「初見、心臓に悪い」1917 命をかけた伝令 kita-kituneさんの映画レビュー(感想・評価)
初見、心臓に悪い
前線部隊が敵陣奥深く侵攻し、総攻撃を企図していたとき、後方の司令部では航空偵察写真から、敵軍の戦略的後退を察知、作戦行動を停止させるべく、伝令兵を使ってその最前線部隊に差し向けるお話。
WW1と言えば、名作「西部戦線異状なし」が脳裏にあるので、開けっぴろげな場所で頭を不用意に上げているのは、見ていて不安でしょうがない(狙撃兵にやられそう)。
が、まさかの助けた敵軍パイロットによる反撃で刺殺されようとは・・・・
前線では、なまじ、志願などせず、やる気を出さない方が得。を体現していると言うべきか。
パイロットが腰にナイフを下げていて、やばいなと思っていたら案の定の展開。パッと見には、仲良くするかのように見えていたのだが。
また、忘れた頃に出てきた狙撃兵?敗残兵?の射撃が下手と言うべきか、逆にあんな反撃で敵兵を倒せるものなのか、ちょっと腑に落ちない部分も。
風景は鉄条網と塹壕と泥の世界だけかと思いきや、それは最前線だけ?敵陣値を抜けると牧歌的な風景が広がり、最後は土質の違いなのか、ずいぶんきれいな塹壕だった。
映画としては・・・エンタメ要素は少なく感じる。良作だとは思うが、リピートして観に行くかは微妙。
実話をベースにしているようだが、現実は退屈・・・と言うわけでもないだろうが・・・やや単調。
川に落ちて流されるシーンは、ちょっと急流すぎるような?そんなに山岳地域にも思えなかったが、あの急流は不自然。水面の動揺が激しすぎるし、水深も深すぎ?
滝つぼに落ちて静かな流れとなった先で流木による堰のようになっていたが、そこには民間人と思しき死体が累々と・・・
独軍に虐殺されたのかは分からないが、口に詰め物がしてあったような・・・そそくさと進んでしまったので、もうちょっと、描写時間があってもよさそうな。
ところどころの桜が散るシーンは、なんだか日本の戦争映画のようで・・・向こうにも、散りゆく桜を愛でるような文化があるのだろうか。
ラストのほうは時間軸と距離感が誇張されているのか、短いような感じがしないでもない。
しかも、もう最前線、攻撃態勢になっていて、砲撃も始まっているのに、攻撃を中止したあとが静かすぎ?
助かってよかったね、あるいは兄貴が生きていてよかったね、なのだが、ちょっと演出に難があると言うか、消化不良の感が。
この大画面で「西部戦線異状なし」を観てみたいなと思った次第。
この映画(1917)も悪くはないのだが・・・・