劇場公開日 2020年2月14日

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「映像は確かにすごいが、戦争の狂気まで再現できていない」1917 命をかけた伝令 bionさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0映像は確かにすごいが、戦争の狂気まで再現できていない

2020年2月18日
iPhoneアプリから投稿

 切れ目ない映像、兵士目線のショット、嘔吐したくなる腐乱した死体。IMAXで鑑賞したこともあって、迫力、臨場感は前評判通りすごい。

 戦闘機が墜落するシーン、廃墟となった街での戦闘は、まるで目の前で起きている錯覚さえした。永遠と続くのではないかと長い塹壕の物理的距離を体感できる。

 残念なのは、西部戦線で起きた出来事を最高レベルの映像でワンカットで再現しているのだが、戦争における人間の狂気が描きれていないように思う。敵陣の真っ只中にあって、敵兵に憐憫の情をかけることなんてあるのだろうか。味方の屍を盾に前に進み、やられる前に殺す。残酷なまでの生への執着心が最前線での日常ではないかと思う。

 架空戦記でどちらかというと戦争をエンターテイメントとの題材にしている幼女戦記の方が逆説的に西部戦線の悲惨を感じることができる。戦争の狂気にリアリティを持って描かれているからだ。

 パラサイトの方がアカデミー賞にふさわしいことを実感した。

bion
bionさんのコメント
2020年11月27日

レモンブルーさん コメントありがとうございます。
結局は、ワンカットありきで作られた作品なので、いろいろとほころびが見えてしまいますよね。

bion
レモンブルーさんのコメント
2020年11月27日

私も リアリティの無さには冷めてしまいました。ワンカット?で撮る意味も分かりませんでした。何時間も走り続けているはずなのに映画の数時間に収めるから…違和感ありました。

レモンブルー
2020年2月18日

映像は確かに凄いんだけど、ワンカット風にする事で主人公の周りで色々踊ってる感があり、戦争に向き合う人間の悍ましさなどが半減するのは確か。

巫女雷男