「性と生と死と、舞いあがる赤い風船」羊飼いと風船 pekeさんの映画レビュー(感想・評価)
性と生と死と、舞いあがる赤い風船
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良かった。
題名もろくに覚えず、どんな内容なのかもまったく知らないまま観にいったのだけど、興味ぶかく鑑賞できました。
まず、「一人っ子政策」という国家の方針と、土地の風習や信仰に翻弄される女性という着想が面白いと思った。
それから、子どもたちのなにげないいたずらがきっかけとなり、家族に軋轢が生じるというストーリーもよくできているなと感心しました。
おじいちゃんの生まれ変わりを産んでほしいと願う夫と子ども。現実を見つめる妻…。
僕もどっちかというと、産んでほしかったです(ゴメンね、奥さん)。
テンポよく進む話じゃないので、途中ちょっと退屈なところもあったけれど、草原、羊、僧侶、読経、輪廻転生、とチベット感満載で、ふだんあまり接することのない風景や文化を楽しむこともできました。旅行しているような気分で。
あと、ハイライトを飛ばした、彩度の低い寒々とした映像の中に、ときおり挿入される幻想シーンがビビッドな色づかいなのが印象的だった。
フレーミングを工夫した撮影もセンスを感じました。
主演の女優さんもいい顔してるなぁ(妹役もかわいい)。
風船ってコンドームのことなのね、と最初「えっ?」となったけど、さいごにホンモノの風船が出てきて一件落着。
空たかく舞いあがる赤い風船は、希望の象徴と見た。
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