アダムス・ファミリーのレビュー・感想・評価
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人それぞれ
少し物語の弱さはあるものの、小ネタの豊富さや声優陣の豪華さには驚かされる作品。
『アダムス・ファミリー』と言えば、アンジェリカ・ヒューストン、ラウル・ジュリアがアダムス夫妻を演じ、クリスティーナ・リッチの存在を世界に知らしめた1991年版が非常に有名ですが、本作の雰囲気、キャラクター造形はそれと基本的に大きな違いはなく、過去作になじみ深い観客にとってもそれほど違和感がなく受け容れられるものではないかと思います。ちょっと手足が細すぎるような気もするけど。
もっとも『アダムス・ファミリー』の造形は1964年のテレビシリーズでほぼ完成しているため、むしろアダムス・スタイルとでも呼べるような様式を、連綿と引き継いできた、と見るべきかも知れません。
「ふつう」であるということを求めるマーゴを筆頭とした悪役とアダムス一家の対立軸は、実際の誰かさんをモデルにしたとしか思えないマーゴの、非常に分かりやすい言動ゆえに明確で、物語を追う上で何のひっかかりもありません。もっとも物語の分かりやすさにこだわった弊害か、特に結末の展開に強引さが目立ってしまっています。ウェンズデーの友人となる女の子はそれなりに魅力的なんですが、こちらの友情関係の発展もそれほどの意外性を感じられないところが残念。
確かに物語的な弱さはあるのですが、マーゴの元ネタを当てたり、彼女が率いるカメラクルーのへたれっぷりににやりとしたり、見せ場のあるなしにかかわらずアダムス一家の親せき達がきちんと造形されていたり、といったように、コンパクトな上映時間の中に色々な見所が詰め込まれています。アダムス一家の排斥の場面だけはなかなかに真に迫っていて、このあたりも現代性を感じます。
シャーリーズ・セロンをはじめとした声優陣が豪華なので、一度は字幕版を鑑賞することを強くおすすめします!
自分とは違う物を受け入れるということ。
お子さまでも、この出来ばえでは、「ちょっとムリ」と言うのではないかと思う。
ひねりがいっさいなかったな。
吹き替えしかやってなくて
評価できない
アニメという特性を活かしてもっとできることがあったのでは?
2010年に『ミニオンズ』『グリンチ』などで知られるイルミネーションが映画化権を取得し、その後ティム・バートンによって『ぼくの名前はズッキーニ』『フランケンウィニー』のようなストップモーション・アニメとして製作される予定であったが、企画が中止になっていたものがMGMにわたり、今回の映画化に至った。
モーティシアの声優としても参加しているシャーリーズ・セロンの製作会社、デンバー・アンド・デリラ・プロダクションズも製作として参加している。
予告で「初めてのアニメ化」といっているが、これは間違い。長編としては初めてだが、無名時代のジョディ・フォスターが声優として参加していたテレビアニメが1973年に製作されている。
今回は1930年代の一コマ漫画やその後シリーズ化された原作の絵のテイストそのままに映像化しており、ファミリーの他にもコミックやアニメシリーズでお馴染みのサブキャラクター達も多数登場する。
ちなみにスヌープドッグが声優を務めるイットという、メガネをかけた髪の毛のキャラクターはテレビシリーズにも登場していたキャラクターである。
アニメという特性を存分に活かして、アニメにしかできない演出で90年代の実写版の頃と比べれば、表現の幅は圧倒的に広くなっているはずなのに、控え目な内容となっている。
舞台設定が現在にされ、ストーリーも現代風にアップデートされているのだが、物語自体が現代であることに意味があまりないだけに、勿体ない部分の多い作品である。
モンスター一家と人間社会の対立の末に、理解し合うという王道のストーリーから抜け出せていないし、設定だけのおもしろさで押したとしても、近年では『モンスター・ホテル』『プチバンピ』『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』『ダーク・シャドウ』などホラーキャラクターのコメディも沢山製作されていて、目新しさというのはあまりない。
それらの作品のルーツとしては『アダムス・ファミリー』に行きつくのだが、本家が出遅れてしまったのが痛いところだ。
すでに続編が2021年公開予定とされているが、続編ではもう少し大暴れしてもらいたいものだ。
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