1917 命をかけた伝令のレビュー・感想・評価
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はじめのカットから、おわりのカットへ
初めて予告を観たときから、絶対劇場で観ると決めていた作品
ドイツ軍の作戦とも知らず、撤退したドイツ軍を追撃すべく、動くことを決めたイギリス軍の最前線の大隊
しかし、それはドイツ軍の作戦であり、逆に全滅させられることに気づいた本部
しかし、電線はドイツ軍により断たれ、伝えるには人が行くしかすべがない
選ばれたのは、大隊に兄のいるブレイク、そして内容も知らずに彼が選んだスコフィールドのふたりのみ
最前線と本部の間は、撤退したとはいえ、ドイツ軍の残した罠が待ち構える道のり
残された時間は明朝の作戦決行まで
この無謀とも思える任務をふたりは成し遂げ、最前線にいる大隊、1600人の命を守れるのか
はじめのカットから、おわりのカットへのつなげ方がとても秀逸だった
そして、この作品の良さを引き立てているのも、そのはじめとおわりのつなげ方に意味を持たせたのも、間違いなくワンカット撮影によるものだと思う
観ている側はそのせいで全体像も位置もよく分からないが、戦場を駆け抜けている彼らにもそれは大して変わりない
だからこそ、いつしか、この重要な任務に同行しているように感じ始める
道のりが進むほどに、こちらの緊張も高まっていく
何度となく、体に力が入り、何度となく、息を止めてしまう
それでも、立ち止まらない歩みから目を背けることは出来ない
たくさんの命を、兄を救うための、歩み
そして、後半、大佐のもとへ走るその姿に、思わず涙がこぼれてきた
それは、悲しさや怖さや不安でもなく、勇気や感動でもなく、ここまで息を詰めて同行してきた私の感情が炸裂した涙だったと思う
最後のワンカットにたどり着いた時の気持ちは、ネタばれになるのであまり書けないが、同じような気持ちだったのではないかと思う感じだし、ようやく力が抜けたようで、忘れがたい
ダンケルクもそうだったけれど、これもまた、劇場で観るべき作品
ホームシアターでもなければ、確実に感じるものが変わる
それにしても、ベネディクトカンバーバッチの使い方が贅沢だし、BBCのシャーロックのファンとしては、シャーロックとモリアーティが出て来るのに反応してしまった
いいアイデアの企画だと思ったのだけど、、
労作。ワンシーンワンカット、という売り文句は完全にマイナスに働いていると思う。そもそも間違いだし、擬似的ワンシーンワンカット風なのも、この作品としては得にはなっていない。ひとつのミッション遂行の中に戦場の姿が現れる、というのは観たいのだけど、常にカメラが主人公を中心に捉えるのがなんとも生真面目で息苦しい。これ、スピルバーグが撮ったら最強の演出をしたと思うのだけど、個人的には労多くて、、という一晩たった印象。がんばったで賞的なニュアンスはあるなあ。
映画にとって構成とカット割りは命だと思った。
本作は全編をワンカットで撮影されている戦争映画と聞き、鑑賞することをとても期待していた。何故なら物凄い没入感を得られると思ったからだ。でもその期待は見事に裏切られてしまった。
まず本作は時間的に大きく二分されており、完全なワンカット撮影ではない。それは観た方なら誰でも分かるだろう。ワンカットと思われるシーンも俳優の背中や障害物などを上手く使い、ワンカットのように見せている。勿論その繋ぎの部分は実に自然で、それを成す為に大変な演出と画像処理を行っていることは想像に難しくない。
しかし観客を追体験させる為にワンカットで撮影させる意味はあったのだろうか? 同じ戦争映画である”プライベート・ライアン”の例を出すまでもなく、緻密な構成やカット割りで、より現実感を出すことは充分可能だ。
逆に本作はワンカットに拘る余り、ストーリー性を犠牲にしているような気がする。他の方も書かれていたのだが、主人公達の経歴がほとんど描かれない為に物語に感情移入出来ないのだ。彼らの過去は僅かな台詞の中にしかなく、この程度では彼等がどうして命を掛けて戦っているのかが分からない。
また本作は見せ場が少ない。見せ場といえば予告編で描かれているシーンぐらいで、後は主人公が逃げ惑う場面に終始している。そしてそれらの出来事は唐突に始まり、唐突に終わるのだ。実際現実とはそういう物だろうが、でもこれは映画だ。何かが始まる前には、そのような雰囲気や演出が欲しい。そういう部分が本作にはほとんどない。
エイゼンシュタインの時代から映画人はモンタジュー合成などのカット割りを研究し、それを長年追求してきた。長回しは観客に強烈な印象を与える手法だ。通常そういうシーンは映画の中で印象的な場面にのみ用いられる。同じ第一次世界大戦を描いたキューブリックの”突撃”の白兵戦の長回しのシーンは物凄いし、”史上最大の作戦”の市街地戦のシーンも凄まじい。最近では”トゥモローワールド”の戦場のシーンがとても心象的だった。皮肉だが本作を見て構成とカットは映画にとって命だと改めて思った。
否定的なことばかり書いてしまったが、近年の映画界においてこのようなシリアスな大作映画が作られたことは奇跡的だと思う。この企画を通す為に大変な苦労があったはずだ。アカデミー賞受賞監督であり、007を大ヒットさせたサム・メンジスでなければまず実現出来なかっただろう。そういった意味では本作が作られた意義はとても大きいと感じる。
何もかも全てが凄すぎた!
どこかのテーマパークで終始アトラクションのライドに乗ってる感覚。
何と待ち時間無し(笑)
カメラワークが凄い!
どうやって撮っているのか不思議。
手持ちなのかドローンなのかスパイダーカメラなのか?
不思議過ぎて作品に集中出来ません(笑)
エキストラの数も凄かった!
塹壕のシーンの兵隊の数がハンパ無い。
何人のエキストラを使っているのか?
気になるところ。
前線の第一波のシーンの迫力も凄すぎ!
映像も素晴らしい!
多分、陥落した橋を渡った後、気絶するシーンからロケからスタジオに切り替わったと推測するけどそこからの映像美が素晴らしい。
その後またロケに戻るんだけどどうやって切り替えたのか?
凄いテクニックだと感心するばかり。
映画と言うよりマジックを観ているような印象。
戦闘機が墜落するシーン。
あれは何なの?
どうすればあんなの撮れるの?
これだけの作品をワンカットで表現させたのは凄い。
夜のシーンもあるから終始ワンカットではない疑惑もあるけどそれにしても引き込まれて度はかなり高かったです!
映像に集中したいので吹き替え版があればもう一度観たいです( ´∀`)
驚異の長回しが驚異の緊迫感を生み出す作品です。
今年のアカデミー作品賞にノミネートされ、大本命の1つとして注目されたが、惜しくも作品賞を逃しはしても話題の作品である事は間違いなく、謳い文句の全編ワンカットがどんな物かも気になり、鑑賞しました。
で、感想はと言うと、凄い作品。
緊迫感が凄くて、全編息を飲む感じの緊張感。
自分が戦場にいる様な感じでグイグイ引き込まれて、臨場感がハンパないです。
鑑賞中に飲み物を飲むのを躊躇うぐらいで、観終わったらなんか疲れる。
それくらい観る側にも緊張感が強いられる感じです。
ネタバレになりますが、正確には全編ワンカットでは無く、中盤でスコフィールドが意識を失った時に一旦ブラックアウトするので、ツーカットになりますw
またブラックアウトを除けば、ワンカットな訳ですから、リアルタイムで物語が進んでるので、作戦実行から通達までは上映時間通り、約2時間で通達されなければならないんだけど、そこはリアルタイムで無いのはツッコミ所ではあるけど、ご愛嬌w
と余計なチャチャを入れてしまってますが、観ている時から“全編ワンカットとの事でどれ程のもんか?”と目を皿にして編集の繋ぎ的なのを探して観てしまうのは良くない訳でも、やっぱり目を皿にして探してしまうんですがw、正直繋ぎが無い訳では無いんですが、それでも「全編ワンカット」の謳い文句を事前に知ってなければ、ビックリ仰天する程の長回しと編集技術。
それが観ている側に戦場に居るかの様な錯覚を覚えさせる様な臨場感を醸し出しています。
ストーリーは作戦中止の伝達を前線に伝える兵士の話しで、シンプルと言えばシンプル。
正直エンターテイメント感は薄いですが、それが戦争の悲惨さや無情感。リアリティーを醸し出しています。
とにかくカメラワークが凄すぎて、撮影スタッフや撮影現場はどうなっていたの?と観ている最中にも考えてしまいます。
邦画では「カメラを止めるな!」の30分ワンカットが話題になり、最近日本でも公開され、長時間の上映時間の割にやたらと長い長回しで約7時間を150カットで収めた「サタンタンゴ」が話題になりましたが、それらのもっと凄い版ですw
とにかく遮蔽物の無い所ややたらと狭い所ではどうやって撮影したかが不思議なくらい。
こういったのは割りと考えついても実際に出来るかどうかは別問題で、またそこに情熱を注ぎ過ぎると他の部分が疎かになりがちになるんですが、長回しにする事でストーリーをシンプルにして、戦争の緊迫感が相乗効果になって、上手くマッチングしていると思います。
出てくる登場人物は主人公のスコフィールドと相棒のブレイク。
ブレイクが主人公かと思いきや、中盤前で早々に戦線離脱。
これにはちょっと呆気に取られましたが、それでもストーリーは進んでいく。スコフィールドは親友の思いも背負い、淡々と前線に進んでいきます。
とにかく話が逸れないと言うかブレない。
スコフィールドがタッタカタッタカと前に前に進んで行きます。
途中でキーパーソンになりそうなキャラも出てきますが、メインストーリーには絡まず、とにかくスコフィールド無双w
途中途中の描写も凄くて、戦争の悲惨さが全開。
また、敵が何処に潜んでいるかが分からない緊迫感に、戦場でのだだっ広さが怖いんですよね。
一旦躊躇すると脚がすくんで、前に進めなくなる。
1600人の兵士の命を犠牲にする事の出来ない使命感があったとしても、恐怖感を麻痺させて、頑なに進んでいくスコフィールドが戦争の無情感を醸し出しています。
途中、もぬけの殻になった家で周囲に咲き、川に流された先にも咲いている桜が美しすぎて、そのコントラストが素晴らしい。
こういった演出にもサム・メンデス監督の拘りが感じられます。
マッケンジー大佐に作戦の中止を伝える事、そしてブレイクの死を兄の中佐に伝える事。
その2つが達成された後の達成感と虚無感。
大役を果たしたが、それは1つの作戦達成にしか過ぎず、戦争が終わる気配は感じられない。
スコフィールドが朝焼けの中、樹にもたれ掛かり、安堵とやるせなさと脱力感が切なくもあり、虚しくもあります。
戦争映画って、エンターテイメント感を前面に出したのと、リアルに無情感を出したのがあるかと思いますが、この作品は完全に後者。
それ以上にアカデミー賞で撮影賞、視覚効果賞を受賞しただけある驚異のワンカット映像は十分に驚愕して、楽しめます。
出来れば、大きなスクリーンの少し前ぐらいで、IMAXやドルビーシネマなんかの音響効果の凄い劇場で観るとより楽しめるかと思います。
話題の作品でもありますので、鑑賞する価値は十二分にあります。お薦めです♪
スコフィールドの伝えようとしたもの
僕が、このワンカットの映像で、より強く感じたのは、危険と隣り合わせの戦場を横断し、目的地に向かって突き進む伝令のリアリティもそうだが、意外にもスコフィールドの使命感に対する想い/表情が様々な危険や出会いを通じて徐々に変化する様だった。
休憩場所の木陰。
死屍累々の塹壕の戦場。
長閑な牧草地。
廃墟と化した街。
豊かで静寂な森。
移り変わる風景を見ると、本来は戦場であるべきではないところで、彼らは戦っていたことがわかる。
戦争での名誉にさほど興味のないスコフィールドは、友人ブレイクを亡くしたことによって、たった一人で使命を全うしようとするが、この短いと旅を通じて、その最も重要な目的は、1600名の兵士の撤退より、ブレイクの兄に、ブレイクの遺品を手渡し、メッセージを残すことに変化したように感じた。
最後にブレイクの兄と交わした握手で、スコフィールドの伝令は完了したのだ。
第一次世界大戦は、大量の弾薬の使用や、戦車、初期の戦闘機、毒ガスの使用、日米豪印ニュージーランドの参戦が大きな特徴として語られるが、最も悲劇に導いたのは、多くの志願兵を募り、民間人の協力も得た総力戦となり、民間人の死傷者も数百万人規模にのぼったなことだ。
スコフィールドもブレイクも志願兵のように見えるし、途中トラックで移動する場面ではインド人兵士も登場する。
トラックの荷台でインド人兵士が言うジョークはお国柄だし、他の仲間も明るい。
廃墟の半地下に隠れて過ごす女性と親を失った赤子を見たら、誰だって助けたいと思うに違いない。
そして、親しい人には生きていて欲しいと強く願うのも当たり前だ。
更に、そんな親しい人が戦死したのであれば。その生きた証を伝えたいと思うのも当然のように思う。
1600名もの兵士の命を救ったことは重要なこととして語り継がれる。
だが、人が何かのために生きようと考えるのであれば、そんなにも多くの人々というより、大切な人を思い浮かべるのではないか。
撤退命令を受け取ったマッケンジーが、スコフィールドに言う。
「また、来週には別の命令が下る」と。
今日生き残っても、明日の命は知れないのだ。
戦争は虚しい。
木の幹に腰を下ろしてスコフィールドが取り出したのは、家族なのだろうか、愛する人の写真だった。
スコフィールドは、生きて帰還すると心に誓ったのではないか。
そして、生きて帰ってこそ、実はこの伝令が完了することになるのではないのか。
今の時代、SNSであっという間にメッセージは拡散するが、実はそれ自体が目的化してないか。
本当の意思を伝えるとしたら、誰に、どんなメッセージを伝えたいのか。
実は、そんなことも考えさせられる秀作だった。
自分も戦場に放り込まれたような感覚。
『1917 命をかけた伝令』鑑賞。
*主演*
ジョージ・マッケイ
ディーン=チャールズ・チャップマン
*感想*
宣伝されてる通り、全編ワンカットです!なので、物凄い緊迫感と緊張感を味わえました!
スコフィールドとブレイク、二人の若い兵士が最前線にいる仲間の命を救うべく、攻撃中止命令を一刻も早く伝達する姿が描かれています。その仲間の中にブレイクの兄が含まれています。
ドイツ軍の容赦ない罠や攻撃、さまざまな危機が二人に襲いかかってきます。
自分も戦場に放り込まれたような感覚を覚えました。特に防空壕?のシーンや水に飛び込むシーンとか、スリリングだったし、よくあれでワンカットで撮れたな~すごい!
ストーリーはシンプルなんですが、重みがありますし、ずっと突き進む映画なので目が離せなかったです。
冒頭と最後の終り方が個人的にめちゃめちゃ好きです。
ワンカットワンシーンということは、誰かが途中で台詞間違えたら、また最初から撮影するってことですよね?最後NG出したら、、ゾッとしちゃいますね、、、(^^;
総じて、傑作でした! \(^^)/
走ったその先に分かること
第一次大戦中、「前線にいる1600人が突撃しようとしているが、敵の罠だから止めてこい」と無理矢理な命令された2人の兵士の話。
主人公達の一人は前線の兄のため、もう一人はたまたま指名されて仕方なく従うのだけど、途中のあることがきっかけに家族のためにと行動する気持ちが分かってのラストシーンが泣ける。
冒頭から最後まで場面転換なしで主人公の行動をカメラが追い続けるという超絶撮影で息つく隙が全くない。
想定の範囲内
ワンカット映像で戦争の生々しさをほんの少しは感じとることができたが、ストーリーはいたって単純。
随所で響き渡る銃声音がなければ寝ていたかも知れない。
最後まで見終わったあと、「え?だから何?」という感想しか残らなかったが、戦争なんかしても結局何も残らないという現代人へのメッセージだったのか。
忠誠を尽くす
まあ、まあ、そない時間とお金つこてまで行くほどではなかったか感かな。ま、しかし命懸けの兵隊の生きざまは今の我々平和時代満喫人生には見ておくべしかもな。女衆にはウケねー。自分はウケる方だが。
極限状態で走る若者たちの葛藤
お話はシンプル。
「明日の朝の攻撃はやめろ」って将軍の命令書を、朝に出発して、翌朝までに前線の部隊に届ける伝令2人のお話。
約24時間の出来事を2時間でダイジェストにしているのだけども、実にドラマチック。
サム・メンデス監督が祖父のアルフレッドから聞いた実話ベースだけあり(盛り盛りなファンタジーに近い演出脚色はあるのだろうが)、いろいろリアリティの固まり。
無線がなく、電話線が切れたら伝令しか方法がないという時代でもあり、伝令の役割は大きく。
若い上等兵二人が直面する理不尽な出来事の数々、使命感と自分が生き残るために逃げ出したい気持ちのはざまの葛藤、極限状態の中で見せる優しさ。
まさに「人間模様」「人生の縮図」って感じ。
私は先日、第一次世界大戦のドキュメンタリー『彼らは生きていた』を観たあとだったので、没入感が半端なかったです。
おかげで、D部隊所属の兵が16~22歳くらいの若者ばかりなのに、納得できました。
一番感動したのが塹壕戦の再現。
西部戦線の悲惨さ、着弾振動、死体。
二次大戦とは違う悲惨さは、目を覆いたくなるレベル。
あと、強調も説明もしてないのですが、近隣の村民をドイツ兵が虐殺して川に投げ捨て、倒木に大量に死体が堰き止められて腐っていることがあっさり描かれているのも強烈。
いわゆる「体験型」ですので、没入できるかどうかが肝。
(その点では、第一次世界大戦の知識が多く必要)
客観的視点というか、我にかえると、単なるゲームのリプレイになっちゃう可能性も。
その没入感を高めるために、大きめのスクリーン&音響のいい劇場を推奨。
IMAX、TCXのほか、爆音上映なら前の方の席とかよさげです!
長回しによる圧倒的なリアリティ
予告編を見た時にワンカットの意味が良く分からなかったのですが長回しの事だったんですね。
確かにまるでゲームの主人公になったような不思議な感覚でした。ただ、ストーリー的にはかなり平易で視覚を重視した作品だと思います。アカデミー賞でパラサイトと1917の比較が話題になっていますが、個人的にはパラサイトのほうが面白かったと思います。
リアルに戦争を感じさせる
第一次大戦。最初は馬、終わりにはタンク。それが2時間のなかで実感させられる。そして飛行機。
でも、時代が変わっても変わらないのは、戦争は人が死ぬと言うこと。そして人の死に深い思いをもちつづけられない
戦争の本質。戦場で泥まみれで倒れたままの戦死者。川にぷかぷか浮かぶ戦死者。それにひとつひとつ感情をもっていられない状況。
戦争に勝っても戦死者はかえってこない。
ストーリー自体は単純。登場人物もかぎられ、それをカメラが追う。しかし、リアルな戦争を教えられた。
出発時の行きたくない感は異常!!
出だしは新しい洋ゲーを買った時のように緊張しました。出発時に視野が広く開けた時の行きたくない感が異常で、素晴らしかったです。二人が息を切らせて荒野を進むのに、カメラが揺れもせずスムーズなのは本当に凄いです。入らなくていい場所で罠に嵌まる、目の前に飛行機が落ちる、どの戦闘も2分位で回避等、イベントがどれもリアルというよりは取って付けたような印象で、長回しをしつつイベントを詰め込まなきゃという弊害のようなものを感じました。真面目な作りなのに、そこはリアル志向をやりつつも楽しませようとするエンタメ精神を感じました。友人を救う為に発砲して、近くに大勢いた味方に全く気付かれないのはがっかりしました。中隊の突撃は泣けましたが、急ぐ主人公との2つのベクトルを1画面で撮り、とても良い構図でした。世界史に突撃損は無数にあったと知りました。「バードマン」の長回し風、「レヴェナント」のサバイバル感とイニャリトゥが好みそうなダブル要素でアカデミー作品賞を狙いに行きましたが、「パラサイト」の激しいロビー活動の前に及ばず残念です。草原に座って始まり、草原に座って終わるのは詩的な表現を感じて痺れました。全体的に綺麗に収まり過ぎていて、何かの洋ゲー大作のような印象ですが、他の映画では味わえない身体感覚と緻密な構成が魅力だと思います。
これがワンカット撮影かー。
目的地まで兵士二人で伝令を伝えに行くのみの展開。ワンカットで全編カメラが追いかけて単純なストーリーが更に迫力に滑車をかけていた。逃げたり撃ち合ったり激流に流されたり、いったいどうやって撮影おっかけたのか。大画面で見る価値あり。
リアルすぎる
題名通り、命をかけて手紙を渡しに行く。
途中で友人を亡くし、自分も何度も死にそうになり
奇跡の連続である。
戦場の薄暗いシーンが多いが故に、木々や花の映像がより美しく感じる。
戦争映画は私にとってホラー映画と同様、あまり観ることはない。
グロテスクなシーンや遺体のシーンなど思わず眼を伏せることが多かった。
ワンカット風の撮影の効果なのかリアルに戦場にいるような気分になる。
特に最初のシーンはハラハラドキドキでこの臨場感はなかなか味わえない。
ただ、この映画には中毒性はない。もう一度観たいか?となると、もうお腹いっぱい。
ただ一度見る価値はある。
これは凄い
他国性とか、格差社会とか論じる以前に、各映画人たちが想像も出来ないほどの準備や、緻密な計算を行い、
なおかつ全編ワンカットのキワモノだけに終わらせずに、しっかり一本の作品として完成させているのは、最高の評価をしていいのではないのか?。
全633件中、541~560件目を表示