「Age before beauty. 先行って死んでみたら! … なんて意訳過ぎる?」1917 命をかけた伝令 Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
Age before beauty. 先行って死んでみたら! … なんて意訳過ぎる?
映画製作者として...歴史的第一次世界大戦のドラマに、戦争映画というよりも多くの方々にに感じてほしいと考えていた
”時を刻むスリラー” ...として
映画における撮影方法に対して
"誰も触れることのできない神によるトラッキングショット...”
”映像は、限りなく華麗に滑るように..."
人を救うために急がねばいけない!...人間不信のディオニス王か?特別命令を受けたミラー大尉か?はたまた濡れ衣を着せたギャングのリーダー、ルーサーか?この映画自体は、嫌な例えとして人間の心理の性的でない力強いリビドーを目の当たりにする。
It is a direct order to call off tomorrow morning's attack.
立ち止まってはいけない!飛行機なら1時間かからないのに..司令官は、若き伍長二人だけで行かせ、小隊を組んで作戦行動を何故とらないのか? 自分の祖父から聞いた話からか?…いやイギリス人らしい ”着実に” ”時間厳守に” という発想からか?
Sir, is it just us?
"Down to Gehenna or up to the Throne.He travels the fastest
who travels alone."
若き兵士よ!人を頼らず自分たちで遂行せよ!この例え文句。しばしば出てきて、しかもラスト近くでは、 "The Jumblies" という詩の部分を聞かせて彼らのミッションの隠喩の部分も登場するのでこれをどのように訳し、日本の視聴者にどのように分かってもらえるのか...変に訳せば、台無しに。
5分に一回欠かせない愚かな戦争というエロ・グロ・ナンセンス。それを地で行くこの映画。馬の死骸に群がるハエ・ハエ・ハエ、泥に埋もれた顔だけの兵士にドキッ、死体には過度に誇張された映画ハクソンリッジでもお馴染みのネズミちゃん達。終いには戦闘機がこちらに向かってくる始末。確かに類まれなる精巧でしかも実物以上に美術的想像力の賜物のギミックであったり、予期しないイベントをサラ~ッと何もなかったように突然ブチ込んでくる撮影方法は、見ている者を釘付けにして目をそらしていては一瞬の出来事を見逃すと後々後悔するような話の滑らかすぎるほど滑らかな連続性がこの映画のモットウと言われる所以か?
"Through this holy unction may the Lord pardon thee all faults or
whatever sins thou hast committed."
上官としてではなく、彼らの行く末を案じて・・・病者の塗油
そこまでして戦場では戦わなければならないのか? スコフィールドの言葉が惨いことを言うことで里心を遠ざけている。映画の幕が閉じる前にこの言葉が彼なりの強がりと....
I hated going home. I hated it.
When I knew I couldn't stay.
When I knew I had to leave,
and they might never see me.
なけなしの戦時での配給食を分け合った戦友にこの言葉は言えるのか?
Am I dying?
Yes. ためらいながら......
Yes. I think you are.
稚拙な者には決して分からなかった二つのフレーズに共通するものとは...この映画のキーポイント…グリーフワーク(Grief work)。愛する人、大切な家族、それと故郷をなくす恐怖 ...克服する大切な映画と知ると単なる映像では終わらなくなる。
後半になると幻想的であり、何か恐ろしい前触れを思わすように....照明弾の明かりに照らされた廃墟を駆け抜ける場面となり、それから実際の時間がそのまま経過しているような..暗闇から空が刻々と白み始めるまでの一連の流れは、ほとんど台詞をそぎ落としたような感覚になり、ラストの砲撃のシーンよりも印象に残るものとなっている。ある視聴者はこのように述べている。「映画1917は没入型映画製作の成果であり、印象的な映画撮影、映画編集、セットデザインを備えています。 戦争の緊張と冷たさを人間の深い感情と巧みにバランスさせた、ほぼ完璧な映画です。」たぶん多くの方は、支持されると思うが...
I hope today might be a good day.
Hope is a dangerous things.
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Last man standing.
フランス語で音を意味するエンタメサイトVoxの電話インタビューによると”ワンショット”コンセプトを決めた理由を監督は、こう述べていた。「このストーリーを2時間の”リアルタイム”で伝えたかったので、観客を男たちの体験に釘付けにすることは自然なことだと感じました。 時々刻々と動くスリラーのように動作する映画では、観客に1秒ごとの経過を感じ、彼らと一緒にあらゆる一歩を踏み出し、地理と距離、身体的な困難を認識してもらいたいと思いました。 あなたが彼らと一緒に物語を生きなければならないという気持ちは、カットしないことによって強調されます。」
リハーサルのプロセスにおいて、信じられないようなすべてのシーンでその距離を測定する必要があったほど綿密に練られたとされる撮影計画。それをも打ち砕くような急変しがちな自然の風景……常に変化しており、大気、光、雲、条件、そしてカメラと俳優との関係はステージ上のような演劇とは180度違っていると思うと…そんな拘束時間を考えると主な登場人物を2人にしたのは、物理的解決手段の最適なものとなり最初に述べた揶揄に対して撤回したい気持ちにもなる。
戦争映画ファン以外の方でもすんなりとサクッと見ることのできる映画と言えます。