「あの山のかたち」イーディ、83歳 はじめての山登り きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
あの山のかたち
あの山のかたちをじっと見つめていたら、そしたら
出来上がった原作なんではないだろうか。
絵はがきでもいい、写真集や絵画、あるいは土産話でもいい。
湿原の向こうに「ひょうたん島」のように見えるスイルベン山。ユニークな姿だけど近目には意外と急峻。731m。
あれをじっと眺めていたら物語が書けそうではないか。
【そこに山があるからだ】
83歳のイーディ。
死んでもいいつもりだったろうし、死ぬつもりだったかもしれない。
イーディの、結果としての山での生死は、彼女の目指す物語を左右はしない。
⇒やりたかったことをやることに、イーディの「今ある」意味があったのだ。
【良い年輪も悪い年輪もある】
あの口調では、あれだけ娘から嫌われるのも無理はないが。
そして30年間介護したという夫の、妻イーディへの生前の抑圧もそれがどの程度であったのかは映画ではよく分からないが。
逆だった可能性も。
ただスクリーンに登場するのは、ほぼ、くせ者のイーディと、“人生登山”には滅法弱いガイドの若者と、夢か幻か不思議な山小屋の主、そしてなぜか忽然とそこにいた湖の畔のハイカーだけ。
あとの二人はイーディの亡き両親の精霊と見た。
婚家を脱出して、夜汽車で逃避行。閉鎖的な田舎町を蹴って山を目指す。
人生の地図と登山道。
山岳小説なんですね。
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スコットランドの訛りのすごいことと言ったら!ほとんど聞き取れません。
湖畔の女性がゲール語?で“お気をつけて”と言ってたのはメモ出来ませんでした。(字幕にウムラウトが見えたからドイツ語か?)
うちの裏山は長野県の八ヶ岳です。大昔、富士山の怒りを買って棍棒で殴られて頂上が砕かれ、あの形状になったそうですよ。
登山の経験はありますか?
ふるさとの山にはどんな物語が受け継がれていますか?
到達したい憧れの心の中の“山”はありますか?
マサシさん
お便りありがとうございます。
そうですか、山がお好きなんですね!
映画好きには山男も何人かおられます。
わたしは灯台下暗しで、頂上まで登ったのは西穂高岳のみなんですが。
八ヶ岳は、あの稜線から計測・推計すると元は5000メートル級の山であったようです。
私の仕事場のアルバイト生には父親がヒマラヤのシェルパをしていると言うネパールの女の子や、キリマンジャロのふもとから来たケニア人もいます。
で、時々山の話を訊きますがサガルマータ(エベレスト)やキリマンジャロには行かないと言っていました
「日本に来るよりもお金がかかるから」と(笑)
裏山が八ヶ岳とは羨ましい。高校2年の時に新宿から23:55初の夜行列車に揺られ、茅野駅から美濃戸口(?)から登った記憶があります。夜行列車でサントリー・オールドを飲みまくった不良です。権現岳迄いけませんでした。
去年の正月に野辺山に行ってきたのですが、清里が廃れているなぁと複雑な気持ちになりました。僕の時代は清里は原宿みたいでしたね。
僕の夢の山は蓼科から権現岳への縦走でしょうか。他にもありますけど。学生時代八ヶ岳へは何度もうかがっていますが、横断ばかりで、縦断したことがないので。