「観入る」1917 命をかけた伝令 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)
観入る
第一次世界大戦、若き2人のイギリス兵がドイツ軍の罠を知り、その戦いに今や身を投じようとしている1600名の最前線部隊に進軍の中止を知らせようとする話。
ハッキリ言って物語の内容は大した事が無い。
しかし、それを補うものが、この映画のウリである「全編ワンカット撮影」。
確かに凄い。
大した事なさそうな話でも映画に吸い込まれる様な体験映像。「主人公達の台詞はどうしているのだろうか?」も興味は湧く。
撮影カメラの進化により人へ近寄る映像はこのくらいは可能だろうなとは思えてしまうが、この映画のアングルまで考えてしまうと「どれほどの緻密な計算あっての映像なのだろうか?」と感心してしまう。
全編ワンカットとは言うものの、私は「リアルタイム」という点では疑問に思った。
昼夜いきなり逆転する部分。
カメラは廻しっぱなしなのだろうか?(昼夜切り替わる所はシーンを数秒真っ暗にして早送り?それとも、夜シーンは大型室内セット?)
そこも詳しく知りたいものだ。
総合的に色々考えるとメイキングか副音声による撮影解説が聴きたい。
(メディア化の際は期待してますよ!!)
さすがに後半は「作品的に息切れしたのでは?」と感じる映像演出シーンがいくつかあった。
前線部隊にいつのまにか合流するシーン。
都合が良すぎ。
また、最後の伝令力振り絞りシーン。ドイツから砲撃を受けてるが主人公は動けて、すぐの周りの兵士達はやられた様に微動だにせず。(多人数細かい指示は流石に無理か)
すんなり進撃中止すると相手の砲弾がすぐ止むのも不可解。
ラスト故郷の写真を眺める彼は何を思っているのだろう?
虚無感が味わえた。
追記:全編ワンカットと配給側や映画評論家ウリ文句を元にレビューしております。レビュー後、本当は違う事が判明致しました。判明後の状況でレビューを書き直しとなりますと、鑑賞後すぐの印象を大きく覆しますので、判明前のレビューそのまま残す事に致します。
(ですので、判明する前の疑問などを個人的にレビューした内容となっております。)
み終わった直後のドライアイ攻撃がやばかったくらい、見開いてました!
スタッフの皆様には、アメトークみたいに集まって、ここが大変だった!トークをしてもらいたいものです。
巫女さんやbacchusさんのレビューを読んでから観たので、ワンカットじゃないだ~という思いが没入させてくれました!
たまにはレビューを先に読んでみるものですねw
後半、確かに息切れ感ありました。
大量の土左衛門(この水死体を表す隠語は江戸時代に実在した力士に材を得ているそうです)をかき分けた先にあの歌声でしたからね。ちょっと詰めを急いでしまったのか、本当に製作陣の体力の限界だったのか。撮影の合間の塹壕の登り降りだけでも相当に疲れそうですよねー。