「犯行の動機は愛じゃない」ナイル殺人事件 nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)
犯行の動機は愛じゃない
オリエント急行殺人事件の感想でポアロはラプラスの悪魔だと言いましたが、オープニングからまさにラプラスの悪魔の本領発揮でした
なのに今回の事件は後手後手に回って、とても名探偵とは言えなかった
次々起こる殺人を止める事が出来なくて、犬神家の一族状態
最後の殺人なんて、完全に危機管理の欠如でしたね
久しぶりに映画を堪能しました
エジプト行ってみたいなあ
スフィンクスとクフ王のビラミッドを重ねて見てお茶する
なんて贅沢なんだろう
そして
ガルガドットの横顔のシルエットには平たい顔の民はみとれてしまいましたよ
ダンスもエロかったぁ
ポアロの愛の喪失は
”ドライブ・マイ・カー” の西島秀俊をちょっと思い出させられました
ラストのポアロの行為はどんな気持ちだったのか
ガサツな僕にはわかりませんが、グッとくる悲しみを感じました
さて、謎解きですが
ここからはネタバレになるので観てからにしてください
原作未読ですので、誰が殺されるかもわからず目を凝らしてみていました
赤い絵の具が無くなったあたりでトリックは予想がついたのに、うまいストーリーに翻弄されて犯人を見失いました
”オリエント急行殺人事件”の展開からして複数犯には違いないけれど
本当に気をそらせるのがうまい
結局、最後の尋問でようやく気が付きました
愛か金かで迷ってしまった
映画は愛だと言ってましたが、あれは金ですね
どちらが主犯かといえば、たぶん男でしょう
女の動機は浅すぎます
男は稀代の女ったらしで、女を踏み台にしてのし上がっていく術にたけてるんですよ
まあ、僕みたいな人間には天敵だ
あと何故か、ブークのお母さんが草笛光子に見えて笑ってしまった
終わってみればツッコミどころが2箇所
6週間以上前から念入りに計画を練っていたのに、絵の具を現地調達はおかしいでしょう
もう1つは
おもちゃのような22口径の拳銃で人の胴体を貫通し、もう1人にも致命傷を与えるのは不可能じゃないかと思うんです
もし貫通出来たとしても、あの体制で2人とも急所に当てる事は考えられませんよね
今回はアメコミファンにとって嬉しいことに
ワンダーウーマンのガルガ・ドット
ブラックパンサーの妹、シュリのレティーシャ・ライトが出演しています
ミステリーファンでない人にも新鮮に映ったでしょうね