劇場公開日 2020年11月7日

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「いろんなアニメの真似の域を脱していない」羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来 RFさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0いろんなアニメの真似の域を脱していない

2020年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

吹替版を視聴。結構人が入っていてびっくり。女性客が多かった。

人間に追われていた猫の妖精ロシャオヘイは妖精フーシーに拾われる。そこに人間ムゲンが現れ、ロシャオヘイは連れさられる。ムゲンと行動を共にするうち、フーシーの人間に対する考えが変化していく・・・。

この映画を楽しめるかどうかの境目は、普段いわゆるオタク向けの深夜アニメを観ているかどうかではないだろうか。ロシャオヘイやムゲンといった主要キャラは魔法的力を使う。それも金属性、木属性、空間属性だのといった、いかにも能力者系アニメに出てきそうな設定。深夜アニメに親しんでない私にはちょっときつかった。
また、これまた深夜アニメ的なギャグが頻発。げんこつされてたんこぶができたり、萌え系ちびキャラが「空間属性うぜえ~!」と言ったり。劇場ではクスリとも笑いが起きなかったことを付け加えておく。
ストーリーの軸は、環境を破壊する人間と対立する妖精、一方、人間との共存を目指す妖精もいて・・・というジブリ的展開。そう、いろんなアニメの真似の域を脱していない。

いいところは、背景がきれいでジブリ的だったところ、ロシャオヘイがかわいいところ。あと、現代中国で人間に混じって妖精が暮らしているというのも面白い設定だと思った。ストーリーも王道といえば王道。
悪いところは、頻繁に繰り返されるギャグ(観てられないレベル!)、生きてる感じがしないキャラの描き方、独創性のなさ。人間も、ムゲン以外はほとんどモブでしかなく、ストーリーが妖精の内輪だけで展開されてしまう。

ただフォローしておくと、悪意をもったパクリという感じはしなかった。製作者は日本製アニメが好きなんだろう、多分。だから同じ趣味の人は楽しめるかもしれない。しかし、ファンだからといって、あるいはファンだとなおさら、外部の一般人を楽しませるのは難しいのかもしれない。
中国ということもありお金もあるだろうし、今後独自の世界観を生み出せたらとんでもないものが作れるかもしれない。そういう期待はあるが、本作はつまらなかった。

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RF