「何のために生きるのか」すばらしき世界 みみずさんの映画レビュー(感想・評価)
何のために生きるのか
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役所広司演じる元ヤクザものには正直言って共感できないところも多い。
一般社会からリジェクトされても仕方のない面もあるだろう。
いや、そうされて然るべきとすら感じる。
そうしてしまうことによって生じる悪循環がこの映画のメインテーマなのだろう。
序盤はそれが延々と描かれ、間延びした感じがした。
後半は一転して急展開。
個人的にはこの部分に時間を割いて欲しかった。
この「すばらしき世界」では正しいことをしても社会からはじかれかねない。
特に脛に傷を持つ身ではそうなる。
恩ある方々に報いるために自らの信念を曲げて、
自らと同じく「すばらしき世界」では生きにくい心優しき仲間を見殺しにする。
そして、その仲間からもらった花を握りしめて逝く。
さぞ無念だったことだろう。
その心情を思うと涙なしにはいられなかった。
自らの正しい信念を曲げて生きなくてはならない「すばらしき世界」、
こんな「すばらしき世界」に生きる意義はあるのか。
何のために生きるのか。
くずどもを殴り倒してはいけない「すばらしき世界」に嘆息した。
私もある意味反社なのだ。
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