すばらしき世界のレビュー・感想・評価
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久しぶりのすばらしき邦画
胸がつまる映画だ。どの登場人物も存在感がはっきりしていて過剰な演技をしない。これは現在の邦画ではあまり見られないスタイル(最近の邦画は何事もオーバーで見てられない)。西川監督作品は今回がはじめて。人物描画がブレることなく的確に描くから説得力がある。キャメラも秀逸で人間性を鋭く捉え、時折り幻想的かつ詩的なショットを映す。役所広司さんが今回もまた素晴らしい。元ヤクザが直面する現代社会との苦闘を演じているが、役所さん自身の人間性がそこかしこに滲みでている。PERFECTDAYSでも思ったけど役所さんの笑顔はチャップリンのあのチャーミングな笑顔と似ていてほんとに魅力的だ。ラストショットもしごく秀逸。ここでも余計なことは一切しない。悲嘆にくれる人たちをそのまま撮っているから返って強烈だ。また、キムラ緑子さんという女優の演技が強く印象に残った。貫禄や寛容さが濃くて素晴らしかった。こういう邦画がもっと出てくれたら、と願う。
特殊解では済ませたくないとの“すばらしき世界”へのメッセージとの思いに至り…
この公開年、キネマ旬報では、
前評判通りに「ドライブ・マイ・カー」が
第1位に選ばれる中、
選考委員の10点満点を付けた選考委員の多さ
では「ドライブ…」に次いで多かった結果、
第4位に選出された作品。
そして、原作者及び制作陣の想いを
強く感じる作品ではあった。
殺人をよる13年の刑期を終えた主人公が、
彼を社会に迎え入れようとする温かい人々に
支えられ更生を図るという、
正に“すばらしき世界”を希求する想いに
満ちあふれた作品に感じた。
周りの善意の支えられ
更生への強い決意がありながらも、
社会慣習の壁に、
時折、身に付いた暴力性が頭をもたげる。
しかし、最後にはそんな危機も脱して
“すはらしき世界”を感じつつ絶命する主人公
を演じた役所広司の演技力が
作品を支えていた印象。
ただ、どうしても私には特殊ケース的に
感じざるを得ない印象ではあった。
主人公が再度ヤクザ世界に
足を踏み入れそうになった時に
警察のガサ入れで救われることも、
身元引受人夫婦夫妻も、
主人公を取材する男性も、
役所の生活保護担当者も、
スーパーの店長も、
ヤクザ組長の妻も、
主人公の元妻も、
余りにも理解ある人々が
偶然にも周りに居過ぎる設定に違和感が。
現実にはなかなか無いこと
なのだろうな、と。
しかし、特殊ケースだけに
監督はじめスタッフの想いがそこに、
と理解をすべき作品だったのかも知れない、
との思いに至った。
特殊解では済ませたくない
“すばらしき世界”
への期待のメッセージとして。
役所広司どんな役でもこなすなあ
特に狂気が重なると神がかって見える。
あーこんな人が世の中にいるんやなという強い説得力を醸し出す。
相手を叩きのめし快感を得た笑顔と
子供たちと遊びながら笑う場面は同じ表情なのにあきらかに違うのがわかる。
凄いねえ
長澤まさみもチョイ役ながら存在感を示す好演。
70点
MOVIX亀有 20210217
気押され呑まれていた
もう刑務所に戻りたくない三上は 身元引受人の弁護士・庄司(橋爪功)、 近所のスーパーの店長(六角精児)、 保護司(北村有起哉)などの善意に触れることで少しづつ変わっていく。
動画配信で映画「すばらしき世界」を見た。
劇場公開日:2021年2月11日
2021年製作/126分/G/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
役所広司
仲野太賀
六角精児
北村有起哉
白竜
キムラ緑子
長澤まさみ
安田成美
梶芽衣子
橋爪功
三上(役所広司)は人生の半分を刑務所の中で過ごしてきた男。
この男をネタにしようとするテレビディレクターの津乃田(仲野太賀)。
津乃田に電話してきた、いい声の女性プロデューサーの吉澤は誰かと思ったら
長澤まさみだった。
短気で出所後も頻繁に暴力的な行為に及ぶ三上。
正義感からだとはいえ、その行為は社会では容認されない。
もう刑務所に戻りたくない三上は
身元引受人の弁護士・庄司(橋爪功)、
近所のスーパーの店長(六角精児)、
保護司(北村有起哉)などの善意に触れることで少しづつ変わっていく。
やっと就職先が決まりこれからという時に、
事件は起こる。
終盤泣けるシーンがある。
キムラ緑子が演じるヤクザの姐さんもよかった。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
TOHOシネマズの売店で店員さんに、「すばらしき世界のパンフくださ...
役所広司の演技で4点
死生観をちょっと変えてくれた。
すばらしき役所広司
もしかしたら人間社会というのは全体的には酷いけど、いいこともある的なことを言いたかったのかもしれない。
今村昌平監督の『うなぎ』みたいな映画なのかなと思って見たけど、だいぶ違っていた。
主演も役所広司さんで同じだし、ネタ的にも近いものがあるけど、『うなぎ』というより今流行りの”おっさんブチ切れ映画”(自分で勝手に呼んでるだけだけど、『アオラレ』とか『ミスター・ノーバディ』とか『ファイル・プラン』とか『ドント・ブリーズ』みたいな映画)に近いものだと思う。
先がどうなるか分からなくて、ハラハラドキドキして面白かった。
とにかく役所広司さんがうまくて、ほとんど一人芝居みたいなもので、どのシーンも役所さんが出ていて、役所さんで始まり役所さんで終わるみたいな映画だった。
この映画を監督した西川美和さんって、『ゆれる』と『ディア・ドクター』しか見たことなくてあまり注目してなかったけど、こういう”おっさんブチ切れ映画”みたいな流行りにいち早く気づいて、乗っけてきたのなら、そうとうセンスがいい人かも?
この映画は原案があるらしいけど、現在オリジナルを中心にやるような監督は、自分のやりたいことをやるだけの人が多い。
それだとたまたまヒットすることはあっても商売になりにくいので続かない。
世間の求めるものに合わせながら自分のやりたいこともやって、尚且つ面白い映画を作るのは相当な実力がないとできないと思う。
この映画は『すばらしき世界』とか題名がついているので、最後はすばらしい世界になって感動するのかと思ったけど、最後まで見ても全然すばらしくなくて「酷い世界」で終わったような気がした。
この映画の主人公は頭が悪くて、怒りを我慢できないから酷いことになるという自己責任もあるけど、親とかこの人物の周辺の人、それから社会も酷いと思う。
でも酷いばかりではなくてたまには助けてくれる人もいて、何度も破滅の危機があったけど、とりあえず主人公が暮らしていけたのが救いだった。
でも前科のある人だけじゃなくて、普通の人もこんなもんかもしれないと思った。
現実でも酷い人が多いけど、たまには助けてくれるいい人もいて、やなことばかりが多いけど、たまにはいいこともある。
天国ではないにしろ、地獄でもないみたいなアンビバレントな感じだと思う。
もしかしたら人間社会というのは全体的には酷いけど、いいこともある的なことを言いたかったのかもしれない。
社会の
それでもこの世界で生きていくしかない
上手い演技の役所広司
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