「水面の影 チラシを見てください」許された子どもたち おから先生さんの映画レビュー(感想・評価)
水面の影 チラシを見てください
水面に映る4人の少年の影を見てください。
細部にまでこだわった、今年ナンバー1の映画です。131分間、集中が全くが途切れずに“ココロ”が揺れ続けました。
“あなた“の子どもが人を殺してしまったらどうしますか?
自主制作映画のため上映館が少なく、ようやく上映開始した福岡でもわずか一週間しか上映されないけどタイミング合えば是非観て欲しいです。映画館用にチューニングされた音(不協和音、生活音、食物)、映像、役者の演技と顔のつくり、作品の熱量にハマってください。コロナシフトの映画館は、ほぼ満員でしたので予約はお早めに。
本作は、最初から最後までずっと「ザワザワ」します。イジメを受けた経験がある方はフラッシュバックしてしまうかもしれませんし、思春期の子どもを持つ親御さんも、母1、母2、父1、父2のどこに自己投影するかで「イライラ」や「ゾワゾワ」すると思います。
イジメの構造上、イジメられるより、イジメる側になる確率の方が多く、イジメ側の家族のその後にフォーカスした本作の着眼点の方が、投影しやすい人が多いのだと思う。
僕が、勝手に思い込んでいる社会の中での“男“と“女”の役割による違いが身につまされる感じがしました。
子どもの“しつけ“や“問題行動”のすべての責任が母親で、社会や世間体を重視する父親。随所にその表現が散りばめられており、正直言って胸が痛かった。
女性:母1、母2、弁護士、刑事、校長、担任、近所のお母さん、いじめっこ達、女の子
男性:キラ君とその仲間達、父1、父2、刑事、裁判官、店長
この作品から何を学ぶのか?この作品について語ることで社会性を育めると思う。
できたらもう一回観たい名作でした。