「話題性だけではないワンカット」1917 命をかけた伝令 maruさんの映画レビュー(感想・評価)
話題性だけではないワンカット
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物語は、第一次世界大戦中のアメリカの上等兵・スコフィールドが、前線部隊に伝令を伝えに行くというシンプルなもの。その上等兵をカメラが追いかけて、映画ははじまり、終わる。
「ワンカット」に意味がある。話題性や企画としてだけでなく、「戦時中」という環境にいる・「伝令」という役割を持った人間を映すには、「ワンカット」がとても適している。
一つの視点=一つの役割を与えられた人間、一つのこと、つまり「それをするしかないという状況」に追い込まれている主人公に対する、一つの視点が「ワンカット」。
伝令の任務を終えても、待っていたのは達成感ではなく喪失感。大佐には「明日になれば新しい命令が…」的なことを言われ、友(ブレイク)の命と引き換えに達成した伝令の無意味さを感じながら、友の約束を守るため、ブレイクの兄にブレイクの伝言・最後を伝える。
すべての目的を終えたスコフィールドは、喪失感を抱えながら、冒頭シーンと同じよう態勢(木によりかかり戦時中のひとときの憩いをかみしめる)で座り込み、大切な人の写真を見て思いにふける。
それは、また戦争が繰り返されることを暗示しているようにもみえるし、そこで終わりにしたいと思っているようにも見える。
計算されつくされた映画。客を楽しませよう、物語を伝えよう、戦争の悲惨さを映画で伝えよう、素晴らしい精神(スピリット)で作られた映画だと思いました。素晴らしい。
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