劇場公開日 2021年2月11日

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すばらしき世界のレビュー・感想・評価

全610件中、581~600件目を表示

4.0予想どおり役所広司だけに安定感抜群、手堅い。

2021年2月11日
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今日本の役者で一番安定していると思われる役所広司。役も選べるだろね。
監督の力もあるだろうけど。安定感抜群。あとどうでもいいけどこのパンフレット、脚本ついてて結構豪華というよりボリューミーすぎ。値段相応ではあります。

暴力的な犯罪者だが、根は悪人になりきっていない真面目で真っ直ぐな面もある人間。
刑務所出所して、身元引受人の弁護士と、最初は冷淡だった生活保護担当の役人、スーパー経営の町内会長、
そして狂言回しのテレビ製作会社を辞めた作家志望の青年
それぞれに支えられつつ、何とか自立しようと悪戦苦闘

同時期上映で少しテーマがかぶる「ヤクザと家族」と違い、この主人公の周囲の社会は前科者にそれほど冷淡ではない。
主人公の根は悪くない性格を察して、皆応援してくれる。

途中、主人公もヤケになって元の暴力団の組長のところに戻ったりするが、暴対法の影響かそこに居場所がなかったのは「ヤクザと家族」と同じ。

悪戦苦闘しつつ介護の時間給職員になり、何とか堪えどころも堪えてめでたしめでたし。

東京タワーを中心とした俯瞰から、主人公の住んでいると思われる下町足立区あたりに近いスカイツリーの背景へ
主人公もだんだん社会に馴染んでいく。

まあ元ヤクザはこういう根は真面目な人間、ただし生育環境、この映画の場合、母親が施設に預けるのだけれど、この生育環境が故に軌道を外れてしまった人間が、実際は半分くらいはいるんだろねぇ。それくらい両親の愛情、特に母親の愛情は重要だよなぁ。

それに確かに再犯率は高いけど、堪えるところは堪えて、馴染むべきところは馴染んで、周囲と繋がりを気づいていくことが重要なんだろねぇ。

なんか暖かい、世の中捨てたもんじゃないと思わせる映画。これは監督の力量だろうけど、飽きないし、ストーリー展開も容易で快適。ぜひオススメの作品。大人なら万人受けするタイプ。実社会もこのとおりだといいんだけど。主人公に感情移入できること間違いなし。

ただ①長澤まさみ演じるプロデューサーの言「喧嘩仲裁して止めるか、カメラ回し続けるか」は大正論。映画とは言えなんで狂言回しの青年、その場から逃げるか意味不明?
②昔デカい車乗り回していた人間は服役でブランクあっても、歳とってもあれ程教習所レベルで運転ヘタクソになることはありえない。ただし上級国民と呼ばれるクソジジイは除くけど。
何はともあれ、疲れないし佳作、人間の繋がりって重要だよなぁ。あと当たり前に思ってしまう「仕事がある」ことのありがたみ感じました。個人的に。

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満塁本塁打

4.0すばらしき世界とはなんだったのか

2021年2月11日
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殺人で服役した男が出所後に体験した社会のお話

幼い頃より問題行動を繰り返し力で生きてきた三上でも社会に出ればお金のないただの人。生活保護を受けながらも自立を模索するのだけれど…

感情論でいえば三上の言うことも理解できるが物事にはルールがある。それが守れなかったからこその現在なのだろうが三上にはそれが理解できない

生きるために罪は犯したが悪人ではないのだろうとなんとなくはわかるけど短絡的で粗暴な性格から手を差し伸べてくれる人達に背を向けて孤立していく姿が悲しかった

それでもなんとか社会に復帰してみたのはいいけれど社会に馴染むために必要だったのは自分を押し殺すこと

それでも生きていればよいことだってある

自分を押し殺した先にみた景色は
すばらしい世界だったのだろうか
それがすごく気になりました

心に何かが残った映画です

最後に一言
元気の出るクスリいれますか?と言う姐さんが異様に色っぽくてソープの場面よりドキドキいたしました(ハァハァ)

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きのこ

5.0暗闇で育った無垢な天使と、理性の世界で窮屈に生きる人間たち

2021年2月11日
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この映画は、私が映画館に足を運ぶようになったここ2年で、
一番のお気に入りになりました。
あっ、でも、そんなに言うほどいろいろ観てないや(汗

ドキュメンタリーっぽい映画だなと思いながら観ていましたが、
なるほど、元ネタの小説は実在の人物をモデルにしているようで、
当然、エピソードも事実が基になっているでしょうから
そう感じるのも納得できました。

それに加えて、俳優さんもよかったですね。
役所広司さんや仲野太賀さんはもちろんのこと、
梶芽衣子さんや北村有起哉さん、・・・いますよ、こういう人
橋本功さんや六角精児さん、・・・適役とはこのこと
白竜さんやキムラ緑子さん、・・・本職でしょ?この人たち
と、ここまでは想定の範囲内としても、
施設の職員さんとか子供たちまでも、
名わき役ならぬ、名ちょい役として大貢献しているのには驚きました。

映画の内容については、ぜひ劇場でということで触れませんが、
あまり社会風刺の部分が誇張されると
「あなたもそう思いませんか?」と同調を強いられている気がして
ちょっと冷めるのですが、この映画にそれは感じませんでした。
ただ、ラスト3秒間、
「あなたの頭の上にはどういう空が広がっていますか?」と
問いかけられているような気がして、
それはつまり、心の内なる世界のことであり
「生きづらい世の中でも、『有り難い』ことに気付けば幸せを感じられるでしょ」と
諭されているような、そんな気持ちになりました。

人生最後の瞬間に「ありがとう」って思えたらいいですね。

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Lucky!

4.5『体温』

2021年2月11日
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「この心地よさはなんだろう…」

 映画を観ていて、不意に”観ている自分を客体視”してしまう瞬間がある

  ふつうに言えば”冷める”という感覚に近い…

  ある温度を持った記憶が、スクリーンという物質に戻る瞬間

 なぜだろう?

  過剰な演出であったり、一瞬の雑な”つなぎ”であったり、不要な音楽であったり

 この作品はちがう

  丁寧なひとを、丁寧に演じ、丁寧に撮った

 幸せな時間とともに 三上という ひとの体温が、いつまでも私の中に残り続けている

追記:パンフレットがとても素敵です♥️
観賞のお供に是非(^-^)/

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nob

4.5心締め付けられる、真っ直ぐな男の生きざま

2021年2月11日
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監督・脚本 西川美和 の時点で見るしかないお話だったけれど、役所広司の表情、演技が相まってなんとも感動的なストーリーに仕上がっていた。

役所広司が刑務所から出て、堅気に戻っていこうとする中で、本人のまっすぐなところ、キュートなところ、なんとも憎めない前科者の姿がそこにあった。

「大事なことはだれかと繋がりをもって、社会から孤立しないこと」
「お産の時の話、聞いたことあるか」
「人間はいい加減に生きている。」
役所さんのセリフ、役所さんに向けられたセリフ、観客に刺さるセリフが非常に多い。

時折、昔のことを思い出し、行動に起こしたり、起こしそうになったり、フラッシュバックした時のローアングルからの表情が何とも言えないし、映画が進むにつれてその表情が変化していくのが素晴らしく、後半は涙なしには見れなかった。

仲野太賀とのやり取りは家族のそれに見えて来るし、六角さんとのやり取りは何とかこの人を理解しよう、手助けしてあげようという気持ちがひしひしと伝わってきた。何とも素敵な人間関係。

人との繋がりが大切なヤクザの世界から刑務所というゼロの世界に身を置き、
社会に戻ってもヤクザの繋がりを断ち切って、普通の生活で人との繋がりの大切さ、
生きづらさを学んでいくまっすぐな男の姿は、スクリーンを通して120%伝わった。
これが演じるということか。と再認識させられる作品。

ラストの、逃げることの大切さを役所広司がかみしめるシーン、後ろに見える仲野太賀の表情もまた良かったな。

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ちゃーるすとん

4.0やはり、切ない

2021年2月11日
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悲しい

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リボン

4.0広い空の下の狭い世界で見つけた人の温かさ

2021年2月11日
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今日も空は広い。世界が狭くなっても、人の心が小さくなっても。それでも優しく手を差し伸べてくれる人もきっといて、特に知らない同士の関係 = 赤の他人同然だったときはそりゃ無理解に冷たく感じられても、時間をかけて分かりあえば。西川監督の師匠・是枝さんより分かりやすい起伏の付け方に、時折コミカルさも交えた語り口(ex.『夢売るふたり』)。タイトルはなにも楽観的に世界はお花畑だとか言うわけじゃない。むしろ甘くない現実をしっかりと見据えた上で、それでもまだ微かな希望や人間の良心を謳う。住みにくい世界の隅っこから。挫折、妥協の連続に夢破れ、平伏すのか。気まずい部分にまで目を向け、明確な答えを与えてはくれないけど、意味があって他人事じゃない。
「今度ばっかりはカタギぞ」普通になる --- "日本映画界のデ・ニーロ(くらい名作に欠かすことのできない存在/演じる仕事など作品毎の様変わりカメレオンっぷり)"と勝手に呼んでいるベテラン役所広司さんの、語弊を恐れずに言ってしまえばもはや安定なほど、べらぼうに素晴らしい名演技。太賀は去年の『泣く子はいねぇが』に続き、僕の大好きな分福作品。本当に嫉妬。けど、本当にいい役者なんだよな〜しかも若干あの年齢で。太賀同様、『マザー』に続き映画ファンから支持されるような作品が(珍しく)続いた長澤まさみは、衣装も相まって胡散臭いTVマン感。思ったより出番は少なかったけど、『ナイトクローラー』に出ていてもおかしくないくらい。
上述したような要素・側面から脇を固める面子も豪華な本作。特に個人的にはやはり北村有起哉、本作でも最高。『ヤクザと家族』と本作と、今年すでに一年を代表しそうな作品に立て続けに出たばかりか、どっちも反社会的勢力からの更生と類似した部分を持った作品という点も興味深い。去年も『浅田家!』、『本気のしるし』(面白いことにこれもヤクザしかも笑える)とか良かったしな。キネマ旬報ベストテンとか何かの助演男優賞獲ってほしい。橋爪さんは皆のおじいちゃん。

待ちに待った西川美和さん待望の新作、遂に見た!けど予告の使い所、本編終盤の重要なところ見せすぎだった。…から、「まだあのシーン見てないな」とか少し頭よぎっちゃった。

P.S. スクリーンで誰かずっと紙切れ(半券?)をクルクルクシャクシャするような音を立てていて、発狂寸前ものすごく苛立ってしまい、レビュー内で引用したセリフ「今度ばっかりはカタギぞぉ」を心の中で唱えてどうにか抑えたけど、それと同時に『孤狼の血』の「警察じゃけぇ、何をしてもええんじゃ」がせめぎ合っていた。

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とぽとぽ

5.0生きにくいが空は今日も広い

2021年2月11日
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泣ける

悲しい

知的

良い映画でしたー。本当に面白い映画。
まず、役所広司さんについて。役所広司さんがいなければここまでの傑作にはならなかったでしょう。本当に演技がお上手だしアクションも動けていますし。役所広司さん以外の方も全員演技が上手です。全員キャラにぴったりでした。
そしてストーリーも良き。まっすぐな人間は潰れていくって所は「ヤクザと家族」と同じでしたね。でも本作はヤクザに限らず一般ピーポーの私のような者でもちょっとおかしいんじゃないかと感じたことあることを描いているので共感しやすかったです。
この世界はいきづらくあたたかいってポスターに書いてありましたがこの映画を見ると本当にその通りだと感じると思います。
最後にストーリーには何も関係ないですが女性の乳首がおもいっきり写っていたのは驚きでした。一応全年齢対象よねこれ。親子づれで行くと気まずくなるのではないでしょうか。親子で行く映画なのかは分かりませんが。
すごくいい映画です。まだ今年は2ヶ月程度しかたっていませんが今年で一番の映画でした。ぜひご覧ください。

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赤だるま

4.5映画は演出を堪能するものなんだなと実感

2021年2月11日
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普通じゃない男が普通になる、なれるのか、というお話。
ここのところ見てた邦画の中では圧倒的にいい。逆にこれをみると、やはり映画の醍醐味は各パートの総合力なんだな、と思う。改めて監督力の光る映画だな、と。
笠松則通さんのカメラがいい。ここ、というところに感情とともに入り込む。音楽もいいところで鳴る。過度ではない皆寄り添って世界を作り上げてる。
俳優陣も豪華。同じように丁寧にキャスティングされている。正直それほど興味を持てる題材でないように思ってたけど、こうどっしりじっくり描かれては見惚れてしまう。役所広司がいちいちおかしい。笑えると言うことでなく、チャーミングなのだ。切り返した時の顔が予想以上で、そんな顔されたら、というような表情。娑婆に出て出会う人々。男が疑うよりも裏はみんな優しく、冷たい顔の裏にこういった男に向ける希望みたいなものを携えていて、それが見えた時のリアクションが皆いい。六角精児が特にいい。仕事に就いた、ってことがこれほど歓喜に満ちたものになるなんて。物語が終わる時、タイトルが響く。束の間の夢のような娑婆の世界。儚い夢のような世界。取り込まれなかった最後の洗濯物を見た時、あっ、と思える演出。うまいなあ、と。

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ONI

3.5現代日本映画界を代表する名優役所広司も私にとってはどの映画を観ても先ず思うのは“顔デカ!”。今回は顔のデカさが気にならないくらい見事な映画だったのにラストの落ちの付け方が不満。で、減点。

2021年2月11日
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①残念ながら(?)塀の中に入ったことのない身としては、冒頭の旭川刑務所のシーンが興味深い。令和の刑務所は大分キレイになってるんだね。②前科のある人間が更正する或いは社会に受け入れられることの難しさを描いた映画は古今東西いくらでもある。しかも元ヤクザ者とあっては困難さは倍返し(言葉の使い方間違ってます…わかってます)。③しかしこの映画が一頭抜きん出ているのはその映画としての見事さ。西川美和という監督の作品は初めて観たが、こんな監督のいる日本映画界も捨てたものではない。主人公が堅気の世界での生きずらさに元の世界へ戻る誘惑に駆られる心象シーンとして登場する東京の夜景の美しさ。あんな美しい東京の夜景シーンは初めて観た。④それだけにラストの付け方はもっと他にあったのではないかと思えて残念。最早堅気だけでなくヤクザにとっても生き辛くなっている現代という閉塞感のある時代にとってもっと夢のあるラストでも良かったのではと思う。どうしても似たような結末を迎える過去の映画『ミスター・グッドバーを探して』や『シングルマン』等の既視感が邪魔する。⑤女優陣はおしなべて好演。(勿論、男優も好演ですよ。特に六角精児は役所広司を向こうに回して一歩も退いていない。)年取ってから露出が増えてきた梶芽衣子はどうしても過去の役柄から暗いイメージがつきまとうが、ここでは珍しく明るい役でそれもなかなか宜しい。1シーンのみの出番ながらも免許証センターの窓口の婦警役の女優も役所広司に一歩も退かず好演。しかしなんといっても短い出番ながら鮮やかな印象を残すのはキムラ緑子。警察の手入れを受ける兄貴分の元に駆け寄ろうとする役所広司を引き止め堅気の世界に押し返す「空は広いって言うよ」は、この映画屈指の名台詞。安田成美も老けたが女優(演技者)の顔になっている。⑥役所広司の更正を支えようとする人々は基本的に善意の人々だ。それでも個人個人、生活や仕事の上でサポートに限界がある点もきっちり描いていているのがリアルで好ましい。ラスト近くの介護施設の職員たちの心ない言動も彼らを非難するのではなく自分達の鏡と捉えるべきだ。どこかで普通と普通でないものを分けていて自分を普通に位置付けてそれ以外を見下していないか考えるべきだ。それでも自分が正しいと思える人にはもう掛ける言葉もないけど。⑦お爺さんを溺れさせかけた障害のある介護施設の職員が台風が来るなか摘んできたコスモスを役所広司に渡すシーンは役所広司ならずとも涙が出てくる。でも、指示されたわけでもないし、摘むということは花の命を絶つということだから、たとえ台風で散ってもそのまま生かしておいてあげた方が良かったのではないか。分からない。ただ最後生き絶えた役所広司がその花を握り締めていたところに監督のメッセージがあったようにも感じる。かといって、この落ちの付け方に納得しているわけではないけれど。

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もーさん

3.5見るべき

2021年2月11日
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前科のある者の生きづらさを描く物語だが、やがて主人公の純粋さに心惹かれてゆく。主人公が自分を押し殺して順応しようとした「すばらしき世界」で、私達は自分の価値観だけで世界を見て、自分だけを守って、本当は違うと知りつつ生きている・・・しかしそんな世界でも主人公を支えてくれる人々もいる。空の広い世界を!

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ごまめ堂

4.5すばらしい作品!

2021年2月11日
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久々に感動しました。
この若い女性監督に驚きました。
脚本も素晴らしい!邦画ではいつも脚本の酷さにウンザリしていました。
人生って百人いたら百通りなんだと改めて思いましたし
登場人物たちの立ち位置を見事に表現したおかげで
各役者の演技も鼻につかない・・・日本の役者が素晴らしいと思えるのは、ブラックレイン以来でした。
やはり監督が悪いと役者も生きないんですね。
映画で涙したのはフォレストガンプ以来でしょうか・・・

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ジオ

4.0怨み節から見上げてごらん・・へ

2021年2月11日
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時代は変わる。
まさか梶さんが、夜空の星を~って唄いあげる姿(ステキです)

映画は西川監督の珍しい原作物。しかし社会に対する切り口は鋭くて、刑余者の社会復帰・アンガーマネジメント・生活保護行政の問題・マスメディアについて等々あげたらきりなく出てくるのだが、それぞれの当事者が真摯に向かいあっているのでとても爽やかな気分にはなれる。

最後は残念な結末で、だが俯瞰ショットで残された者たちへ凛々しく記憶されることを望みながら観おわった。

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ソルト

3.0役所広司と中野太賀がすごく良い

2021年2月11日
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0か10かでしか生きられない人間模様。役所広司と中野太賀がまさに新旧の「不器用な人間なんで」の人。
この手の映画の結末は三つしかない。1、主人公が耐えられずまた犯罪侵す。
2、主人公が真っ当に生きる。
3、死ぬ。
今回の映画は3だった。ラストのクレーンカットは中々良かった。
白竜のくだりは全くの蛇足だ。反社反社とあんなに言ってるんだからいらない。もし描くなら昔のキムラ緑子や白竜の話入れないと。
ソープ嬢の話も何が言いたいのか?
長澤まさみももう少し絡めないと、女優少ないから有名人出しました感満載。
罪を犯した者だから社会に馴染めないのか?社会が罪を犯した者を馴染ませないようにしているのか?
これは永遠のテーマであり日本はその分野では遅れていると思う。刑務所は罪を償う為に入るなら出所したあとの再犯率は下がるはず。難しいテーマを取り扱いながら主人公が死ぬ投げっぱなしのストーリーは匙を投げたとしか思えない。
いざこざありながら生きていくが現実なのでは。
男性二人の演技は流石です。六角精児は良い人すぎるだろ。

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ゆう

4.5見ようとしてないだけか?

2021年2月11日
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28本目。
最初から最後まで役所広司が上手いと思い観てる。
いるよ、こういう人。
キレるタイミングが絶妙。
できればスマホを折って欲しかったけど。
それに引っ張られる、いやいや皆が皆が上手い。
それだけでも価値がある。
皮肉ってるなかとも思うけど、日常に慣れてしまった自分には見えてるものが見えてないのかも知れない。

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ひで

4.5変わりゆく人間模様

2021年2月11日
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殺人を犯し13年の刑期を終え
真面目になろうと思い現実とは違う社会の厳しさ、その中で出会う人間関係、変わりゆく主人公三上
シャバは我慢の連続、空の向こうは広い世界
ある親分の女将さんの言葉突き刺さる言葉でしたね~
今の社会もそうだけど我慢我慢だね~
昭和育ちの私には心に染みる映画でしたね~
見応えある映画でした。
m(__)m

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ヤオジュン

4.0西川さんの作品(映画や本)に感じること

2021年2月11日
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彼女の作品にいつも感じることは、
「ちょっと意地悪で、クスっと笑えて、自然に泣けて、とても優しい」という印象。
そして、(映画の場合)「役者って本当にすごいな」と改めて気づかせてくれるところ。
そのせいなのか鑑賞、読了直後よりも、後でじわじわと沁みてくる。
今回も後々点を上げたくなるかもしれないけど、取り敢えずの4.0。

今年は積読消化のため「本は買わない」と決めたのに、、ついつい西川さんの新刊、『すばらしき世界』に挑んだ5年間の軌跡を綴る本『スクリーンが待っている』を発注してしまった。。。

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TWDera

4.0コスモス

2021年2月11日
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泣ける

笑える

難しい

スーパーの店長さんと仲良くなって、面倒くさい客がいたらいつでも呼んで下さいね!(懲らしめますの意味)と言った三上の顔が生き生きしていてキュートだった。殺しをした三上の顔が載っている新聞の写真、凄みたっぷりだった。そして「いだてん」で役所広司が演じた嘉納治五郎は言葉が見つからない程の存在感で、前半・後半パート両方において重石であり常に中央にいらした(思わず敬語)。役所広司出演の作品を全部見ている訳ではないが、「どんな役をやっても素晴らしい」と思わせて言わしめる役者さんだと思う。
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不思議なフライヤーだなと、折りに触れてよく眺めていた。遠目で見ると、遠山の金さんなんだ、と思い、近づいてよく見ると、彫り物は色なしでそれとは別に桜を前面で映してるんだと思った。桜でなくて、コスモスだと、映画見てから初めてわかった。

この映画は「ヤクザ」でない側を痛烈に突き刺さしてくる。我慢して周りに合わせて本心でないこと言ってお愛想笑いして、或いは何も言わずに見て見ない振りをして、全然すばらしくない世界。だけど、東京タワーが真ん中の夜景は美しいし、子ども達がサッカーする姿は可愛らしいし、青空も月や星の夜空も美しい。

きちんとして物が少ない三上の部屋に美しさと清潔さを感じた。刑務所で整理整頓は叩き込まれましたから、と三上は言ってたけれど。九州の兄貴分の和室も美しかった。そして、三上のミシンかけと美しい運針とベッドメーキングの手際よさは、見ていてとても気持ちが良かった。

仲野太賀くんを映画で見たのは初めてで「いだてん」のマラソン選手の小松以来!いい役者さんになるな、と思いました。仲野さんと役所広司、このふたりの映画でした。大変だけれどすばらしき職業、役者!

コスモスを握ってた三上の手、津乃田の涙が忘れられない。

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talisman

5.0まさに、すばらしき世界

2021年2月11日
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西川美和監督と名優役所広司の初タッグで傑作はできるだろうと予想はついたがまさか遥か上をいった!

オリジナル脚本に尋常じゃない拘りをみせていた彼女が他者の小説を映画化する自体が稀有なことです。それだけでもハードルが上がります。そんな中彼女の傑作中の傑作「ゆれる」と同等の作品をみせていただきました。
また偶然だが現在上映されている「ヤクザと家族」に通じる内容なのもまた興味深い。元受刑者や元暴力団が現代社会で生きることがいかに厳しいかの共通項が存在する。西川監督はそんな社会のレールから外れた元受刑者の再生をけっして陰鬱な描写だけではなく時にユーモアもふまえながら描いている。そして人間の深淵にある善悪の二面性をまたもやこの作品は炙り出している。

主人公三上演じる役所広司は流石です。他の役者じゃ考えられないくらい難役をこなしていた。他のキャストも素晴らしく仲野太賀はこの作品に出会えたのは彼の役者人生のターニングポイントになるのではないかと思える好演だった。個人的には六角精児も最高に良かった。ギター上手なのも劇中役にたったね。

この生きにくい不寛容な時代の中で自分に手を差し出してくれた人がたくさんまだいる世界。また自分を貫けず我慢を強いられる日々をおくる世界。この二面性をもつ最期のシャバは三上にとって「すばらしき世界」だったと思います。
とにかく大傑作。ワーナーも出資するのは当然でしょうね。

追記、西川監督って同一キャスト(過去出演した)はほぼ使わないのに山田真歩が二回連チャン出演。これもある意味凄い!

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トシくん

3.5役所広司さんが良かった!

2021年2月11日
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素晴らしき世界とは何なのか?
考えさせられる作品。
自分は素晴らしき世界で生きているのか?どうなんでしょうか?

役所さんの為に作られた作品って感じ。
ドキュメンタリー映画の様なリアル感がとても良い。

社会復帰しようと必死に生きる三上が、なかなか上手く社会に馴染め無い様子に同情してしまう感じ。

周囲の人達が皆彼に優しく接してるんだけど上手く歯車が噛み合わない感じが悩ましい。

スーパーの店長の六角精児さんとのやり取りも良かった。
劇場内が爆笑するシーン。良いな(笑)

ラストの展開は予想も出来ず涙が止まらなかった。

長澤まさみさんの登場が少な目だったのは少し残念( ´∀`)

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イゲ