劇場公開日 2021年3月19日

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「うーん、イマイチ…」奥様は、取り扱い注意 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0うーん、イマイチ…

2021年3月21日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

テレビドラマは毎週楽しく視聴し、本作公開を楽しみにしていました。公開延期でじらされたおかげで、期待を高めて鑑賞してきました。

本作のウリは、なんといっても綾瀬はるかさんの妻としての表の顔と、特殊工作員としての裏の顔の使い分け。そして、特殊工作員としてのアクションシーン。本作でも冒頭から緊張感のある潜入シーンが描かれ、期待が高まります。「精霊の守り人」のバルサ役もそうでしたが、本当にキレのあるアクションのできる女優さんだと改めて感じました。夫役の西島秀俊さんもしっかりアクションのこなせる俳優さんなので、夫婦共闘シーンもなかなかの見応えでした。ただ、全体的に暗く、カメラが寄りすぎで、夫婦の連携が今ひとつ感じられなかったのは残念でした。

しかし、最も残念だったのは、後半のアクションシーンに至るまでの展開がゆったり過ぎて少々退屈だったことです。地方都市のメタンハイドレート開発をめぐる陰謀をメインストーリーに据えているのですが、これに関わる描写が地味で、国家レベルの陰謀には見えませんでした。そして、その街で潜入捜査のために暮らす伊佐山夫婦の平凡な生活を描くのですが、終盤でこの幸せな営みの重さが効いてくるとはいえ、もう少しテンポよく描いてほしかったところです。

夫婦二人の軽快なやり取りやアクションを期待していたのですが、それらのシーンが思いのほか少なく、そのせいで全体のテンポが悪くなり、ウリのシーンまで霞んでしまったような印象を受けました。菜美の記憶喪失という設定が足枷になってしまったようですが、記憶は無くしても体は覚えていて、反射的に体が反応し、そこに快感を覚え…というようなシーンがもっとあってもよかったのではないかと思います。

映画化ということで、国家レベルの陰謀と夫婦の愛情を時間をかけて描こうとしていたのかもしれませんが、結果として軽妙なテンポやコメディ要素などのテレビドラマ版の魅力が大きく失われてしまったようで非常に残念でした。つまらないというほどではないですが、テレビドラマファンの期待には応えきれてないかなという感じの作品です。

おじゃる