すばらしき世界のレビュー・感想・評価
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コスモスをあげると言われた後の主人公の感情を、言葉で説明するのは難...
コスモスをあげると言われた後の主人公の感情を、言葉で説明するのは難しくて、それを描きたかった監督と、演技で応えた俳優。痺れた。
善人ばかりで、と文句をつけたい人もいると思うけど、それでも世の中そんなに捨てたものではないという希望の物語。
ただ、善意と悪意の描き方が極端で形式的だったのが気になった。下の階のチンピラもどきとか、介護施設の障害者揶揄とか、わかりやすすぎてなんか西川監督っぽくないなって感じた。
タイトルの重み
誰かに必要とされたい。生活保護を嫌がり体に鞭を打ってでも働こうとする。痛々しいほどに素直な優しさは母の愛をずっと求めていたからだろうか。
三上は他者から愛を受け取ると涙ぐんでいたように感じた。
彼がもっといい環境に、笑顔をみたい、そっちに行かないで、もっと良くなるようにと祈るように観てしまった。
(役所広司の演技あってこその感情な気がする。)
人との繋がりから得た愛が彼にとってすばらしき世界だったと思いたい。
とても優しい映画でした。役所演じる主人公がとても素敵で私にはマトモ...
とても優しい映画でした。役所演じる主人公がとても素敵で私にはマトモな人間に感じた。子供と楽しくサッカーする場面は涙が止まりませんでした。
すばらしきアクターの世界
役所さんをはじめ役者の皆さんのすばらしき演技で涙なしでは終われない秀作となった作品でした。いぶし銀俳優の皆さんの健在ぶりに終止納得の展開。キャスティングが完璧だと思います。
元内縁の妻久美子さんとその娘さんとの再会シーンが観たかった。
是非映画館で🎦
苦しくて切ない
朝イチで観るには少々ハードな内容だった。理想と現実がかけ離れているが、そんなに高いハードルではないのに今の現状では難しい。僕らが常に持ち続けていることだ。主人公はそれにハンデを負っている。
世間は厳しいが、そんな中で優しく接してくれる人がいる。人生いい方向に向かっていくところで突然のエンディングで虚しい気持ちになった。これからだったのに。
いい映画だった。しかし、酷というか、わざわざそこまで撮らなくてもという無念さみたいなのは残った。
観る人は一種の覚悟を持ってみた方が良い。
本当にこの世界はすばらしいのか
刑務所から出てきて普通の生活を手に入れるのがこんなにも難しいのか。笑える要素もあり
ケータイを手に入れるのも元前科者は難しい
そして家も仕事も 帰る場所がなければまた刑務所戻り
しかし三上は普通の生活を苦労しながらも手に入れて、人に支えられていく。幸せだったかは分からない
身の回りの人に支えられて生きてるからこそ今隣にいる人を大事にしようと思った。
泣けるシーンはなかったかもしれないけど
私は5回くらい泣いてしまった。
そして虐められてる人を見て見ぬふりをするのが本当に正しいのか 周りに合わせてヘラヘラと悪口を一緒に言うのが本当に正しいのか
私達は普通の生活を手に入れて普通に何気なく生きているかもしれないけど、色々考えさせられる映画だった。
ぜひ見てほしい。
個人的に安田成美さんの演技が好きでした。
悲劇な結末がハッピーエンド色に染まった
女性として西川美和さんに魅かれます。
おこがましいと知りつつ焦がれます。
そんなこんなの15年。
肝心の新作はシンプルに『傑作』と言えるものだった。激しく激しく感動した。
役所広司さん演じる主人公の三上は親の愛情を知らずに育った根っからのヤクザだった。13年の刑期を終え堅気として生きようとするも、直情型の性格ゆえにままならない。
役所さんの一触即発の迫力に圧倒された。自からすべてを壊してしまいそうで緊張しながら観た。
三上が接する社会も歪んでいた。三上の振幅と相まって緊張感を増した。
太賀くん演じるテレビディレクターの津乃田が三上のすべてを見届けた。昨年の『生きちゃった』に続き太賀くんと一緒に鼻水垂らしながら泣いた。
悲劇な結末が三上を見守った人々の涙でちょっぴりハッピーエンド色に染まった気がした。気のせいだったのかなぁ。『すばらしき世界』は自分らが作るものだろうが。
【追伸】偶然とはいえ先日観た『ヤクザと家族』とのインターバルは2週間。上映順もベスト。何れもヤクザと社会を描いた傑作だった。
やさしい人達に
やさしい人がたくさん出てきます。
充実感ある良き日本映画だと思いました。
赤子の時は、みな同じなのにいつからか想像力に差がついて、そして人格が形成されてしまう。
行為のその先が想像できる人、想像できない人。
人間て不思議だ。
空は広い
一度ドロップアウトしてしまった人にはとても行きづらい世の中。でも人の出会いによって、まだまだ望みはある。社会の仕組みがよくわかる作品。エンディングは「あぁ、やっぱり...」と思いましたが、とにかく役所広司さんが素晴らしかったです!
豊穣なる哀しみ
主人公が野辺の花を握った手
そして 空を見上げてタイトルが出る
『すばらしき世界』
豊穣だが哀しみの物語なのに誰もが、この題名に納得して深い感動を覚えるだろう
役所広司の俳優史の中で最高の演技として残るだけでなく、キムラ緑子や大賀の芝居も素晴らしく、それを撮る笠松則道等 スタッフの技にも尊敬を覚えた。
ヤクザと家族 と列ぶ 2021年の邦画の傑作だと確信する。
自分を押し殺すことが幸せなのか?
正直このエンディングは勘弁してほしいというのが、見終わった直後の感想。空気を読んで力を持つ人間におもねることが「すばらしき世界」であれば、違和感が湧く。その「すばらしき世界」から逸脱しないように生きている自分にも情けなさを感じるが。
ラストの是非は別にして、役所広司の存在感は、改めて凄いの一言につきる。直情径行というか無邪気というか、自分の感情のおもむくまま行動する元極道を演じている。最初の旭川刑務所での刑務官とやりとりから引き込まれてしまった。気がつくと三上の感情に寄り添ってしまっている自分がいる。
原作は読んでいないが、30年以上前の作品なので当時は、携帯電話も暴対法もない。この作品では、昭和の元ヤクザが戸惑いながらもiPhoneを使いこなせるようになるところなど、コミカルな要素を若干織り交ぜながら話が進んでいく。
自分が止めどもなく泣いてしまったのは、三上が自分が育った施設で少年たちをサッカーに興じる場面。少年たちとふれあいで、三上は、無邪気な笑顔を見せるが、最後に、三上は積もり積もった感情を爆発させる。役所広司に完全にノックアウトされてしまった。
人は人に助けられて生きている‼️
実話だけに、あまり浮き沈みのないシンプルな展開です。
フィクションなら、こんな都合よく親切な人がいるか、そう思うでしょう。
でも、改めて、自分の半生に置き換えて考えると、助けられて生きてるな、そう思います。
どちらかと言えば、ヤクザと切り離して、不遇な生い立ちと、生き方でも、人の親切と、投げやりにならない気持ちが有れば、なんとかなるもんだ、そう思いました。
だから、運転免許と持病については残念でした。
自分を抑えることを覚えた、役所さんが初めて上手い演技だと思いました。
大賀と長澤まさみみの演技は、良いですね、最近、整形の女優が目立つ中、長澤まさみの笑顔が貴重です。
心が暖かくなる映画でした。
人に親切にされた分、人に親切にしよう、そう、思いましたありがとうございました。
ストレートな疑問
現代社会は、一度レールから外れた人間に対し不寛容で、やり直しが難しいという現実を深堀りしていたように感じました。
先日観た、『ヤクザと家族』にも似たテーマが含まれていましたが、あれとはまた違う描き方。
イギリスの制度批判を描いた、ケン・ローチ監督『わたしは、ダニエル・ブレイク』あたりが、近しいかもしれません。
差別や偏見、暴力から目を背け、見てみぬふりをして生きるのが本当に賢いのか?
トラブルに真正面からぶつかる人間は、(暴力しか解決方法を知らないとはいえ)悪なのか?
そして制度側にいる公務員は、法律を順守しているとはいえ、いつのまにか遵守することが目的となり、困難に直面した個々の人間をないがしろにしていないか?
自己責任論がまかり通り、(例えばコロナで経済的に)困窮した人間を踏みつけにしても心が痛まないような人間が増えていないか?
そういった疑問を、観る人間にストレートにぶつけてきて、胸が痛かったです。
正義と悪の境界線があいまいな、生きにくく醜い混沌とした残酷な「すばらしい世界」を描き切っていて胸が熱くなりました。
そんな世界で、主人公・三上の殺人犯という過去を知っていても、手を差し伸べる人々~ディレクターの津野田(仲野太賀)、スーパーの店長(六角精児)、役所職員の井口(北村有起哉)らの存在が輝いて見えました。
彼らのように、道を踏み外したことのある人へ直接手を差し伸べることはできないかもしれないけれど、少なくとも差別や決めつけはしないで、寛容な心を持ちたいと思いました。
すばらしき世界
生きていると我慢することがたくさんあって、我慢なんてつまらない事だけど、シャバの空は広い。
生きづらい世の中で、差し伸べられる優しい手。
それを紡いで何とか生きていくために犠牲にするたくさんのこと。この、すばらしき世界。
あの時暴れなかったから貰えたコスモス、黙る以外にできる行動もあったかもしれないが、それが分からない不器用さ…
主人公は元ヤクザ、すぐキレるし、何やってるんだよ…というシーンも多いですが、普段自分が受け流しているモヤモヤに改めて気付いて、とても切ない気持ちにもなりました。
不寛容な現代社会の生きづらさとホームドラマ
1 刑務所から13年ぶりに一般社会に復帰した男が、人との係わりの中で社会に溶け込み自己再生を図ろうとする話。
2 男の性格やこれまでの人生は、出所後の暮らしの描写やある協力を求められたマスコミの青年が行うインタビューを通じ、次第に明らかになってくる。前半のいくつかのシ−ンでは、ヤクザと刑務所の狭い世界のみで生きてきた男と一般社会との不適合ぶりが時にはユ−モラスに感じ、短絡で狂気じみた行動には恐怖を感じた。
3 中盤から後半にかけて、男が社会のレ−ルに乗れるのかそれとも外れてしまうのか紙一重の中で進んでいく。養護施設辺りの幸福感に満ちたシ−ンや介護施設でのギクッとするショットが折り重なる中、嵐の夜に・・・。
4 西川の演出は丁寧な作りで緩める所と締める所が適宜あったが、いくつかの点で不満を感じた。劇中、不寛容な現代社会の生きづらさは、前半のいくつかのシ−ンで見せ、また身元保証人夫妻やケースワーカに語らせた。そこは説得力があった。主人公に力を貸した人々が、中盤ごろ、心無い言葉で罵倒されても見捨てることなく見守った姿には一時の救いを感じた。その一方、「現実社会ではそうはならないだろう」とも思った。ましてや、就職祝いで集まって自転車を贈るというほのぼのしたホ−ムドラマのようなシ−ンには違和感を感じた。リアリズムに徹するとセミドキュメンタリとなってしまうが、後半の展開には、西川の願いかもしれないが、甘さが感じられた。また、映画の終わり方としては、嵐の夜に帰宅した所でエンドにしても良かった。翌朝のシ−ンまで引っ張らなくても良かったと思う。九州の親分さんの女将さんの対応にも都合が良すぎるように感じた。
5 主人公の役所は善悪幅広く演じて安定していた。力を貸した人々、スーパー店主・六角の善良さやケースワーカ・北村の実直、TV制作マン・仲野の一途、身元保証人・橋爪と梶の親身な対応は、見ていてウルッときた。
6 また、テレビ局の傲慢な番組作りや外国人労働者、介護の現場での実相、身分帳なるものの存在に小出しながら光を当てていた。
津乃田は必要だったのか
吉澤の扱いが中途半端に感じた。津乃田との考え方の違いが描かれるのかと思いきや、後半はほとんど登場せず、どういう役割だったのかいまいちわからない。
そもそも津乃田というキャラクターも必要があったのか疑問。津乃田自身の物語は薄いし、三上と社会とのかかわりを描くにあたって、かかわり方が異質で異物感がある。こういう作り手の目線に近いキャラクターを出すことなしに、観客を津乃田の目線に置く必要があったのではないだろうか。
三上の物語も、格別丁寧に描かれているとは思わなかった。津乃田の立ち位置が異質なので、津乃田と三上が言い争ってもそれはエピソードにはならず、単に台詞で説明している感じがする。喧嘩の場面の嘘くささも気になった。
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