ビッグ・ショットのレビュー・感想・評価

動画配信で映画「ビッグ・ショット」を見た。

劇場公開日：2020年1月17日

2018年製作／106分／中国
原題：“大”人物 The Big Shot
配給：クロックワークス

王千源
包贝尔
王迅
梅婷
杜源

土地の違法開発、
自殺偽装、
薬物使用など犯罪を厭わない巨大企業の御曹司（包贝尔）を
熱血刑事（王千源）が追い詰める。

韓国映画のリメイクで中国で大ヒットした映画らしい。

中国映画は助演の人たちにもちゃんとそれぞれ見せ場が用意されていると思う。

無骨な警察署長（杜源）もいい味を出していると思う。

満足度は５点満点で４点☆☆☆☆です。

なんだろう、これ
昔のコメディ刑事物を見ている感じ

面白かったんだけど、、、

財閥の御曹司がやりたい放題、これに対抗するのがやり手のベテラン刑事。
最近の中国映画の常で、警察や役所はいつも正しい、というスタンスだが、あからさま過ぎて逆効果にならないのかなぁ。

Twitterである方が感想書かれてたのを読んで行ったのですが、その通り『原口あきまさvs千鳥ノブ』にしか見えず笑けて仕方なかったです。そっくりすぎw

2015年の韓国映画「ベテラン」のリメイクで、浜海市を牛耳るチャオ財閥会長の私生児にして不動産部門のトップの男の悪事と、それを曝く警察の話。

「ベテラン」のリメイクが近々あったのは頭に入っていたけれど、これだとは認識せずに本編スタート。
偽装貨幣がどうとか、立ち退きがどうとかでは気づかなかったけど、嫁さんとの会話やパーティーの件でこういうのみたことあるなぁ…が重なり、子供を帰らしての飛び降りの流れで、おっ「ベテラン」！となった。

コミカルな警察が上層部の反対にあいながら、社会的弱者を食い物にするどころか金にものをいわせてやりたい放題のワガママお坊ちゃま率いる悪党グループとシリアスに対峙するストーリーで、細かい違いはあるものの概ね同じ流れである印象。(確かオリジナルの被害者は運転手で雇用だったか賃金に絡む話だった気がする)

胸クソ悪い流れの中に、笑いどころもたっぷり結構あるし、空気を変える班が仕組む起死回生の一手等はスカッとするし、テンポも良くて面白かった。

ただ、局長室でのコントとに始まり、山場での手を出せない流れからオチに至るまで、メインストーリーはそのままだから、もうちょい捻りは欲しかったかな。

この映画、初見では細かなところでつじつまや説明不足からくるプロットポイントの繋がりが曖昧な部分も見えてくる。確かに映画としては、2015年の韓国映画のリメイクとされる本作。間違ってもつまらない作品にはならないと思われるが…？ その韓国映画の出だしが、ブロンディの ”Heart Of Glass” の曲に乗り、ソ・ドチョル刑事演じるファン・ジョンミンがスーツをビシッと決めてご登場になり映画の幕が開く。それだけをとってみても本作が、いかにストレートに娯楽作品を作ろうという姿勢に欠けるとまではいかないが、徹底していないのが分かる。

この映画が、何故徹底した演出をしていないのかは、お国柄かもしれないが、冒頭のシーンのアクションは、韓国映画のエッセンスを取り入れたようでそうでもなく、アクションとお笑いの融合のような人を引き付けるところにかけている。しかも、親子して会社に乗り込み抗議をする場面においては、韓国映画では父親に加える執拗な暴力を子供の目の前で見せることにより、父親の精神だけでなく子供の精神にもダメージが加えられていて、感情移入のしやすい凄惨な場面となっていた。ユ・アインが初めてではないかと思えるほど悪人に徹していて、言葉が悪いかもしれないが、痛快すぎるほどの非人間的な演技をしていたのが印象に残っている。
そして、ラストのカーチェイスのシーン。その撮影に関して曖昧過ぎて、いい加減な撮影と言わざるを得ない。何故なら車が激しくガードレールや車に激突しているのにもかかわらず、その後、車と言えば、真っサラサラのサラですから、なんですかこれは？

悪役を演じている北京アカデミーを卒業しているバオ・ベイアル。この演技では、あまりにもステレオタイプの悪ガキ・自己中・暴力男としか見えなくて面白みが欠けている。上から目線の言葉。

決して悪い映画ではないのは確かなことで、韓国映画のマイルド・正義感映画と言えば語弊があるかもしれないが、見ても損はしないということははっきりと言える。

香港的要素をプラスさせたらどうなるのかな？て観ていたけど、脚本が良いから知ってても面白かった♪中でもダメ御曹司の容姿が似合う悪っぷりが良くて元作より感情移入出来た！