テッド・バンディのレビュー・感想・評価
全26件中、1~20件目を表示
愛していないから殺さない
シリアルキラーの祖。サイコパスの中のサイコパス。怪獣界でのゴジラ、ポップ界でのマイケル・ジャクソンがシリアルキラー界でのデッド・バンディだ。
つまりキング・オブ・シリアルキラー。スーパースターなのである。
異常犯罪や連続殺人鬼が大好きな私にとっては垂涎の作品なのだ。
とは言っても、彼らが残虐行為に及んでいる場面が見たいとかではなく、思考や行動を読み解く(読み解けないけどね)プロファイリング的なことが好きなので、本作が恋人とされているリズの視点で描かれる、獄中のバンディ、法廷でのバンディがメインなのは非常に興味をひかれた。
平然と嘘をつくバンディ、自信に溢れるバンディ、心にもないことを言うバンディ、急にキレたり、短絡的な行動をするバンディ、その全てが面白かった。
だけど本当は、バンディは本当にシリアルキラーなのか?とリズと同じように翻弄される事を楽しむ作品なのだと思う。
犯行シーンは一切出てこないし、バンディを有罪にする証拠も弱くみえるように作られていたと思う。
本当に犯人なの?違うんじゃないの?と、多くの犠牲者が陥ってしまった、バンディを信じるという罠に、観るものをかける気満々で作られていたね。
あとは、リズとの愛は本物なのか?ってところか。信じるの延長にそれはあると思うね。
もし仮に犯人だとしても愛だけは本物だったと信じたい人の気持ちはわかる。自分もどちらかといえばそっち派だ。本作の監督も信じたいと言っていたように思う。
しかしこれから全力でリズとの愛を否定しなければならない。バンディもそんな風に思われたら心外だろうしね。リズを愛してなどいない。
まずは彼は本当に犯人なのかの部分は、黒も黒、真っ黒です。正真正銘シリアルキラーです。
状況証拠はそれなりにあってバンディの弁護団が取引を薦めるほど有罪確定。
投獄されてからだが、結局バンディは犯行を認めているし、証言した場所から遺体も出ている。
次に愛について。
バンディのターゲットは主に15歳から25歳で、殺すことで全てを支配できると考えている。
リズがバンディと出会ったときは30歳くらいのシングルマザーで、バンディのターゲット外だった。
愛しているから殺さなかったのではなく、殺さないくらい愛どころか興味すらなかったのだ。
愛していないから殺さないというわけ。
確か本物は一回くらい殺されかけたはずだけどね。
ではなぜ愛していないリズに執着するのかだけど、これはもしかするとリズの娘を狙っていたんじゃないかと思うんだ。育つのを待っていた。
バンディが二度目の脱獄をしたときの最後の犠牲者は12歳の少女だったそうです。これは、リズの娘の予行、または身代わりだったのかもと思う。
まさに、極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣。
なんか作品レビューってよりバンディ解説みたいになってしまったけど、まあいいや。
数いるシリアルキラーの中でもバンディ大好きなんだよね。だって本当にヤバいんだもの。サイコパスの見本みたいな人なんだもの。
他のサイコパス犯罪映画とかも観るけど、作られたサイコパスはどこか人間味があってダメなんだよね。
その点、本物は違う。ヤバすぎてヤバそうに見えないくらいヤバい。
普通は嘘ついたりしたら多少は動揺するものだが全く動揺しないどころか自信満々なのがサイコパス。全編ヤバいシーンの連続です。
ラスト、、
だいぶ前に見てコメント書いたつもりが書いてなかった、、。
記憶が怪しいがだいぶ面白かった気がする。
中学の時にジェレミーレナーにハマり、ジェフリーダーマーを見てからシリアルキラーのWikipediaとか読み漁ってたから、テッドバンディの映画が出るってなった時めっちゃ楽しみだった。
途中中だるみしたイメージ。
テッドバンディがずっと冤罪を主張したせいで、元妻が自分が通報したせいなのかどうか長年心残りだった。
最後の「糸のこ」のシーンは絶対忘れないと思う。
ゾワゾワってした映画No1くらい。
割と賛否両論ある映画だと思うが、私は好き。
ザック大優勝
テッドバンディ役のザック・エフロンが相変わらず演技うますぎてワロタ
リズが最後自白させた後刑務所を立ち去るシーンで嫌いって言ってたオペラ流れる演出好きや
魔笛のアリアって復讐に燃える女の人かなんかの曲だよね、ぴったりだね
サイコパス
本当にサイコパスです。
普通の人間のふりをできる
頭が良すぎる、サイコパス。
この知性を別で使えばとても優秀な刑事や、弁護士、物事を解決に導くことができるくらい頭がいい人間でした。
一歩間違えると、ここまで最悪な殺人犯になってしまうんですね。
どうして彼は人を殺すようになってしまったのか。
人を騙す天才なのか、いい人そうに見えても裏で何してるかわからないし、何を考えているかわからないですね。
彼女は彼がおかしいとどこか気づいていたから通報したんですかね。
似顔絵が似ているからと、好きな人を通報って想像しないと思います。
なにか勘が働いたのですかね。
最後、面会のガラスに使った狂気を描いた時は
鳥肌でした、彼なりの彼女の解放だったのでしょうか。
テッドは彼女を本当に愛していたように見えます。
これがもし本当に誤認逮捕だったらと思ってしまうほどでした。
殺した人間があそこまで殺してないふりをできるものなのか。
わたしには全く理解できない思考です。
彼を最後まで信じて結婚妊娠まで行ったあの女性はどんな気持ちなのですかね。
30人もの人を殺めたと最後に自供したのも含めて、どんな気持ちだったのだろう。
殺したと、そういえば少しでも長く生きれるから嘘を言ったんじゃないかって今でもよぎります。
嘘であってほしい、けど嘘だったとしたら、それも人間の怖い部分が出でます。
殺してない人を殺したメディアと警察と弁護士。
どっちが正義でどっちが悪だったのか
誰が本当のことわかるのでしょうか。
実話と知って、怖いなって思いました。
人こわい、サイコパスこわい。
動悸する作品
エンドロール前に流れる実際の映像と見比べると、本作の再現レベルの高さに驚く。
物的証拠はあるものの、本当にこの人がやったのかと思わせる堂々っぷり。
なんで殺さなかったのか、どういう基準で選んでいるのか、(私は)共通点や理由を探したくなるけど、きっとそういう次元じゃない。ほんとうはいい人かもしれない、どんな環境が、誰が彼をこんな風にさせたんだろうと考えることさえも・・・底知れない混沌を感じた。
あの最後のメッセージにはゾッとしてしばらく動悸がした。映画でこんな思いをしたのは初めて。
1970年代に全米を震撼させたシリアルキラーを恋人の視点から考察したクライムムービーの良作
シングルマザーのエリザベス・ケンドールが恋に落ちた男セオドア・バンディとの出会いから別れを回想した実録小説を原作としたシリアルキラー考のクライムムービー。1989年の1月に死刑執行された”テッド”・バンディは最後に30人の殺害を告白して、当時のアメリカ社会に計り知れない衝撃を与えた。法廷にTVカメラが入り、裁判の様子がアメリカ史上初の全国放送されるエピソードがそれを物語る。殺人事件にも拘らず、多くの一般女性が関心を抱き傍聴席を埋める異様な気持ち悪さ。但しテッドの優しい気配りが出来る二枚目男の一面に惚れ込んだエリザベスの視点により、実際の猟奇的な殺害シーンはラストのクライマックスの回想シーンだけで、クライムスリラーの刺激性は思いの外低い。当時の報道映像のインサートと再現のシーンを加えることで、事件と犯罪者テッドを客観的に描いている。興味深いのは、二度の脱獄をして犯罪を重ねる大胆さと、エリザベスと音信不通の寂しさから元同僚のキャロルと恋仲になり法廷でプロポーズする”演出”をみせるテッドの強かさである。この恋人を利用してテッド自身が証人喚問する異常さも印象に残る。
主演のザック・エフロンは製作総指揮も兼ねて熱演を見せる。この作品に賭ける役者としての挑戦的な姿勢は評価できるのではないだろうか。優男の裏の顔を見せるラストの面会場面は見応えがあった。エリザベスを演じたリリー・コリンズの理性と感情の葛藤の女性心理も説得力ある演技だ。またテッドの本心が自分に無いのを知っても自己愛を選択したキャロルを演じたカヤ・スコデラリオの愚かで一途な女ごころの表現も巧い。名優ジョン・マルコビッチの威厳ある裁判官含め、この主要4人の演技は、この映画作品でもっとも評価できる成果を見せる。監督ショー・バーリンジャーの演出と、マイケル・ワーウィーの脚本は特に技巧の冴えは感じない。特殊な題材のアプローチとしては標準の出来であり、エリザベスの視点とテッドの正体のバランスの取れた実録映画の良作である。
しかし、男の嘘に敏感なはずの女性が何故騙されるのか。セオドア・バンディの経歴を読むと、父親と母親の愛情に恵まれなかった幼少期があったと知る。人は母親から愛されることで幼少期の孤独から逃れられる。特に男性は精神の成長が女性より劣っているので母親離れが遅い。だから母の愛に恵まれなかった男性は青年になってもどこか孤独な面影を持つ。これが女性の母性本能を刺激するようだ。ましてセオドア・バイデンの髭なしの写真を見ると映画俳優になってもおかしくないハンサム振りである。そんな男が朝早く起きて朝食を用意してくれたなら、どんな女性でも心が傾くのは仕方ないことであろう。エリザベスの愛の奉仕は裏切られたが、そんな過ちであっても小説にする事で自分を冷静に保つことを選んだのではないか。医学部事務室に秘書として勤める彼女の知性が、何とかエリザベスを再起させたと想像する。
純愛映画??
テッド・バンディ、連続殺人犯と言うことしか知らなかった。猟奇的犯行を重ねていくモンスターの二面性が描かれるのかと思っていたが、一切残忍な犯行そのものの描写はない。むしろ、検察側の証拠が状況証拠が多く、テッドが法学部出身で刑務所でも勉強し、自己弁護できるほど頭脳明晰、容姿も良いことから、冤罪ではないかと思ってしまうほど。実際、一人の人間が数十人もの人を殺せるのだろうか、しかも恋人もおり、将来も明るかったはず。。未解決事件を全部彼に擦り付けているのではないだろうか。本当にそう思ってしまうほど、ザックが好演している。事実、公開裁判で若い女性を惹き付ける不思議な魅力があったのだろう。。外見では判断できない。彼の言う通り、身近に潜んでいるから恐ろしい。一方、自分が愛する、信じる人が猟奇的殺人犯だったら、とリズの心中は計り知れない。どれだけ信じられるのだろうか。しかし、彼女が通報していたというのは驚き。何かを感じ取ったから行動に、起こしたのだろう。子を守る本能かもしれない。しかし、どこかで諦めきれず、ずっと苦しめられてきた。最後の面会シーン、唯一愛していたからこそ、リズに真実を告げた、自分から完全に去ることになるのをわかりながら、彼女の心を長年縛り、苦しめてきたことを止めた。ザックとリリーの一番の見どころあるシーンだった。これは事実なのだろうか?また、彼の愛を信じたキャロルも可哀想。子供も好奇な目で見られるだろう。しかし、結局のところ、愛を知る人間がなぜこの様な犯行を犯すのか理解できない、突如、あるいは部分的に人間性を欠いてしまうモンスターだったとしか言いようがない。
あくまでもリリーコリンズに重心を置いた作品
だからこそ、あのラストシーンが響く。
特に印象に残ったのは、夜の寝室で懐中電灯を照らすシーン。真偽は不明だが、もしあの時自分がされていたら、、、と一生考えてしまう、トラウマを与えたのだ。
彼女自身が通報したことは、結果的に良かったのだと思う。
また、映画としては、裁判やリズに重心を置いているため、犯罪シーンは薄い。
そのために、ザックエフロンにはあまり嫌なイメージが湧かなかった印象。
Burn Bundy Burn
予備知識ゼロでこの映画を鑑賞したかった。'7〜'80年代が舞台なので、今の若い方々ならそれも可能かも。羨ましいです。
ザック・エフロン目当てで観る、というのもアリでしょう。
そして、これが実話であることに衝撃を受け、この事件を掘り下げていってほしい。Netflixには、この作品の監督が撮った、この事件のドキュメンタリーがあります。これが素晴らしい作品で、映画で物足りなさを感じた人を充分満足させてくれるでしょう。さらに、Amazon primeにも、別のドキュメンタリーがあります。こっちは、この事件に関わった女性たちに焦点をあてた、道徳的ともいえる作品だと思います。
ドキュメンタリーを先に観ると、映画の方はつまらなく感じてしまうかも。まずは映画を観てください。
さて、本作について。
俳優たちは素晴らしい。ザック・エフロンの演技も見事ですが、テッド・バンディの人を魅惑する力そのものを演じきることはできていなかったと感じました。ザック・エフロンが全力を尽くしたのは伝わってきたけど、それでもまだ足りなかったーというか、不可能なことなのかも。
女優では、キャロル・アン・ブーン役のカヤ・スコデラリオ(という読みでいいのかな?)が良かった。眼力。
狙われたのは黒髪ロングヘアー。最後の被害者は12歳の少女。
Serial Killer と言う言葉を生み出したとされるテッド・バンディことセオドア・ロバート・バンディ。リリー・コリンズ演じるエリザベス・クレプファーは、警察へ3回通報を行っていたとされています。映画の中では1回。彼が死刑判決を受けるまでは、殺人鬼である事に確信が持てなかった演出がされてますが、事実はちょっと違います。
映画の中には、テッドの殺害場面・現場の描写が無く、リズやキャロル・アン・ブーン等、事実を知らない者の視点からの描写で進んで行きます。よって最後の刑務所での面会場面が衝撃的だったりしますが、物足りなさもありました。
彼は連続殺人鬼では無いかと勘付いているけど離れられないドロドロの心理葛藤ドラマ。そんなくだりもありましたけど、リリー・コリンズに徹底的にそんな役を演じて欲しかったし、ザック・エフロンのシリアル・キラー振りを発揮するトコも見たかった。
カチっとまとまってたけど、その卒の無さが決定的に物足りなくて、ちょっと不満でした。
ザックファンには辛くなる作品
嘘つきは泥棒の始まりと言うが、容姿の良さから多くの若い女性のハートも盗み、頭も良い魅力的な男性 連続殺人鬼バンディを描いた実話でもある作品。
ザック・エフロンにしか演じられないであろうというくらいバンディは適役でした。
過去ハイスクール・ミュージカルにハマり初めてザック・エフロンを知ったが、アイドルだった彼は完全に消え、本当に魅力的な俳優になりました。
『ニューイヤーズ・イブ』『グレイテスト・ショーマン』他ザックが出ている映画はいろいろと観ていますが、私的にはイケメン色が強く抜きん出た存在の俳優ではありませんでした。
プライベートで噂にもなったリリー・コリンズとの共演で、バンディが冤罪であってほしかったと願いたくなるほどのずっと観ていたい美男美女カップル。
幸せな時間も長くは続かず、リリー演ずるリズは後にアルコールに溺れます。
恋人バンディを疑いながらも愛し続けるリズ。
一人の女性として、子を持つ母親として、自分を保つためにバンディから距離を置きます。
その間にバンディは、自分のことをずっと想い続けてくれる女性と連絡を取り、彼女と深い仲になります。
バンディの心はリズにあるので、利用されていることに彼女は気付きません。まさに恋は盲目。
無実だったパピヨンとは違いバンディの脱獄は本当に見苦しく、その間に何人もの女性が殺められたのかと思うと…。
ホラー映画(大好きだが)を観ていたんじゃないかと思うくらい、最後の最後エンドロール前でバンディという人間性にゾッとしました。本当に鳥肌が立ちました。
被害に遭われた女性の生まれ変わりが、幸せであることを願ってやみません。
バンディにとってのリズは、リズと出会うまでの孤独だった彼の心のオアシスであり人間らしくいられる場所、そんな存在だったのかも知れません。
大切だと思える女性に出会えながらもネクロフィリアの部分が彼自身を支配していたのだと思うと、心の病というのはどの世にもある永遠のテーマなのだと思います。
人間に潜む闇
バイオレンスや流血が苦手なので、殺人者ものはあまり見ないのだが、暴力シーン少なめとのレビューを拝見してチャレンジ。
成る程、大半が法廷劇や心理描写で、衝撃映像控えめ。サイコホラー的な怖さはあれど、ビビり過ぎずにに鑑賞できた。
エンディングで実際のTV映像が流れるが、台詞の一致に驚かされる。現実が虚構に負けず劣らず芝居掛かっているのだ。鼻白む位に。
映画はその現実を切り取り、一部を見せ、一部は見せず、一部は創作を加え、この作品ならではの物語を描き出していく。
テッドは一貫して罪を否定する。確定的な犯罪シーンは描写されない。観客は、他に多くの女性関係を持つテッドの不誠実さや、脱走などの怪しげな挙動を垣間見せられて、じわじわと不信を募らせていくが、確信は得られない。恋人のリズは、子供にも愛情深く、優しく接してくれたテッドの姿しか思い描けず、テッドの言葉に翻弄され、愛と疑いと後悔の間で最後まで揺れ動く。
殺人の動機やテッドの内面についても、ほとんど言及されない。答えを極力排除したまま、ラストシーンに至って唯一、この映画は答えらしきものを差し出して見せる。
犯行を否定し続けるテッドに対し、「10年間苦しんだ。解放して!」と真実を求め慟哭するリズ。「信じて欲しかった」と涙しながら、指でガラスに記した終なる自供は、リズを葛藤から解放するものか。
30人以上を快楽殺人したとされるシリアルキラー。悪魔なのか、異常者なのか。殺されなかった女に向ける、それがある種の愛情なのだとしたら。人間性の欠如と愛が同居し得るとしたら。陰惨極まる殺人が、人外の悪魔でなく、ただの人間の所業なのだとしたら。
「今や殺人者は草むらに潜むものではない。隣にいる人が、愛する人が、ある日突然豹変するかも知れない」
エンドロールでのモノローグ。それが、この映画が観客に覗き込ませたかった、人間に潜む暗い深淵の姿なのだろう。
テッドに関する同監督のドキュメンタリーが、Netflixで公開されているらしい。同じ作り手の描く同じ題材のドキュメンタリーと創作。興味深いが、私自宅では動画とかほとんど見ないからなぁ。Netflix、悩ましいところ。
冤罪とも思わせる謎の魅力と怖さ
米国最大のシリアルキラーと呼ばれるテッド・バンディを、大好きなザックが演じるということで、絶対観たかった映画。
残酷なシーンはほぼ出てこないと聞いていたので、間延びしないかなと思っていたが、最後まで一気に見てしまった。
頭がよいサイコパスは恐ろしすぎる…というのがこの映画の結論。クレバーで主張も上手いテッドは、最後まで本当に殺人鬼なのかわからせない謎の魅力があり、かつ脱獄も2回も行うくらい状況を見抜き、臨機応変に解決できる力を持つ。
歯形や状況証拠的に、きっと彼がやったのだろう、というのは分かるけど、最後まで無実を主張していたので、本当に犯人なのか信じられなかった。
恋人のリズはそんな彼を通報した本人だったので、最後まで無実の人間を陥れてしまったのではと不安に思っていたが、最後はテッド自身から殺し方を聞き、殺人犯だと確信する。
でも、その時のシーンですら、本当にテッドがやったの?と思わせる雰囲気だった。
よくわからなかったのは、リズはなぜあの写真を持っていたのだろう?ということ。沢山犠牲者がいる中で、刑事が渡したのはなぜあの死体の写真だったのか?リズの知り合いだったのかな?
なお、調べたところ現実はもっと酷いみたいで、テッドはリズに暴力を振るうこともあったらしく、リズが見せた殺された女性はhacksawで首を切って、頭部をリズの家の暖炉で焼いたとか…。
とにかく、見た目とのギャップが凄すぎて、そして本当に殺人鬼かわからないストーリーすぎて、怖さが増した。ザック、イケメン役ではあるけれど、このサイコパスっぷりは、やっぱり演技上手だわ。
終盤の急展開
狂気の男と、男を疑い警察に通報しながらも離れられなかった女。
我々はテッド・バンディが犯人であることを知っているから、「やったのか」「やってない」の繰り返しには退屈する。
なぜ犯行を重ね、自身の犯行であることを否定し続けたのか。結局よくわからない。病んだシリアルキラーであればこそか。
映画の終わり間際、問い詰められたテッド・バンディが犯行に使った道具を白状したのは救いで、あれがなければもっともやもやしたまま終わっていた。
言い知れぬ不気味さ
「たった1人だけ殺されなかった女」といった予告に心惹かれて鑑賞しました。テッド・バンディの元婚約者のリズ視点のお話で、過去に世界仰天ニュースのような再現ドラマを見たことのある人には物足らない内容かもしれません。再現ドラマの方がバンディの生育歴、犠牲者を誘い込む手口、殺人方法、遺体の遺棄方法などは詳しいでしょう。
残酷なシーンは少なく、直接的な手を下す場面もありません。でも女性の私にはとても重苦しい映画でした。「自分がシングルマザーだったら?」「優しくて頭が良くてハンサムな男性と出合ったら?」「そんな彼が連れ子共々受け入れてくれたとしたら?」「自分と子どもを殺そうと思ったことはあったのか?」などなど考えてしまいました。
60年代の終わりから70年代という時代背景を考えると殊更リズの葛藤に共感できます。連れ子のモリーはバンディを大変慕っています。バンディも抱っこして遊んであげたりかわいがっています。(あとでゾッとするのですけど。)彼女が葛藤とストレスからアルコール依存症になってしまったような描写がありますが、無理もないと思います。マスコミが彼女を突き止めて追い回すようなこともあったでしょう。この映画ではそういったシーンはありませんが、わざと描写しなかったのでしょうか。
職場の解雇も心配でした。最初のうちリズは裁判を傍聴していますが、バンディを信じられなくなってからは傍聴しなくなるし電話にも出なくなります。でも心の中では彼との幸せな生活を夢見て諦められない。優しかった彼を忘れられない。だからお酒に逃げる。同僚が彼女を受け入れてくれたのはまだしも救われました。
リズも通報した1人ですが、その理由が「似顔絵が似ていて犯人と同じ車に乗っているから」なのです。それだけの理由で通報だと弱くないかなぁ、テッド・バンディの持ち物に殺人セットを見つけて怖くなったというようなエピソードもあったはず。入れた方が良かったのでは?と思いました。でもそれだと逆に安っぽくなるのかな。
当時バンディを追っかけて裁判を傍聴したりファンレターを送った少女たち。彼女たちが当時の自分をどう思っているか気になります。彼女たちも母になり祖母になっているでしょうから。あとから映画のことをネットで調べました。監督さんからテッド・バンディを知らない世代に向けてのメッセージとしての意味合いもあるそうです。「なるほど、だからこういう作りにしたのか」と思いました。
「どうしてリズだけ殺さなかったのか」この理由は結局わからなかったし、何度も見たいとは思わないのでこの評価にしました。
ドキュメンタリータッチ!
ザックエフロンが、製作も兼ねている。
連続殺人犯なのか?
無実なのか?
映画は、裁判と
リズとの関係で進んでいく。
彼は、頭がよく弁護士も兼ねている。
なやむリリーコリンズもいい。
ラストの実写が
この作品を締めくくっていく。
悪魔は善人の顔をしている
監督のインタビューだったかな?
実に、この言葉通りの映画だった。
物語の構成としと決定的なものは出てこない。ラストカットに至るまで彼は一貫して無罪を主張し続ける。
真っ直ぐと曇りがない目で。
観終わって思うのは死刑制度への批判も込めたかったのか、と。
観客にはその凄惨な事件写真も殺害方法も一切明示されない。彼にどのようなアリバイがあって、それをどう崩したかも明かされない。
司法が開示しない闇を暗示するかのようでもあった。
結局のところ、彼の自白によって、彼の罪を肯定するかのような構成だった。
この事件の詳細を知らない俺はそんな事を思った。
キャスティングは驚く程に的確で、エンディングに当時の映像が流れる。
ザック・エフロンを起用した理由も凄く良く分かる。結びつかないのだ。
30人を殺害した殺人鬼。
当時の彼にも、作中のエフロンとも。
実に両極端のメッセージが込められていたように思えた。
見応えあった。
ただ、エフロン側しか描かない演出上、唐突さを感じずにはおれず…本国では認知してるであろう経緯を把握しているならば、その辺りの空白は埋めやすいのだろうと思う。
そおいう極端な偏りしか描写してない事にも「公正さ」への問題提起を感じたりする。
テッド・バンディに騙された
実話がベースになっている映画ですが、できればこの実話を知らない人が観たほうが楽しめる映画ではないでしょうか。
知らなければ最後の最後まで真実がわからずにドキドキハラハラできます。
実際に実話を知らないで観た僕は、緊迫感のある展開とスリルに鑑賞後は疲労を感じてしまうほどでした(僕はすっかりテッドに騙されてしまいました)。
とても見応えのある映画で面白かったです。
全26件中、1~20件目を表示