すばらしき世界のレビュー・感想・評価
全465件中、321~340件目を表示
「すばらしき世界」とは?
この映画も本当に余韻が凄くてしばらく引きずりました。いろいろ考えてしまったなぁ。
根は優しいけど“瞬間湯沸かし器”で凶暴にもなる主人公の極端なニ面性を見事に演じている役所広司さん!もう三上は役所さんしか考えられないですね。
もし自分の近辺に三上のような人がいたらどう接するでしょう?私は…関わりを避けてしまうと思います、残念ながら。
だから、弁護士夫妻はもちろんのこと、ケースワーカーもスーパーの店長も立派すぎて。津乃田も変わったものね。
あ、そうか、あの人たちが「すばらしき世界」なのか!!
(でもおそらく皮肉もこめられていますよね)
仲野太賀さんイイねー。北村有起哉さんは「ヤクザと家族」とは真逆の役をやったのが大正解でしたね!
でもやっぱりこの映画は役所さんの演技あってこそ、でしょうね。複雑な生い立ちの三上が発する言葉は全く台詞には聞こえず三上そのものの声でした。
結末は…
この結末の感触も「ヤクザと家族」と比べてみると面白いかも。
作家性の強い監督さんの作品だから好みは分かれるのでしょうね。
いや〜良かった!
刑を終えた人の半数が
また犯罪を犯し
所に戻る
この事実が表しているのは?
そして思う
就職祝いの部屋での梶さんの歌うシーン
介護施設の畑のやり取りのシーン
仲野が役所の背中を流すシーン
終盤の花を貰って帰りの自転車で泣いてる途中にかかってくる電話のシーン
など(他にもたくさん)…
もっと人との触れ合いや
交流があればと
どんなに悪とうなヤツでも
感動には勝てない
人は感動には勝てないのだ
絶対に
そしてそれは
人との触れ合いを意味する
この映画の
「すばらしき」とは
皮肉ってるようにも
思えてきます
みんな自分が生きていくのに
精一杯で
他人の事なんか
気にしてられない
増してや
反社となると
それはそれは
冷たいどころか
残酷だと思います
その中で
どうやって人と関わっていくか?
はたまた
住み慣れた環境の
元巣に戻るか?
劇中セリフ(記憶曖昧)で
「真っ直ぐすぎて自分を曲げられないのよ〜」
「逃げる事も大事。そして次の戦いに備える」
って。
わかるわかる
そーなんだよなぁ〜
不器用すぎて
直行してしまう
今は見過ごす時代でして
自分の考え方と違ってるからと言って
1つ1つ全部に構ってたら
バカをみる時代
とにかく
この映画は凄く良かった
役所さん、六角さん、橋爪さん、北村さん、梶さん…
皆んな好き過ぎて(涙)
今年の初っ端から
すばらしき邦画に
感謝です
兎角この世は生きにくい
一種の社会福祉的映画である。社会福祉的作品といえば、某局ドラマ『健康で福祉的な最低限度の生活』が思い浮かぶがドラマが教科書的なオモテとすれば、こちらは殺人をおかしたヤクザが社会復帰を目指す“ウラ”的な存在。
三上(役所広司)が身元引受人の弁護士庄司(橋爪功)と生活保護を求めて役所に行った際、北村有起哉扮するケースワーカーが「反社には生活保護はおりない」と言うが庄司に説得され応じるシーンが象徴的だった。
景気の低迷が長く続き一般人でも行きにくい昨今。政治家は再チャレンジなどと言うが一度踏み外したら生きにくいこの社会、殺人をおかしたヤクザなら、さぞかし社会復帰は難しかろう。映画では三上に対して共感を示すテレビカメラマン津乃田(仲野太賀)やスーパーの店長・松本(六角精児)が登場し、三上を温かい目で見守るが、現実は更に厳しい。兎角、この世は生きにくい。この映画、役所広司の“目”が印象的で、大いなるリアルを感じた。
普通って何だろう?
すばらしき人間力
映画を観ながら「何処がすばらしき世界や」と思いつつ、すばらしい映画ではありました。
西川美和監督作品なので、今回はどういった捻りを見せてくれるのかと観ていましたが、本作は監督初の原作モノらしく、物語上では最後まで捻りはなくド直球の人間ドラマになっていました。敢えて捻りを探すとこのタイトルだったのかも知れません。
本作を観て、西川美和監督の監督としての成長というより人間としての成長まで感じられ、役所広司も言わずもがなのベストアクトでした。
で本作の詳しい内容は、私よりもずっと丁寧に深く書かれたレビューが世間には溢れているのでそういう人達にお任せして、私はいつも通り私が気になった部分だけにスポットを当ててのお話をして行きます。
本作を観終わって、少し前に書いた『岬の兄妹』の私の感想を思い出していました。
私はその感想の中で
****
本来この物語の様なケースの人達を具体的に援助できるのはそういうお役所の人達なのですが、近隣・縁者・友人等々の助けがない場合は決して其処までには届かないというのが現状であり、我々一般庶民である隣人達は、極力この様な人種との関りを避けたいというのが本音であって、無責任に「そこまで堕ちる前にもっと頭を使え」などと上から馬鹿にするのが現実社会であり、そこにこそ問題の深刻さがあるのでしょう。
****
と書いていて、あの作品の兄妹達には他者からの助けという助けが殆どなかったこと対して、本作の主人公の三上に対しては幸運にも何人かの助けがあり、一体何処にこの差が出来るのか?という事が無性に気になりました。
社会には重度の社会適応が出来ない人々が一定数います。本作の様な反社・ヤクザ・チンピラ・前科者と呼ばれる人達もいれば、障害者やニートと呼ばれる人達もいる中で、一般人からすると、そういう社会不適応者と呼ばれている人達とは(面倒ごとに巻き込まれたくないという理由から)出来れば関わらずに済ませたいと思うのは極自然だとも思います。しかし、人間って不思議な生き物でそういう人達を助けたいという気持ちも何処かにあります。
でも、現実には上記のような差が出来てしまいます。
多くの人々は『岬の兄妹』の主人公には助けたいという気持ちが湧かず、本作の三上には助けたいという気持ちが湧く、これって実に不公平ですよね。というか、元々人間は不公平な生き物なんだという事をこの2作品は語っていた様な気もしました。
人間が心動かされるのは、結局その人間に備わっている人間的魅力であり、本作の三上という男は今の社会に適応しなかったというだけで、元々そうした人間力を備えていたのかも知れません。この人に関わることによって自分自身も救われるという気持ちにさせるようなキャラクターだったような気がします。
更に言うと、人間には善性と悪性とが共存し、特に人と接することがスイッチとなりそのどちらかが出てくるのですが、基本的に人は自分の善性が出ることに喜びを感じ、(例外もいますが…)自分の悪性が出てしまうような人と敢えて接したいとは普通は考えません。恐らく三上は、人の持つ善性の方を引き出せるタイプだったのかも知れません。
しかし、世の中には元々攻撃的な人間も存在しますが、そうでなくても攻撃したくなるようなタイプの人間がいることも確かであり『岬の兄妹』は多くの人が感じるこちらのタイプに属していたような気がします。
しかし、だからと言って『岬の兄妹』の二人が救われないのは、やはり不公平であることは間違いなく、政治(役所)が本来やるべきことは、そうした非常に人間的な不公平をなくした援助が出来る体制を作らなければならないという事だと思います。
と、ちょっと本作のテーマから逸れた話になってしまいました。三上という男の人生が幸福であったのか不幸であったのかは本人の判断次第ですが、最低でも5人以上のそうした人間の心を動かせる力を備えて(産まれた)いたという事への感謝が、母親への思慕(拘り)に繋がっていた様に感じられました。
役所さんの凄さにただ脱帽・・・
auマンデーは『すばらしき世界』
この監督さんの作品は、地味に刺さる。
先日観た『ヤクザと家族』が良かっただけに、超える事はないだろうと思いましたが・・・
こちらのキャストも皆さん素晴らしいし、ハナ差かわして来た。
どちらの作品も、出所した元ヤクザの苦悩と葛藤を描いてますが、自業自得と言えど虚しい・・・
綾野剛の凄みを、さらりと経験で凌駕する役所さん又、主演男優賞獲りそうな感じです。
ヤクザと家族からの北村有起哉さんの振り幅はツボで、チョイ役の長澤まさみちゃんの存在感にニヤけてしまう。
しかし〜今回は、仲野太賀に尽きる。
助演男優賞ノミネートは間違いない!
☆分かる人は分かるネタ↓
お父さんは、ショッカーだけど、彼は仮面ライダーになる日も近い☆彡
*2021年からインスタにもこのレビューと同じHN『eigatama41』で、投稿開始( ^ω^ )!
映画好きの皆様〜作品談義等はそちらに宜しくお願いします。
社会の一員
殺人による13年間の懲役を終えて平成29年に旭川刑務所を出所した、還暦手前の元ヤクザの話。
日本刀を持ってカチ込んできた相手を刺殺して6度目の収監をされた主人公。
相手を殺してしまったことそのものに対し反省する様子はみられないが、刑務所はもう懲り懲りだ、と堅気になることを決心すると共に、幼い頃に生き別れた母親を探すべく自身の書き写した「身分帳」をテレビ局に送り巻き起こるストーリー。
刑務所内でも度々トラブルを起こしていたことを示唆しつつも、保護司やテレビ番組Dや市役所職員や偶々町中で見かけた絡まれている人、等への対応や、生活態度と生活保護への抵抗をみるに、常識のラインが普通の人と違ったり、不器用で一本気が過ぎたり、極端に短期だったりはするけれど、悪人ではないというか、寧ろある部分ではマジメ過ぎるだけにも感じられる。
キレたり、調子にノって大声で威嚇したりしまうところがあったりはするけれど、更生しようとする意志と、彼の本質の部分を気にかけてくれる人物が現れて、慎ましいけれど人間らしい暮らしと、人間らしい扱いに感謝出来るという、正にすばらしき世界だった。
役所広司さんが素晴らしいの一言
救われるのか・・☆
人生のほぼ半分を刑務所で過ごした男(三上・役所広司)の出所シーンから始まり、
彼が世間とどう折り合いをつけていくかの物語。
ヤクザをやめようと思いながらも、長年の習性からなかなか抜け出せなく、それが
一抹のユーモアを持って描かれたりする。
監督の上手さと、それを上回る役所広司の演技が映画に彩りを持たせて
笑い、もどかしさ、切なさを感じさせる。
三上を援助しようとする面々の個性が秀逸で、橋爪功はもちろん六角精児、そして
中野太賀の存在が効いている。
三上に対する態度が、戸惑いや時には恐怖も感じたりして、すごくリアルだった。
実際、綺麗ごとではなく身近に存在したら受け入れることが出来るのか・・
それでも、歩み寄っていき 三上の就職が決まった時のお祝いの会のシーンは
とても温かい気持ちになった。
就職先の老人施設。
どんなところにいっても、差別や戸惑いは切り離せない。
空がとても広いすばらしき世界は、三上のもとに訪れたのだろうか・・
これが日本なのかな
日本が一度落ちると二度と普通の生活が送れないような仕組みになっているのをまざまざと見せつけられる。前科10犯トータルで28年もの刑務所生活を経て「もう刑務所には戻りたくない」という気持ちから真人間になるべく奮起する主人公三上を取り巻く人間達が皆三上の為に手を貸したり知恵を出したり金を出したりする。その優しさに感動して泣く三上にはちゃんと心があるのだが持ち前の短気と不器用な真っ直ぐさですぐに手が出てしまいむちゃくちゃになり自暴自棄になるのがどうしようもない。だが、三上に関わる人達は誰一人として見捨てない、それは三上の真っ直ぐさや真摯な気持ちが伝わっているからだろうと思った。ほっとけないのだ。三上自身も周りの期待を裏切らないように努力する。この映画をありきたりな再生物語のように思っていたならその気持ちのまま是非観てほしい。あなたも三上の周りの人達と同じ気持ちになるはずだから。日本は残酷だけどすばらしい。何がすばらしいのかは人それぞれかもしれないが、私は人の心がすばらしいと思った。
役所広司100点!!!
ドラマチックはもういらないのでは?
虚構や現実に拘っているような印象を受けたが、
役所広司、長澤まさみと一線級の俳優陣が出ているこの作品全てから嘘臭さを感じた。
誰がどう見てもあの男は役所広司だし
テレビプロデューサー役で登場する
長澤まさみの見た目は
30代前半のモデル以上にしか見えない。
もう、有名人が怪演とかしてる時代じゃないと
この映画を見て強く思った。
こんな事、映画好きのシネフィルは全く思わないだろうが
映画って結局エンタメで良くて
リアルぶりたいのであれば、有名人はノイズになる。
銀幕スターなんてもう古い。
一旦廃れて、もう一度再建させる必要があると思う。
特にサッカー終わりの役所広司が倒れるシーンのあとの
長回しがあまりにも作為的で腹が立った。
子どもを舐めているとしか思えない。
子どもならリアルでしょ、とでも言いたいのか。
いくら子どもでもカメラと役所広司には意識がいっている。
最後はとってもドラマチックなのも寒い。
西川美和監督の傑作
全465件中、321~340件目を表示