「見応えのある邦画」すばらしき世界 Film_Montageさんの映画レビュー(感想・評価)
見応えのある邦画
クリックして本文を読む
秀作を送り出している西川美和監督の最新作であり、予告を見て興味を惹かれたので鑑賞。
俳優陣は上手い方々ばかりで撮影も編集も素晴らしかった。
物語としては長い間獄中にいたヤクザが現代社会に馴染もうとするも馴染めないというこれまでも何度か見たような物語だった。
良くも悪くもすぐカッとなる性格で喧嘩っ早い、真っ直ぐだけど融通が効かない主人公を役所広司が演じている。
この手の物語は客観的に見ると、要領良く出来ず自分で自分の首を絞めていくのがこれまでよく見た展開だ。
この作品もやはり大筋は同じ展開で節目節目で問題を起こしそうになるが、周りの人達がどこか優しく元殺人犯の三上を支えて力になってくれる。
そこが今までの作品とは少し違うが、難しいのは周りの人達が優しいと三上の行動が愚かに見えてしまう所である。
教習所の受付で怒鳴ったり試験で無茶な運転をしてしまったり、彼を想ってアドバイスしても凄んだりするのは、立ち直りたいのか、ただ頑固なだけなのか、途中感情移入出来ずにイライラしてしまった。
ラストの自分を殺して社会に適応出来たあと死んでしまうのはなるほどと思った反面急だなと思ってしまった。
総評としては良かったが、少し残念な所も散見された。
コメントする