ソウルフル・ワールドのレビュー・感想・評価
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きらめきとは何か
今回の作品では、生きる意味が序盤において大きなテーマの一つとなっていた。
主人公のジョー・ガードナーは生きる意味をジャズに求めるも、その夢を叶えることができない中年男性。そんなジョーに突然のビッグチャンスが訪れる。しかし、ジョーは夢を叶える目前で不慮の事故により魂の世界に迷い込んでしまった。
そこで出会ったのが22番。彼女は人として生きるために必要なきらめきを見つけることができずにいた。
この世界におけるきらめきと自分の夢中になれるもの、つまりは才能。ジョーと22番はきらめきを見つけ、ジョーが元の肉体に戻る為の旅をする。
しかし作品の後半、きらめきとは才能ではないことがわかる。
きらめきとは才能ではなく自分は生きていいと思える気持ちだったのだ。22番は今まで自分が生きていいと思えなかった。そのためにきらめきを得ることができずにいたのだ。
人生で成功を積み重ねてきたメンターは人生を業績と同一視していたが、何者でもないジョーによって22番は人生の目的は何かを成し遂げることではなく、生きることそのものが人生の目的であることに気づく。
我々は何かを成し遂げるために生きているのではない、生きるために生きているのだ。
好き!
コロナ禍で4年も上映延期されていたのですね。あの世の描き方とか様々なキャラクターのデザインとかも趣向が凝らしてあって、とてもユニークな作品だと思いました。主人公がピアニストということもありますが、挿入曲(ジャズ)がどれもカッコよくて、洗練された映像ともマッチしていて楽しめました(ちょっと「BLUE GIANT」(23)のようなテイスト)。猫を使ったひねりが効いていて、物語に奥行きをもたらしてくれたように感じました。吹替えの声(浜野謙太、川栄李奈)もとてもよかったですね。普遍的な物語という意味ではよくある話ですが、なかなか巧く創作されていて、すっかり魅了されてしまいました。短編「夢追いウサギ」にもほっこりできて、久しぶりに幸せな時間を過ごせたような気がします。「上映してくれてありがとう!」って思いました。
不安や強迫観念に取り憑かれる現代社会。「生きる意味」に囚われすぎ、苦しむ人の心を解放してくれる作品。
ピクサーの長編映画としては、同年に上映する『2分の1の魔法』に次ぎ1995年公開の『トイ・ストーリー』から数えて23作目。元々アメリカでは2020年6月9日に、日本では2020年夏に劇場公開される予定でした。しかし、新型コロナウイルスの影響で延期となった末、2020年10月8日劇場公開を断念。2020年12月25日にディズニープラスにて公開という形に変更されました。
本作は、人間が生まれる前に「どんな自分になるか」を決めるソウルの世界を舞台に、そこへ落下したジョー・ガードナーとソウルの世界に住む22番の2人を主人公に据え、ジョーが地上へと戻るために2人が繰り広げる冒険を軸に、人生の素晴らしさや煌めきなどといったことが深く描かれています。
●ストーリー
ジャズ・ピアニストを夢見る中学校の音楽教師ジョー・ガードナー( 声:浜野謙太)は、ある日ニューヨークで1番有名なジャズ・ミュージシャンドロシア・ウィリアムズのジャズ・クラブで演奏するチャンスを手に入れるが、浮かれ気分で街を歩いている最中にマンホールへ落下してしまいます。
ジョーが目を覚ますと、人間が生まれる前に「どんな自分になるか」を決めるソウルの世界におり、彼自身もソウルの姿となっていたのです。この世界にいるカウンセラー・ジェリー(声:北西純子のほか複数)に話を聞いたジョーは「人生の煌めき」を見つけ、通行証を手に入れれば地球に戻れることを知ります。そこでジョーは人間嫌いで何百年もの間地上に行くことを嫌がっていたソウル22番(声:川栄李奈)をメンターとして相棒にし、奔走します。
手始めに2人は22番の知り合いのムーンウィンド(声:福田転球)というソウルを頼ります。彼は迷子になったソウルたちを救済する活動をしていました。地球の病院で昏睡状態になっている自分の体を見て焦ったジョーは、過誤により傍にいた猫・ミスター・ミトンズの体に入り、逆に22番がジョーの体に入ってしまいます。
地上にいる人間のムーンウィンドを探すべく病院から逃げ出した2人でしたが、初めての現実世界に22番は怯え混乱します。なんとかムーンウィンドを見つけましたが、ジョーを地上に帰すことができるのはその日の6時半であり、それまでに準備を整えることにします。地上での生活を経験していく22番は、この世界での「煌めき」を感じていくのでした。
そんな中、約束の6時半になるも地上をすっかり気に入りソウルの世界に戻りたくない22番はジョーの体に入ったまま逃げ出してしまうのです。しかし、ジョーを探していたソウルの計算係・テリー(声:宮本崇弘)に見つかってしまい、ジョーと22番はソウルの世界へ連れ戻されてしまいます。
果たして、ジョーは現実世界に戻れることができるのでしょうか?
●人は永遠の旅人である
かつて盛岡へ行ったとき、知人から宮澤賢治の生家を紹介されて、立ち寄ったところ、その日はなんとまだ存命中だった賢治の弟の清六さんがお元気で、お話しをお聞きすることができたのです。清六さんが語るには兄はいつも農業学校の教壇で、「人は永遠の旅人である》ということを繰り返し語りかけていたそうなのです。人の死が終わりではなく、また地上に生まれては、経験を積み、その経験を元に次の人生の旅の支度をするのだということでした。
こういう転生輪廻の考え方の大事なところは、人間は偶然に地上に生まれてくるのではないことと、死が終わりではないことの2点です。こういう考え方があればこそ、青年は熱く大志を抱いて挑戦を繰り返し、老いてもなお希望を捨てずに生き抜いていける源泉となるものです。その点唯物論者が晩年にさしかかったときの、絶望感と死への恐怖感はなんと痛ましいものでしょうか。
その点本作は宗教臭くなく、日常宗教に縁がない人でも、親しみやすく魂が転生することを語りかけてくれます。しかも凄惨なシーンは皆無のファミリーアニメなので、ご家族での鑑賞にピッタリです。本作をお子さんと一緒にご覧になれば、お子さんが反抗期に入って「産んでくれなんて頼んだことはないぞ!」と言いはじめる前に、親子の縁は偶然ではないことを伝えておく予防線となることでしょう。
●「人生のきらめき」を見つけること
本作の大ききなテーマは、「人生のきらめき」を見つけること。それは一瞬一瞬の連続した日常生活での輝きのことです。人生や日常における楽しみや喜びのことです。主人公のジョーもこの冒険の中で、日々の普遍的な生活こそが自分の人生の「きらめき」であったと気づくのです。宗教的に表現すると、過去・現在・未来を一括する「久遠の今を生きる」ということになります。
人生とは一生の問題集であるという考え方もありますが、あまりに「生きる意味」に囚われすぎると「人生で何か夢を見つけなければ意味がない」という思いはいつしか強迫観念になり、自分らしく生きることの大切さを見失うかもしれません。
「生きる意味」を考えることは大事なことですが、時に囚われて焦る心を落ち着けるため、日常における楽しみや喜びに目を向けてみることも大事なことではないでしょうか。 きっとそうすることで、坂本龍馬のような幕末を揺るがす大きな心の疼きに気がついたりするものです。
●全編にジャズ
主人公がジャズ・ピアニストを夢見る中学校の音楽教師であり、ニューヨークで1番有名なジャズ・クラブで演奏するチャンスを手に入れる設定から、全編でバックにジャズが溢れる作品になっています。冒頭の中学校の音楽室で主人公が教える生徒たちによるビックバンドでの演奏の下手っぴぶりが傑作でした。プロがあれくらいヘタっぽく演奏するのは、逆に難しかったのかもしれません。
ところでそのニューヨークで1番有名なジャズ・クラブの看板をはっていたのが、ドロシア・ウィリアムズ・カルテットです。4人目のピアノ・メンバーは欠員状態となってしまい、主人公のジョーにチャンスが訪れることになりますが、そのカルテットの演奏シーンが、まるで実写の演奏と見まがうくらいリアルでした。
特にリーダーのドロシアがサックスを演奏するシーンでは、サックスの質感や指運びの描き方が、まるで実写かと思うくらいのディテールでした。
人生の意味
劇場で観たかったのだが、公開当時はディズニープラスのみでの配信。今回、映画館で上映すると聞き急いで観に行った。劇場はほぼ満員。年齢層は幅広い。さすがディズニーや。内容的には子どもにはちょっと難しいかな?
海の中で海を探したいというセリフがあったが、日常にある幸せってなかなか気がつかないものやよね。旅に行くと、現地でのいいところに感動すると同時に、日本の良さを改めて実感することもあるし。
自分のやりたいことを仕事にしている人なんてほとんどいないやろうし、皆それぞれやりきれなさを感じながら日常を過ごしている。やけど、この映画を観て、日常にある幸せを見つけてみようかなと思えた。あと、何かに没頭するってほんまに素敵やな。そういうものに出会えると人生って輝くんやろうなと思う。主人公にとってはそれが音楽やったんやろうなあ。
22番も決して悪い子ではなく、不器用な子ゆえに周りから否定され自分の存在価値がわからなくなってしまったんやろう。私自身も不器用なほうなので、辛さがすごくわかりこのシーンは涙が止まらなかった。
落ち葉がくるくるまってそれをそっとつかむシーン、思い出しただけでぐっとくる。嫌なことも多い世の中やけど、自分らしく生きてみようと勇気をもらえるとてもいい映画やった。
今を生きる
ちょっと説教臭い
観念的で頭で理解させようとするところがある
最初の30分くらいは「ハズレだったか」と思っていたが、22番が地上でジョーに成り代わってからがさすがピクサーな展開で面白かった。
22番、この世で生きていくセンスあると思う
床屋でいつしかみんなが話に加わっているところ、胸が温かくなりました。
22番が集めた「好きなもの」がポケットから出てくるのが良い
青い空と白い雲はポケットに入らないけど、地上にくればいつでも見られるよ
ラストはジョーが通行証を22番に返して自分は天に登っていくのかと思ったらもう一度チャンスをもらえてホッとしました。
ウルトラマンの最終回でゾフィーが来たときみたい
夢を追っていて、念願かなったら「だから何?」になってしまうというのは、言われればあるあるだが映画などで描かれたことない「心理の真理」だと思う。「蛙化現象」もちょっと似た心理と思う。そして夢を追うばかりでは日常生活の幸せに気づきにくいという指摘も新しい。
ピクサーはこういうところがすごい。
幸せは、すでにそこにあった、って、オズの魔法使いでもそう言ってましたね
それに気づかないことがある、のを時々映画で思い出させてもらっています
自分すでにいい年齢なので、あと何年ヒトらしく生きられるのか、「今」を大事に、楽しんで、今の幸せを感じながら生きるのがいいな、と実感しています。
ソウルのジョーが八嶋 智人にしか見えず、黒人のジャズピアニストのジョーと結びつきにくくて変な感じでした。
人生の意味や生き甲斐とは。そんな哲学的命題を一人の音楽教師の生き方を通して考えさせる作品です。悩むばかりで一度も生まれた経験の無い22番との絡ませ方が絶妙。
ピクサーのアニメーション作品で、人生の意味や
意義を問いかける作品らしい。ふむ。気になる…
気になったからには鑑賞しなければ。
というわけで鑑賞です。
※ピクサーの劇場未公開作品を3本公開中だったという
事実に、この作品(3本目)で気がつきました。
※更に、劇場公開は今年ですが2020年にディズニー
サイトで配信された作品みたいです。・_・未加入~
◇
物語の主人公の一人は、音楽教師のジョー。
ジャズミュージシャンになりたいと願いながら
生活のため音楽の非常勤講師をしています。
父親がジャズミュージシャンだったが、既に故人。
母親が服の仕立で生計を立て、息子を育ててきました。
息子には安定した生活を望んでいる様子が。
学校の正式教員に採用される、と伝えられたその日、
ジョーに昔の教え子から連絡が入ります。
” 僕のいるジャズチームで演奏して欲しい ”
それはジョーも憧れる、ニューヨークでも有名な
ジャズクラブへの出演のお誘いだった。 ♡∀♡
即 OKし、舞い上がりながら帰宅するジョー。
だがそこに、人生の落とし穴。(…文字通り ・_・;)
フタが開いたマンホールに落ちてしまうジョー。 あれ~
ふと気がつく。
ジョーはとても長い階段の上に立っていた。
自分以外にも人が乗っていて、自動的に先へと進んでいく。
このエスカレーター、行き着く先は「死後の世界」らしい。
” 冗談じゃない! ”
ジャズミュージシャンとして晴れの舞台が待っている。
夢が叶うそんな日を目前に、死ねるものか!
なんとかして生き返りたい。元の世界に戻りたい。
そう願ったジョーがたどりついたのは、「生まれる前の魂」
が「生まれるための準備」をする場所だった。
そこで22番と呼ばれるソウルと出会うジョー。
彼女(…たぶん女性)は、「生まれることは無意味」と
生まれる前から人生をこじらせているソウルだった。
ジョーは、地上に戻るための「通行証」を手にしようと
22番と一緒に行動するのだが…
◇
この作品で描かれるのは
一度きりの人生なら本当にやりたい事をやらなきゃ
そう思いながら、生きるために働いているジョー。
そして、生まれる前の段階で「生きる意味」が見いだせずに
数百年単位(千年?)で誕生を拒んできた22番。 ・_・;
その二つの魂が「生まれる前の世界」で出会い
「ジョーの世界」で人生の意味にそれぞれが気付く
それを描いたお話です。
#22番は、何故か入ってしまったジョーの体を通して。
#ジョーは、何故か入ってしまったネコの体を通して。
降り注ぐ木漏れ日の美しさを知り
ブロペラのように舞い降りる種に目を見張り
初めて食べるピザの美味しさに目を輝かせる22番。
正式な手順を踏まずにジョーの世界に来てしまった2人に
やがて、生まれる前の世界から追手が。 きゃー
連れ戻されてみると、22番の胸になんと「通行証」が。
22番にのソウルに、生まれる条件が整ったようだ。
それを知って焦ったジョーが思わず放ってしまった言葉…
" 全部、俺の体で体験したことじゃないか ”
” それはオレの体験だ。君のじゃない ”
” 君が感じた「きらめき」なんて、普通の生活の一部だ ”
その言葉に傷つき絶望し、生まれる事を拒絶する22番。
ジョーは自分の体に戻り、ジャズの演奏に向かう…
そして…。
◇
このお話、ジョーと22番の組み合わせが良い感じ。
最後は、離ればなれになってしまうのですが、正直
「この後が気になってしかたない」です。 ・_・ウー
特に22番のその後が気になって気になって…
その「後が気になる」のも含めて
観て良かった とは思います。
良作です。
◇あれこれ
■海に辿り着いた者
演奏会で、最高のピアノ演奏をしたジョー。
解散する段に、チームの代表に問いかけます。
「俺は明日からどうすればいいんだ?」
「明日もここに来て演奏するのさ」
” 何か、思っていたのと違う”
そう口からこぼれたジョーにリーダーが語る。
” 海を目指していた若者がいた ”
” ようやく辿り着いた若者が尋ねる。海はどこだ? と ”
” 君はもう海の中さ ご覧よ君の周りを ”
” これが海? これは水だろう? ”
海が水だと知り、その若者はどうするのでしょう。
沖に出てみるのか、他の海を目指すのか。
すごく含蓄の有るたとえ話のような気がしました。
■プロペラみたいに回り落ちる種
くるくると周りながら、ゆっくりと落ちてくる種。
学校の校庭や公園で、昔見た記憶があるような気が。
調べてみたらカエデやモミジの種。のようです。
「PERFECT DAYS」でも「ささやかな変化・幸福」を
感じさせる場面として描かれた「木漏れ日」の場面が
浮かんで来ました。
■元カノ?
に関するエピソードがもう少し描かれるのかと期待した
のですが、結局ジョーの記憶に残っていただけのようでした。
残念。
22番が入り込んだのが元カノの体だったりしたら面白いかなぁ
なんてことを無責任に想像してました。 ・∇・
■素朴な疑問
ソウルの世界から落ちてきたジョーと22番。
22番はジョーの体に入ってしまう。
そして、ジョーはネコの体に。
ジョーの体はソウルがいない空き家状態だったから
22番が入ってしまえたということでしょうけど
ネコにもソウルがある(と思っているのですが)のなら、
ジョーがネコの体に入ってしまった事で、ネコのソウルは
一体どこにいってしまったのでしょう?
なんか気になってます。?_?
◇最後に(ジョーと22番に捧ぐ)
演奏会の後、一人家に戻ったジョー。
自宅のピアノの上にあったのは、22番が楽しそうに手元に
取っていたたくさんの 「普通の生活で手にしたもの」。
” 普通の生活で手にしたものだったかもしれないけど ”
” 22番にとってはきらめく宝物だったハズだ ”
それを見ながら、今日の演奏と22番を想いピアノを弾くと
いつしかゾーンに入り、ソウルの世界へと翔んでいくジョー。
いつの日か。ソウルの世界で。
ジョーと22番のソウルがめぐり合う事があるのかも。
そんな事をあれこれと想像しています。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
感じることが、生きること
本当に素晴らしかった。人生ベスト級と言ってもいいかもしれない。
数年前に配信された時、PCの小さい画面で観たくなくて、いつか映画館で上映されるまで待つぞ…と我慢した甲斐があった。
22番が生まれていく時にアフリカ大陸あたりが映ってて「あぁ彼女は生まれた瞬間から難民になったり戦果の中って可能性もあるんだなぁ…」と思ったし、死に向かうエスカレーターに猫がいて「あれ?これは人間の命だけの話じゃないんだ?ということはあのソウルたちのほとんどは微生物とか虫になるのでは?」って思ったりもしたけど(世界=ニューヨーク、それ以外はナッシング!みたいな感じは正直ちょっと鼻につくなー)。
ともあれ、
『あん』の作者のドリアン助川が「人生は何を成すかとかじゃなく、何を感じるかなんだ」みたいなことを言ってたけど、この映画は生まれる前から死んだあとまでのすべてで、そういう考えを描いてたと思う。
何ができるか、何を成したか、どんな才能があるのか…そんなことより今、何を感じているのか、その積み重ねこそが生きるってことなんだと。
きれいとか、美味しいとか、切ないとか、モヤモヤするとか、嬉しいとか、そういう気持ちは次の何かへのヒントなんかじゃなくて、それ自体が生きる意味なんだと。
資本主義にまみれたゴミだらけの街でも、よく見るとあちこちに美しさは溢れているんだと。
そういう考えって大切だなーと思っても、日常の中ですぐにどっかに行ってしまうので、こうやって素晴らしい作品としてしっかり思い出させてもらえたのは本当にありがたかった。
22番、どんな人間になってるのかな?(人間かな)会ってみたいな。
深いテーマ
いつものようにピクサーのCGアニメーションのクオリティーはさすが。
かなり深いテーマを扱っているのだけど、その前提として、魂の永遠性や死後に光に入っていくこと、輪廻転生の考え方があって、これって普遍的に受け入れられている考え方なのだろうかと疑問に思った。
ピクサーは世界がマーケットなので、そこにはキリスト教や仏教、イスラム教などさまざまな考えがあって、それらと齟齬を生じる可能性があるのかなと。
自分的にはまあこんな感じなのかなと、特に違和感はなかったけど。
生きる意味については、主人公のジョーは、若くしてジャズにそれを見出すのだけど、こうした自分の生きる道を明確に見出せる人は多くはないのではないか、むしろ少数派ではないかと思う。
大多数の人は、お金のために会社に与えられた仕事をなんとなくこなしているだけで、自己実現なんてものは極めて希薄なのではないかと。
幸い、自分は人生をかける目的を見つけることできたけど。
私もジャズ大好きだから、生まれ変わったら来世はジャズピアニストになりたい。
迷って真っ黒いモンスターになってしまう魂に、ファンドマネージャーが多いというのが、なんかツボで笑ってしまった。強欲な拝金主義者は迷いの道へ。
ユーセミナー(生まれる前の世界)
人間の生まれる前の世界を舞台にして描いた長編アニメーション。ジャズミュージシャンに憧れている主人公が突然マンホールに落下してしまい、ユーセミナーに迷い込んでしまうとういう冒険物語。人間の生きる意味や目的を上手く表現していて大人でも十分楽しめる作品に仕上がっている。
2024-70
娘のオススメやっと見ました
美しい‼️
自分がいる世界はどんな場所か
人生とは、を美しく優しく大胆に描く
特別公開で映画館にて鑑賞。
美しくエモーショナルな映像は観ていて心地よかったです。
主人公ジョーは音楽を愛し生きる意味として夢を追い求めている。
22番は生きる上でのきらめきを見つけられず生まれる前の世界に固執し彷徨っている。
対照的な2人がバディを組み、ジョーの夢を叶えるための冒険譚。。!かと思いきや、人生そのものを、全ての人を肯定する人生讃歌へと広がりを魅せてくれました。
脱線しますが、妊娠中でお腹の赤ちゃんと共に観たのですがこんな風に生まれてきてくれるんだろうか、とシンクロ。
魂・身体・心は別個の存在であるーーー
さくらももこさんが出産エッセイで書かれていたエピソードにも共通するものがあり、魂が揺さぶられ、それぞれが共鳴して人生は輝くのだと味わわせていただきました。
導入が・・・
一芸に秀でよ、さもなければ人であらむ。そんな風潮に一石を投じる
「きっと何者にもなれないお前たちに告げる。」
とあるアニメに印象的で有名なセリフがある。主人公やその周囲が何者にもなれないことを憂うところから物語が始まることは多い。そして、何かきっかけを経て、何者かになるまでの物語を私たちは楽しむ。
ソウルフル・ワールドも主人公が夢半ばで魂(ソウル)の世界に行き、そこで人生のきらめきが見つからず、どんな自分になるかを決められない22番という魂に出会うことで物語が始まる。
主人公は試行錯誤するも22番の「人生のきらめき」が見つからない。紆余曲折の末、主人公が辿り着いた答えに心がスッとした。
何者かにならなくては、と生きることに意義を探す私たち。呼吸して、青い空を見上げる、本当はそれだけで輝いて生きているってことを忘れてしまいがちな現代人にぴったりのデトックス映画。心洗われて劇場から出てきた。
今回は吹替版を劇場で鑑賞。
22番ちゃんの声を演じる川栄李奈の演技もあって、22番の切実な感情がすごく伝わってきた。本職声優じゃないんだけど、違和感なかった。先日の舞台版『千と千尋の神隠し』での演技もすごかったし、実力派として今後も様々な分野での活躍を期待。
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