「主要な登場人物、全員クズ。」ジャングル・クルーズ callさんの映画レビュー(感想・評価)
主要な登場人物、全員クズ。
主人公のリリーは冒頭で泥棒。マクレガーは片棒かついでる。
フランクは中盤をすぎてもまだ詐欺行為。
悪役の皆さんは言うにおよばず。
途中で「こういう事情があったんだ!」というストーリー展開をするので、
ちょっとほだされそうになるのですが、いやでもこいつ泥棒じゃん?という印象がぬぐえない。
ディズニーらしくポリコレには配慮しまくりで、
典型的にはズボン姿の女性は珍しく、それを印象付けることで逆に解放を訴えているようなのですが、
いやいやいやいや、おそらく当時の女性でもジャングルの探検行くならズボンくらいはくでしょ。
っていうか、上流階級の女性はジャングル行かないし、現地民は男女関係なく普通に行くでしょう。
その上でリリーが自由で強い解放的な女性!というエピソードが何度も出てくるのですが、
時代背景的に相手の善意・紳士っぷりに全面的に頼った傍若無人っぷりです。
それこそフランクは二人をピラニアの川に突き落として手荷物を頂戴していてもおかしくないのです。
悪役にも社会的な良識があるのはディズニーコンテンツということもありむしろ好ましいと思うのですが、
主人公側が、相手の良識を盾に一方的に踏みつけるような行動をとるのはあまり好ましいものではありません。
・・・と、文句っぽくなりましたが、さすがディズニー。映像美は大したものです。CG?細けぇコトはいいんだよ。
ストーリーとしてもちゃんと冒険モノとしてまとまっていますし、緩急のつけ方もよいです。さすが予算がたっぷりあると違いますね。
ふらっと映画でも見ようかと思った方に、気軽におすすめできる良い映画ですね。
ただパイレーツオブカリビアンのギミックを、舞台をジャングルに変えて焼き直したような、という感じが否めません。
「パイレーツオブカリビアンのような興奮が再び!」「共通点もたくさん!」ではないです。ネタの使いまわしっていうんです、こういうのは。
あと子供連れで行くのはやめたほうがよさそう。グロシーンが多々ありますし。
ディズニーアトラクションのカリブの海賊を意識して期待してパイレーツオブカリビアンを見るとあまりのグロさに戸惑うと思いますが、ジャングルクルーズでも同じような感じになっています。
美女と野獣の時のような子供向けに作ったのではなく、
かつてジャングルクルーズが好きだった子供で、今は大人になってしまった人たちを対象に作った映画のようです。
序盤に本家アトラクションへのリスペクトといじりが詰め込まれていたのでその後の展開にとても期待したのですが、
途中からはアトラクションからはかけ離れていきました……。それが残念。
【まとめ】
・大自然の映像がよいのとジャガーがかわいいので☆5
・本家アトラクションへのリスペクトがないのと、ポリコレ棒で紳士を殴るスタイルが鼻につくので☆マイナス1.