劇場公開日 2020年6月19日

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「経営者として、この映画に何を学ぶか」水曜日が消えた 林文臣さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 経営者として、この映画に何を学ぶか

2025年7月3日
iPhoneアプリから投稿

一人の人間の中に7人の人格が曜日ごとに交代で生きる――そんな奇抜な設定の中で、「水曜日」が突然消え、他の曜日の人格が戸惑いながら自分の存在意義と向き合っていく物語。経営者の視点で観ると、これはまさに「組織の中の個性と役割」を考えさせられる作品だ。誰もが「自分がいなくても回る会社」を目指すが、実際に抜けた時、他のメンバーがどこまでその穴を埋められるか? あるいは埋めるべきなのか? 水曜日が消えたことによって、他の曜日が動揺したり、力を持ち始めたりする構造は、リーダーがいなくなった組織や、急に抜けたキーパーソンの不在時と非常によく似ている。

また、曜日ごとの人格=価値観の違いも興味深い。経営においても、異なる視点や価値観を持つ人材がいてこそ組織は強くなるが、それをまとめ、活かすのが経営者の役目だ。

本作は「自分の存在意義」や「役割」を問い直す物語であると同時に、「組織がどう成り立っているか」を問う寓話でもある。
経営者として、自分がいなくなった時に残るものは何か?――それを考えさせられた1本だった。

林文臣
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