「予想どおり役所広司だけに安定感抜群、手堅い。」すばらしき世界 満塁本塁打さんの映画レビュー(感想・評価)
予想どおり役所広司だけに安定感抜群、手堅い。
今日本の役者で一番安定していると思われる役所広司。役も選べるだろね。
監督の力もあるだろうけど。安定感抜群。あとどうでもいいけどこのパンフレット、脚本ついてて結構豪華というよりボリューミーすぎ。値段相応ではあります。
暴力的な犯罪者だが、根は悪人になりきっていない真面目で真っ直ぐな面もある人間。
刑務所出所して、身元引受人の弁護士と、最初は冷淡だった生活保護担当の役人、スーパー経営の町内会長、
そして狂言回しのテレビ製作会社を辞めた作家志望の青年
それぞれに支えられつつ、何とか自立しようと悪戦苦闘
同時期上映で少しテーマがかぶる「ヤクザと家族」と違い、この主人公の周囲の社会は前科者にそれほど冷淡ではない。
主人公の根は悪くない性格を察して、皆応援してくれる。
途中、主人公もヤケになって元の暴力団の組長のところに戻ったりするが、暴対法の影響かそこに居場所がなかったのは「ヤクザと家族」と同じ。
悪戦苦闘しつつ介護の時間給職員になり、何とか堪えどころも堪えてめでたしめでたし。
東京タワーを中心とした俯瞰から、主人公の住んでいると思われる下町足立区あたりに近いスカイツリーの背景へ
主人公もだんだん社会に馴染んでいく。
まあ元ヤクザはこういう根は真面目な人間、ただし生育環境、この映画の場合、母親が施設に預けるのだけれど、この生育環境が故に軌道を外れてしまった人間が、実際は半分くらいはいるんだろねぇ。それくらい両親の愛情、特に母親の愛情は重要だよなぁ。
それに確かに再犯率は高いけど、堪えるところは堪えて、馴染むべきところは馴染んで、周囲と繋がりを気づいていくことが重要なんだろねぇ。
なんか暖かい、世の中捨てたもんじゃないと思わせる映画。これは監督の力量だろうけど、飽きないし、ストーリー展開も容易で快適。ぜひオススメの作品。大人なら万人受けするタイプ。実社会もこのとおりだといいんだけど。主人公に感情移入できること間違いなし。
ただ①長澤まさみ演じるプロデューサーの言「喧嘩仲裁して止めるか、カメラ回し続けるか」は大正論。映画とは言えなんで狂言回しの青年、その場から逃げるか意味不明?
②昔デカい車乗り回していた人間は服役でブランクあっても、歳とってもあれ程教習所レベルで運転ヘタクソになることはありえない。ただし上級国民と呼ばれるクソジジイは除くけど。
何はともあれ、疲れないし佳作、人間の繋がりって重要だよなぁ。あと当たり前に思ってしまう「仕事がある」ことのありがたみ感じました。個人的に。
こんばんは♪
フォローしていただきましてありがとうございました😊
『非常線の女』に共感していただきましてありがとうございました😊本作、おっしゃるように、役所広司さん出てられると、ほんと楽しめます。お母さんを慕う気持ち、切なかったです。
今後ともよろしくお願いいたします🤲