「中華思想の教科書…かも?」ラーヤと龍の王国 SP_Hitoshiさんの映画レビュー(感想・評価)
中華思想の教科書…かも?
なぜディズニー映画なのにこんなに宣伝しないのだろうか?というのがちょっと不思議。
いちおう主人公はプリンセス設定なので、これも歴代のプリンセスに加わる?
ストーリーはアジアをモチーフにしたオリジナルのファンタジー世界で、まあまあ面白い。
テーマは「戦争はおろかだ。多様性を認め、お互いに信じあってよりよい世界を作りましょう」みたいな感じ。
よくできている映画だと思うが、特にキャラに魅力を感じることがなく、それがこの映画の致命的な弱点だと思った。
もともとは1つの国だったが、人間のおろかさが原因で分裂し、互いに争う複数の国になった。だから、また1つの国になることが理想です、みたいな価値観…。これはすごく「中華思想」を思わせる。中国が「1つの国」に非常に強い執着をもっているのは、中華思想と無縁ではないだろう。
また、「龍(竜)」は中国では「皇帝」のシンボルである。ラーヤのいた、「龍の石」を守る国の名前は「ハート(心臓)」。中国語でも「心臓」は「心脏」「心」だから、「中心」という意味になる。つまり、「ハート」とは中華思想的に中国のことだと解釈できる。
うがちすぎな解釈かもしれないが、中国は他国をこんな風に見ている(中国を中心とした1つの国になろうよ!)、という映画に見えなくもない。
作ったのは中国人ではないし、モチーフも東南アジアだし、「ハート」も映画のストーリー上の解釈では「こころ」を意味すると考える方が妥当だろう、というのは承知の上で、中華思想の教科書的なものをねらってるのかな…、などと思ってしまった。
コメントする