劇場公開日 2020年2月14日

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「極限状態で走る若者たちの葛藤」1917 命をかけた伝令 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5極限状態で走る若者たちの葛藤

2020年2月15日
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お話はシンプル。
「明日の朝の攻撃はやめろ」って将軍の命令書を、朝に出発して、翌朝までに前線の部隊に届ける伝令2人のお話。
約24時間の出来事を2時間でダイジェストにしているのだけども、実にドラマチック。
サム・メンデス監督が祖父のアルフレッドから聞いた実話ベースだけあり(盛り盛りなファンタジーに近い演出脚色はあるのだろうが)、いろいろリアリティの固まり。
無線がなく、電話線が切れたら伝令しか方法がないという時代でもあり、伝令の役割は大きく。
若い上等兵二人が直面する理不尽な出来事の数々、使命感と自分が生き残るために逃げ出したい気持ちのはざまの葛藤、極限状態の中で見せる優しさ。
まさに「人間模様」「人生の縮図」って感じ。

私は先日、第一次世界大戦のドキュメンタリー『彼らは生きていた』を観たあとだったので、没入感が半端なかったです。
おかげで、D部隊所属の兵が16~22歳くらいの若者ばかりなのに、納得できました。

一番感動したのが塹壕戦の再現。
西部戦線の悲惨さ、着弾振動、死体。
二次大戦とは違う悲惨さは、目を覆いたくなるレベル。

あと、強調も説明もしてないのですが、近隣の村民をドイツ兵が虐殺して川に投げ捨て、倒木に大量に死体が堰き止められて腐っていることがあっさり描かれているのも強烈。

いわゆる「体験型」ですので、没入できるかどうかが肝。
(その点では、第一次世界大戦の知識が多く必要)
客観的視点というか、我にかえると、単なるゲームのリプレイになっちゃう可能性も。

その没入感を高めるために、大きめのスクリーン&音響のいい劇場を推奨。
IMAX、TCXのほか、爆音上映なら前の方の席とかよさげです!

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コージィ日本犬