまではまだ至らない。あまりその部分はないと思うけど。
Poor Wayfarings Stranger
美しい(きれいな)戦争映画だった。
今回、アカデミー賞10部門にノミネートされ、日本でもすぐ上映され、公開中に3部門(視覚効果賞、撮影賞、録音賞)での受賞が決まった。作品賞、監督賞、脚本賞はパラサイトに献上。なにをやってんじゃと思うけど、イギリス・アメリカ合作のこの作品を見に行った。
第1次世界大戦時の1日を切り取るように若きイギリス兵のスコフィールド上等兵とブレイク上等兵を中心に描いた 美しい(きれいな)戦争映画だった。くどい?
戦争映画としての特徴は塹壕の場面が非常に多かったことだろう。非常に多数の兵士を細かく描写し、帯同して移動しているような気分に長く浸れた。ネズミも怖かった。ドイツ軍の塹壕での爆破シーンは10㎝ぐらい飛び上がった気がした。わたしはブレイク上等兵に感情移入していたので、ブレイク上等兵が死んでしまってからは、スコフィールド上等兵は死なないだろうから、ちょっと安心しちゃって、スコフィールド役のジョージ・マッケイが佐々木蔵之介に似てるなあなどと思う余裕が生じてしまったが。
川を流されるシーンは、よく生きていたなと思う。沢登りしている人はわかると思うけど、ヘルメットなしで、あんな岩場を流されたらひとたまりもありませんよ。まぁ、ダメ出ししてもしょうがないけど、そのあと、大隊の兵士が集まって、中心の一人がPoor Wayfarings Stranger(有名なBlue glass調 country song)をうたっているシーンが哀愁にあふれ、欧米人の戦争に対する真っ当な感情を感じられた。映画の中でPoor Wayfarings Stranger を聞いたのはThe broken circle breakdown (邦題 オーバー・ザ・ブルースカイ)以来だけど。え、ここフランスでしょ。部隊はイギリスでしょ?違和感を解消せねばとWiKi を調べた。確かではないとしながらも、The Dowie Dens of Yarrow というスコットランドの民謡(バラッド)が元歌と英語で書いてあった。そうか、イギリス・アメリカ合作なんだよ。音楽監督はアメリカの人。65歳。この歌、オイラ、一番好きなのは Joan Baez (ジョーン・バエズ) バージョンです ! オイラ、そんなに齢じゃないけどね。劇中で歌っているのは俳優で歌手でもあるJos Slovick。男なのにすごくきれいな声で、哀愁感にあふれていました。YouTubeでもたっぷり聴けますよ。是非。
なお、本作のストーリーはサム・メンデス監督が祖父のアルフレッドから聞いた話を元にしている。大戦中、アルフレッドはイギリス軍で西部戦線の伝令を務めていた(WiKi)。
小説・西部戦線異状なしの最後に、戦争で死ぬのは別に畳の上で死ぬのと変りはない。ただ異常に惨たらしいだけだとある。若いひとがこの美しすぎる戦争映画を観て、勘違いだけはしないでほしいです。
ぜひ「彼らは生きていた」とセットで
ワンカット風かつ大半が一人で走ってるシーンなので、キャラの心情やバックボーンにやや分かりにくい部分があるのと、B級映画なみに撃たれても撃たれても当たらない主人公補正(笑)がちょっと気になりましたが、それを補ってあまりある凄まじい臨場感でした。
まさしく「劇場で見るべき映画」でしょう。
死体の描写が結構生々しいので、グロに弱い人は多少覚悟しておいてください。
そして時間に余裕があるかたは、ぜひ同じく第一次大戦の英対独が題材の「彼らは生きていた」も観てください。
彼らは…で、塹壕での戦闘や生活の過酷さ、泥や有刺鉄線の鬱陶しさ、地名が書かれた数々の板切れの意味…などなどを知っておくと、1917の作品としてのコクが格段に深まります。是非。
自分が観るところがおかしいのかもしれないが・・・
2時間ワンカット
ブレイク上等兵って・・・
ドキドキして先が読めない
。
何の為に戦うかのか?
第一次世界大戦時のお話。
劣悪な状況での、生死をかけた戦い。
映画自体は、ストーリーはわかりやすく、
見た人が感じたまま感じればよい。
雑感
よく、戦場での非人間的な行動について、
現在の平和の立場から批判される事がママある。
そんな事言う人は、こういう映画みろ!
きつい訓練受けて、同じ飯を食って、故郷や、恋人、家族など、語り合い、戦友となって行く。
戦場で見る、悲惨な死人や、ケガ人。
明日は我が身。
そして、その友が、理不尽な理由でまさに、自分の隣で命を落とす。
自分でさえ、そんな立場になったら、非人間になる自信がある。
でも、それを抑えるのは、胸にある、家族の写真。
国の為の戦いだが、それは故郷の家族を、守ることにつながると信じて。
映画で言えば、自己犠牲の美談という事だけど、この1917もそうだけど、
アルマゲドンとか、
潜水艦のヤツもあった。
アルマゲドン感動したー!って思った世界中の人間は、
日本の特攻隊の現実知ってるのかな?
これは、現実に起きた事実。
反戦映画を作るのも自由でいいと思う。
だけど、戦争美化ではなく、人間、日本人の行った
素晴らしい映画も見たい。
追伸
たしか、硫黄島、天皇とマッカーサーの初対面の話とかあった
でも、どうして、こういう話、義務教育で教えないの?
知らない人は、知らないまま大人になってしまう。
知らないっていうのも本人の責任だ、って思うけど、
そのヒントぐらい教えてくれないと、
日本人が全部、反日日本人だらけになっちゃうよ。
ちょっと違うんじゃないか?とか言うと
ネトウヨとか言われちゃうし。
心臓を鷲掴みされる
話題になっていた全編ほぼノーカットは素晴らしいと思います。ゲームのTPSのような視点から登場人物の顔が見えるようにカメラが動いたり、主人公の視線の先を示すようなカメラワークが印象的でした。さらにあえて映さないことで、主人公と我々の視界の外で起きるハプニングを強調するなど意欲的な表現に溢れていました。舞台が戦場なので突然の銃声やトラップ、敵との遭遇が唐突に盛り込まれ、次にどこから何が出てくるのかドキドキしながら視聴していました。またシーンごと明暗がはっきりしており、暗く悲しいだけが戦争映画じゃない、前線でもジョークや平和的なものが残されているという印象を受けました。ストーリーは捻りもなく普通で、若干序盤の説明調の台詞が気になりましたが、何よりも気になったのは予告でもあった前線を横切るシーンでした。あまりにも不用心にそしてタイミングよくシーンに移行するのでそれまでのハラハラした心は薄れて思わず笑ってしまいそうになりました。日本人には馴染みの薄い題材ですが、ゲームなどで戦争のシュミレーションが広く出ている昨今、戦場の緊迫感、主人公との一体感を味わえる良い映画じゃないでしょうか。
とても勉強になります
私は映画監督をやらせていただいています。
今回はワンカット風という作品の学びとして鑑賞させて頂きました。
この作品はワンカットをフレーズに注目を集めていますが物語の流れも見事だと感じました。
実話を元にしていることもあり、こちらも緊迫感を感じることができる作品です。
私自身は物語よりもワンカットという製作に注目して鑑賞させて頂きましたが、ある部分では理解ができない程の繋ぎでした。
正直言いますと、途中から話に飲み込まれてしまい私の目線も変わってしまいました。
本当に見事な作品です。
興味のある方は是非観て頂きたいです。
戦争映画が苦手な方は少なかなずとも驚く場面がありますので、お連れ様などと鑑賞される事をお勧めします。
個人的な話ですが勉強ともにとても満足させて頂きました。ありがとうございます。
すごくよかった…
まず終始、絵面がピクチャレスクですごくよかった。構図は長回しの腕の見せ所のひとつだと思うが、その点で本当に最高のクオリティ。腐った死体がわんさか出てくるし、ほとんど何もかも泥だらけなのに、決してむさ苦しくなく、戦場の恐怖や緊張、そして時には疲労感がむしろピュアに研ぎ澄まされて伝わってくる。スコフィールドが無表情なのもいいのかもしれない。戦争もの(しかも前線)でありながらクサさが一切ない。
音楽もまたよい。特にひねりがあるわけでもなく、場面場面で分かりやすく恐怖と緊張を煽ってくるのだが、これにも醜悪さが全くない。
この作品は、戦争を嫌悪の対象として醜悪に脚色するというよりも、ただひたすら恐ろしいもの・虚しいものとして描いている。そういう表現ができるのだということにとても衝撃を受けた。
何度も言うが、構図は本当によくもまあというくらい極上なので、それだけでも映画館の広いスクリーンで見る価値がある。
命をかけた伝令の先にあるもの
アカデミーでは撮影賞、録音賞、視覚効果賞を受賞したように、この作品の最も大きな強みと見られるのは技術面だと思います。
そしてそれらが最も力を発揮するのがIMAX。鼓膜の奥へ届き、心臓にまで響くような音の圧はIMAXで見てこそ。
水の滴る音や息遣いなどの立体感も深く味わうことが出来る。
映像面でも序盤から淀みなくワンショットで繋ぎ臨場感を見せつけてくれる。
アングルへの拘りも見て取れ、ただ撮るのではなく、視点を駆使しながらそれらを一つのシークエンスとして映しだし、ただ見るだけでも飽きることがない。
全体のテンポ感もよく、相手陣営へ近づいていくにつれ高まる緊迫感は自らがその現場にいるようであり、ズイズイとのめり込んでいく。
と、まあ長々技術面の素晴らしさを語ってきたものの、この映画の1番のメッセージは 命をかけ多くの命を救ったがそこで戦争が終わったわけではない ということだと思う。
あくまで一時的なものに過ぎず、救った命もいずれは消費されていくかもしれない。
そんな戦争のもたらす悲劇に対しての戒め。それらが込められていたと感じる。
ラストの悲哀を目にすると、それまで自分たちが追体験してきた出来事全てが前フリに思え、命を張った意味というものを改めて考えさせられた。
ワンショットという撮影技法に頼るのではなく、それを利用したストーリーも見事でした。
映像は確かにすごいが、戦争の狂気まで再現できていない
切れ目ない映像、兵士目線のショット、嘔吐したくなる腐乱した死体。IMAXで鑑賞したこともあって、迫力、臨場感は前評判通りすごい。
戦闘機が墜落するシーン、廃墟となった街での戦闘は、まるで目の前で起きている錯覚さえした。永遠と続くのではないかと長い塹壕の物理的距離を体感できる。
残念なのは、西部戦線で起きた出来事を最高レベルの映像でワンカットで再現しているのだが、戦争における人間の狂気が描きれていないように思う。敵陣の真っ只中にあって、敵兵に憐憫の情をかけることなんてあるのだろうか。味方の屍を盾に前に進み、やられる前に殺す。残酷なまでの生への執着心が最前線での日常ではないかと思う。
架空戦記でどちらかというと戦争をエンターテイメントとの題材にしている幼女戦記の方が逆説的に西部戦線の悲惨を感じることができる。戦争の狂気にリアリティを持って描かれているからだ。
パラサイトの方がアカデミー賞にふさわしいことを実感した。
終盤の塹壕を走り抜けるシーンは思わず「走れ!」って思うほど引き込ま...
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