馬ありてのレビュー・感想・評価
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ナレーションなしの全編モノクロ映像
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北海道帯広市、世界で唯一、ばんえい競馬を行っている。
そのばんえい競馬の競走馬(ばん馬)を繁殖育成している農家。
同じく北海道むかわ町穂別の馬繁殖農家たち。
時期が来れば、草ばん馬のお祭りで皆が愉しむ。
岩手県遠野市。
山中から伐採された木材を運び出す、馬搬のひとつ「地駄引き」を行っている馬方。
彼らの言葉、生活を通して、変化する時代の中で消えていった、もしくは受け継ぎ続いている馬とひとびとの暮らし。
それは、生命の循環のひとつの姿・・・
という、ナレーションはなく、全編モノクロの画面です。
馬が好きで、映画に登場するばんえい競馬にも2度ほど行き、北海道の牧場にも幾度か行き、下北半島の先まで岬に放牧されている寒立馬も観に行きました。
そんなわたしには、草ばん馬の様子と地駄引きの様子は、とても興味深く観ることができました。
映画が始まってすぐに字幕インポーズで「馬にはふたつのことがある。走ることと 肉になること」という意味の言葉が出ますが、この映画ではそれ以外の馬の人生が描かれています。
「走る」と「肉になる」のふたつの映像があれば(後者は食肉用取引市場の様子が少し写されているが)、もう少し対比が際立ったかもしれず、少々惜しい感じがしました。
上映後、監督のミニトークがあり、そこでは遠野に惹かれた監督の想いが語られましたが、遠野の風景ももう少し映画に入れておいた方が良かったかもしれませんね。
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