「対比の妙」すばらしき世界 ポンチョさんの映画レビュー(感想・評価)
対比の妙
元殺人犯の主人公にとっての「生きづらい」シャバの世界は、そのまま現代を生きる我々観客の「生きづらさ」と重なり、システムとしての社会にはらむ問題を感じさせる。
片や、生きづらさ剥き出しの主人公を支える人々(身元引受人・町会長・ケースワーカー・彼を取材する作家)の温かさは、まるで観客である自分自身への温かさに思えて涙する。この彼らこそ「すばらしき世界」。
殺伐とした社会の中には、温かさを持った人間が住んでいます。その温かさをもってしても 、どうにもならないものを描く事で、鮮やかな対比となっていると感じました。
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