すばらしき世界のレビュー・感想・評価
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今年のベストかもしれない
鬼才・西川美和監督がまたもや素晴らしい作品を生み出してくれました。役所広司の新たな出世作となると思います。 鑑賞してからもう一週間ほど経ちましたが、あの雨の日に三上が片手に握っていたコスモスがまだ私の目の前に咲いているように感じて、あのシーンの美しさに感動して心が泣き続けています。 また映画館で観たいです。
すばらしき?
すばらしき世界というよりはどう見ても生きにくい世界。 人は1人では生きていけないと、再確認させられる映画でした。 人はそう簡単には変わらない、相当な覚悟がなければ。。 後半少しずつ変わろうと、社会になじもうとして、ラストどうやって締め括るのかと思ってましたが、あのエンディングはあまりに呆気ない、、、 シャバは我慢の連続です(^_^;)
やくざ=反社会的勢力ですよ。これでいいの?
生きづらいこの世界にやくざという受け皿が必要なようにしかこの映画は見えないがそれでいいのか??やくざって今でいう反社会的勢力ですよね。そもそものお話としてこれで良かったのだろうか??
前半、彼の価値観が見えない30万円の金時計を捨ててくれという意味のわからない記号的なくだりからやばい匂いがした。捨てないでしょうやくざっていう人種は。昔の時間を捨てるという記号的なことなの??
なぜ、防具を縫うとか訳わからないことを言っている主人公にこそこそ話ではなくて本人に今はもう無いからやる気がある人を受け入れてくれる会社を探しましょうと言わないのだろうか??
テレビくらいしか情報源がない我々でも出所した人を受け入れてくれる施設や職場があることは知っている、橋爪功、梶芽衣子夫婦はどういうひとたちなんだろうか??馬鹿なのか?悪い人なのか?
運転免許が必要と強引に物語を縛るが??免許無くてもできる仕事をなんで誰も探さないの?
主人公はその考えで進んでもいいだろうが、周りの人間をそこで縛るのはあまりに無理があるのでは無いだろうか??スーパーの店員??市役所職員??
そもそもこの年代のやくざは車屋関係の知り合いが多い、一発で免許とること難しいと知らないのだろうか??免許センターの大きくてを降っての行進は本気か?やくざの頃の主人公がただの馬鹿以外背景は何も見えない。
取ってつけた下りはあったが。
結局は堅気の世界にお金を持たして帰れと言ってくれるやくざの嫁のキムラ緑子以外は全員悪人に見えた。そういう映画なのだろうか??
時代に置いていかれているであろう表現が随所にあるが、、、
熟女のバイト募集のポスターに電話するが、あんた昔貼っていた方でしょうがと突っ込んでしまう。
あんなところに貼ってないし。。。
「身分帳」あまりこの映画では意味を成していない、母親を探すだけなら誰でもいつでもいいしテレビマンと繋げることも居酒屋でも万引き未遂でも最初の下の階の住民との喧嘩でもいいだろうし。
うまく生きて行けない人を描きたいのなら主人公がやくざである意味がこの映画には見えない。
この映画に浅はかな作り手の恐怖を覚えた。
花を綺麗と思える美しいと思える世界
主人公は生き方は不器用だが、花を綺麗と思える心を持っている。 ラストの病院のシーンのように、人間の社会は残酷で汚い心が重なって成り立っているが、 それよりももっと残酷なのは、人間として、動物として、自然を空を美しいと思えない心だ。 社会でうまく生きていく為に、自分を制御し、欲望を抑えるが、本来世界はもっと美しくできている。 追記 ラストのシーンにて、ライターと役所の人はいつ面識があったのか、主人公の周囲の人間同士の関わりに必要性はあるのかと疑問を持った。
「すばらしき世界」で生きる人間側から主人公を見てしまうと…
しかし、まあ、なんというか、みんなこんな感じの問題定義するような、社会への皮肉を込めた人間ドラマ好きですね。
いや、役所広司はすごかったし、他の演者もよかったし、映画としては悪くないと思うよ。
ただ、同時に三上のことはずっと好きになれなかったし、三上のような人間を美化して肯定している感じがして気分が悪くもあった。
犯罪を犯した人にも更生の機会を与える社会であるべき。経歴などで評価せず、人物を見るべき。そうでないと再犯してしまう状況に追い込んでしまう。わかりますよ。
でも、犯罪者に傷つけられた人や遺族の心や体の傷は、服役を終えたからと言って癒えることはないですよね。どんなに反省しても後悔しても、更生しても、犯した罪を取り消すことはできないですよね。犯罪者によって傷つけられ、今もまだ苦しんでいる人がいるのだから。
被害者でなくても、自分が六角精児だったらあんなに優しくなれない。テレビの取材について忠告するシーンなんて自分だったら深く傷ついたと思う。人間不信になるわ。
三上って悪いヤツだけに鉄拳制裁!とか同じはぐれもの同士の抗争!という感じではなく、普通の人へも容赦なく暴力・恫喝ってタイプですよね?
すぐに声を荒げて暴力や恐怖で人を支配しようとする。たとえ幼少期の傷がそうさせていたとしても、そんな人が善意の人間を傷つけてよい道理なんてあるのだろうか?
ラスト前の介護施設の話も、現実的には他にやり方あるよね?暴力か見て見ぬふりかの二択って!
信念を曲げて、見て見ぬふりをして、周りに媚びながら生きていく素晴らしい世界への皮肉もわかりますが、彼の正義は彼が気に入らなければ他人は傷つけてもよいという価値観が根底にあるため、共感できませんでした。
そんなこんなで感情移入できずに終わってしまった。この手の映画は自分には合わないのだろうなと、改めて感じた映画でした。
バランスの良さ◎
脚本は社会への問いかけでありながら、ハートフルに展開。登場人物は不足がなく無駄もありません。豪華な俳優陣の最高な演技は、このバランス取れた2時間を最大限に輝かせており、包み込んでもいます。
映画館はほぼ満席だったので、久しぶりに最前列のチケットしか取れず、画面が大きすぎて観にくいな、、、と思いましたが
空や海や雪景色や都会の夜景色などが大きく綺麗に、まるで自分がそこにいるかのように観られたので良かったです。
短いけれど景色の美しさを感じるカットは、やっと娑婆に出た三上さんへ感情移入するのに十分でした。
娑婆の開放感といえば、すき焼きや卵かけご飯が、とても美味しそうに写っていたのも印象的です。
ほとんどの人が同じかもしれませんが、背中を洗うシーンで思わず涙。津乃田くんの表情が素晴らしかったです。
そこからは「素晴らしき世界」へ向かう怒涛の展開。
映画をほとんど見ない旦那は「最後、突然死んじゃったね。映画ってそういうものなの?笑」と言っていましたが笑、
「人は人に助けられて必ず幸せになる」という断言的なメッセージを作らないためにも、また、「良い人だったのに死んじゃったっていう悲しい話」にしないためにも、必ずなければならないそっとした死、だったのだと思います。
とにかくわたしはチョロいので、この映画で中野太賀くんを好きになってしまったのでした。(チョロ……)
役者役所広司
78歳の父と2人で観に行きました。ドキドキハラハラホロリかつ ケンローチ映画のように社会的弱者視点で、少し考えさせられもしました。 主役に役所広司を据えて、チンピラさせるだけで映画としては半分成功 と言っても過言ではないかな。どら平太、狐浪の血しかり。 いつキレるか、この言葉にどう反応するのか、彼を見てると飽きません。 邦画界を支える良い役所です。あ、役者です。
不自由な世界
テレビでありがちな社会の底辺で生活をする人たちを上から傍観するドキュメンタリーみたいなのが嫌いでこの映画もそういうのかと思って敬遠してたのですが、観てみると全然違いました。 語り部の小説家を目指す青年もそんな魔宮のようなTV業界がいやになってディレクター業をやめたという過去があり、主人公のシンプルな生き方にしだいにひかれていくという話です。 現代社会に適合しているプロデューサーから現代風正論で説教されるもわかってはいるものの何か抵抗感がある。 打って変わって主人公の元ヤクザの周りには暖かいコミュニティが形成されていく。 どちらが正解ということもないでしょうが、どちらが居心地がいいのか・・・
生きていく
刑期を終えた男の人生映画 なぜかどんどん三上に惹かれて好きになっていく そんな映画でした😊 一緒に観ている観客達も笑っていてみんな三上が好きになっていたと思う。 三上に関わる人達も人間味があってとても良かったです✨ でも最後がなぁ、、、🥲 色んな意味でさすが西川監督です。 歌詞のない音楽がまた映画に入り込めたのも良かった! 役所さんは本当に良い俳優さんです。三上役は役所さん以外考えられない笑
自分が望んでそうなったわけではない、その痛み苦しみを救う何か
コロナ禍のなかでも沢山の人が映画館に観に来ていてビックリしました。 涙の鼻水をすする音が時折聞こえて来ました。 役所広司さんが養護施設で歌を歌う所、母を慕う子供の無垢な心を感じました。 後でサッカーをして子供を抱きしめるとき、子供を持ちたかったであろう思いが自分とダブり何んとも言えない切ない思いがして涙が溢れました。 私は母親から精神的虐待を受けて精神疾患になったので身につまされる思いでした。 母だって意図してしたわけではないだろう、しかし自分の抱える苦しみを子供に暴力的に吐き出したことは事実です。 自分が望んでそうなったわけではない、その痛み、苦しみを救う何かを日本人は本来は思想として持っていたと思います。 何故日本はこんなにも自殺する人の多い国になってしまったのか。悲しい。 そして、私は今、何故か生かされて生きている。 私が望む素晴らしき世界を創造していくチャンス(自由)は与えられている。
監督からの挑戦状
このタイトルに関して、監督から挑戦状を 叩きつけられました。この現代社会にとって、 素晴らしい世界とは何なのか、と。 少し前に観たヤクザと家族にも通じる、 主人公の真っ直ぐな気持ちが、現代社会と大きな 乖離を生みます。もちろん暴力はいけませんが、 日本人が大事にして来た義理人情の居所は、 だんだんなくなって行ってしまうのでしょうか。 役所さんの演技は素晴らしかった。 難しい役所(やくどころ)だったと思いますが 最後まで見事に演じ切ったと思います。 周りの役者も良かったなぁ。 途中、周りの暖かさにもジーンとさせられます。 ピュアな気持ちにさせてもらえる映画です。 心の洗濯に、どうぞ。
リアルな描写に溢れていた。
誰かが特別優しいということはなく、多くの登場人物が等身大に優しくて、そして精一杯生きていた。
そんな人間らしさを緻密に描写した作品だった。
悲しい結果にはなってしまったが、必死に生きる主人公に対して色々な人が優しさを向けていた。そういう意味では「すばらしき世界」だったのかもしれない。
道(未来)は変えられないのか
殺人罪で13年の刑期を終え、出所した三上(役所 広司さん)。 東京で堅気となって再出発することを誓うが、 なかなか上手くいかない様子。 真っ直ぐな性格と短気な所があるため、 トラブルに巻き込まれそうになるが、 再出発を応援する人たちの助けもあり、 ギリギリのところで回避します。 本作は、ストーリーに派手な部分はありませんが、 人生の大半を刑務所と裏社会で過ごした男が、 真っ当な人間として社会に適応し、 普通の生活を送ろうと努力する姿を 主人公・三上を演じる役所広司さんが、 リアルに演じられておられます。 ストーリーの中では、表社会に適応できず、 苛立ち、裏社会へ戻る方が楽だと考える場面も描かれており、 そんな、三上の葛藤を見ていると、 “人の進む道は変える事はできないのか”と考えさせられました。 三上は、再出発を応援する人達に恵まれたこともあり、 人間として成長し、社会に適応していきます。 表社会、裏社会は関係なく、 社会や周囲の人達との関わりから 人は変わることができ、成長できる。 そうすれば、道(未来)が拓ける。。。 そう語りかけている作品に見えました。
傑作
役所広司が素晴らしいのは言うまでもなく、やり過ぎず、でもエモーショナルに、登場人物みんなを丁寧に扱っているのが素晴らしい。社会とは人であり、人は社会であることを描いた傑作。日本のケン・ローチというといいすぎか。
役所広司の笑顔で人を殺しそうな怖さ全開
何を言っても話の通じない人っているじゃない?
冒頭の三上は自己中心的で自分以外の人間には興味がなかった。
自分本位な考え方からくる行動で空回り。
相手が思うように従わないと逆ギレ。
思考回路はまさに中学生だった。
物語が進むにつれ、自分に力を貸してくれる人間が増え、信頼してくれる人間がいることから理性をコントロールして社会に順応していこうとする。
ただ、その世界は自分の思うような価値観の通用しない世界。
自分が今まで否定してきた世界で、自分が息をしていることに気付かされる。
いったい、誰にとってのすばらしき世界なのか?
世界から三上と言う男がいなくなって、犯罪者が一人死んで、社会的な秩序が一つ正常になったすばらしき世界。
自分がしたくない同調から外れて、他者を蔑んだりしなくてすむ世界に旅立つことのできた三上にとっての、すばらしき世界。
タイトルが最後に映し出されることによって、このタイトルは本当は誰にとってのタイトルなんだ?
と考えてしまう。
社会の中で生きるとはどう言うことだろう。
自分の生き方や考え方は他人と比べて、少しはまともだろうか?
自分の生き方や価値観を他人と較べる必要性なんてあるんだろうか?
などなど、見終わった後に自分の生き方を問いたくなる作品でした。
今回の話では死んで綺麗に終われたけど、現実ではあんなに都合よく死ぬなんてことはまずありえない。
三上が生きていたら、いつかまた人を殺すかもしれないし、殺さないかもしれない。
人との繋がりが三上を人間の大人にするかも知れないし、そのために自分の中の何かを変化させていくかもしれない。
これから、人生の風向きが変わるかもしれない。と言うところでのラストだったので、なんとも後味が悪い。
後味というよりも、綺麗にまとまりすぎてしまった感はあった。
ともあれ、劇場でこの居心地の悪さや何か起こるのでは?と言う緊張感を味わえたのは面白い。
Whats a W〇nderful W〇rld!!!!!????
内容は、まあ若干、昭和な感じで。(笑)
ザ 映画って感じで。
懐かしい映画。
ナツムビ!!!???(笑)なのかどうなのか。(笑)
脚本的にはもっとギャグを入れて、ノリ的には、お金がないのように
あそこから、立ち直り、成功して、また、そこそこ落ちて、静かになるような
そんなストーリーがいいようなどうなのか。(笑)
途中の、うるさい民家にいったときなども。(笑)
メンドクサイから、110番して、警察を利用するような、したたかさみたいなギャグ感が
欲しかったり。(笑)(笑)
生活保護をとりつつ。トントンの居酒屋を開店して。
ネットワークで、いろいろ借りたりして、サクセス感の場面がほしかったり。
続編に期待??しておりまする。△(笑)(笑)
自分自身に刺さる映画
考えさせられる映画でした。別所さん演じる三上が色んな人に出会い助けられ、人として成長していく姿が感動しました。自分の祖父もキレやすい人間だったので、敬遠してましたが津乃田みたいに繋がれば分かり合えたかもしれない。本当に心に刺さる良い映画でした。
役所広司の役のみせ所
ベタなレビュータイトルですいません。
しかし、それ程までに脱帽した。役所広司以外に誰ができるのか。
気が短くて正義感もつよくそれでいて真面目な主人公を見事に演じきった!
私が一番好きなシーンは高齢者施設でイジメをしている若いスタッフがやる同僚障害者のモノマネに対して、葛藤がありながらも放つ一言、「似てますね」この表情。この顔できる役者さん他にいますかね。
あと、原作が事実に基づいたものなのでしょうがないですが、最後は亡くならないで欲しかったですね。幸せになって欲しかったな。
役所広司が強すぎたかな〜。
13年の刑期を終えて出所した元ヤクザの主人公(役所広司)が、元受刑者への風当たりの強さに苛立ち、ぶつかりながら、生きる様を描いた人間ドラマ。
役所広司のまくしたてる九州弁に勢いがあって良いですよね。実年齢は65歳と初老なのですが、それを感じさせない体のキレと精気。こういう中年ヤクザの役はピッタリ。
物語としては、主人公の「生きづらさ」がテーマ。でも、この作品が本来伝えたかったには、この元受刑者を通して、もっと世間一般的な生きづらさ、だったのかな〜、と。役所広司の真っ直ぐな生き方に対して、ケースワーカーは上司が、ルポライターは長澤まさみの演じるテレビ局、という「カセ」がある。そこで、役所広司に感化され、生き方を再発見する、って作品だったのでは?と思います。
そんなところが見え隠れするのですが、役所広司の存在が大きすぎて、映画としては「はみ出しものに厳しい世間」でまとまってしまったのが、少し残念。
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