「福井コロナシネマワールドにて観賞。 今回、まさかの映画館一人占めで...」すばらしき世界 映☆画太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
福井コロナシネマワールドにて観賞。 今回、まさかの映画館一人占めで...
福井コロナシネマワールドにて観賞。
今回、まさかの映画館一人占めで大変贅沢な思いをしたのですが。
ここは、シネコンながら、儲からなそうな良作も上映してくれて、本当にありがたい。
福井に自称映画好きが何人いるか知らんが、何しとんねん。
西川監督ってだけで、とりあえず観に行けよ!
あとはネタばれ含みます。
主人公が周りの助けを受けて更正していく流れに、こいつは絶対裏切る(映画的にも)、とスキャンダラスな展開を期待している自分がいた。結局、私の凡庸な期待は裏切られるのだが。
最後、きっと彼は幸せを感じて…と思ったとき、歎異抄の「善人なおもて~」が頭に浮かんだ。
そして彼の社会復帰を手伝った人たちもまた、自分の中の悪や弱さを知っている人たちなのではと。
これは映画の中の世界で、現実は…と思ってしまうが、その現実を作っているのは、私を含めた一人一人なんだと。
同時期に上映中の「ヤクザと家族」と、多くの共通点がありながら、これほど観後感が違うとは。
監督の一作一作にかける情熱、力量を感じた。
私の場合、期待して観に行くと、たいてい失敗するのだけれど、西川監督の作品に期待するなと言うのが無理な話で、なおかつ、いつも期待を裏切らない。
次も楽しみだが、何年後か…
再び観賞、結末を知っているせいか、2回目のほうがグッときた。
そして1回目では見えていなかったことが見えてくる。
スカイツリーと東京タワー、そういうことだったのかとか。
劇中、主人公は何度も泣くが、自分の怒りを我慢した後、彼は初めて他者(の命)に対して涙したんじゃないだろうか。
そこで、ようやくスカイツリーが輝いて、さぁ、これからというところで、、
もう一度観たくなる、が良い映画に共通していると思う。