劇場公開日 2019年12月20日

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「IQ160の美しきシリアルキラー!」テッド・バンディ だいふくさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0IQ160の美しきシリアルキラー!

2023年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

テッド・バンディを知るための映画と言った感じでした。残虐な場面などもないため、誰でも観れる映画でもあります。エンドロール時に、テッド・バンディ本人の言動や周りの女性のインタビューが流れるのですが、まさに映画で描いたそのものと思える程なので、かなり忠実に描いてはいることは分かりました。

ただ、ちょっと映画として面白みに欠けているなとった感想。予告では、これだけデッド・バンディの言動や容姿を持ち上げているので期待していましたが、デッド・バンディが警察や裁判官を振り回したり、世間を振り回したりといったシーンがあんまり目立っておらず、もっと過剰に描いてくれた方が映画としては面白かったかもしれません。

肝心のデッド・バンディは、単に強がりを言っているホラ吹きだけな人物に映ってしまいます。脱獄も実現はするのですが、すぐにつかまり何だか成功したとも思えず。女性ファンを虜にする姿も突然感があります。それが故に、なんだか消化不良で中途半端な人物映画のような出来栄えでした。

個人的見解として、本作をもう一つ二つ面白いスパイスを加えるとしたら、1つ目は裁判シーンをもっとしっかり描いてほしかった。自分で弁護をする前代未聞な状況ですから、法廷ものとしてもしっかり描いても面白かったかなと。

もう一つは、なんといっても是非是非!!!イケメン俳優ザック・エフロンのシリアルキラーっぷりなシーンが見たかったと思った次第なのです。凶悪な裏の顔との女性受けがいい表の顔とのギャップが感じられた方が、映画としては面白かったと思えます。

酷評はしてしまいましたが、もちろん映画として見ごたえもあります。テッド・バンディと恋に落ちてしまったシングルマザーのリズの心理描写が非常に興味深く描かれていました。愛する人が残酷なシリアルキラーと信じたくない気持ち、相反して判決は死刑判決をくだされて信じれない気持ち、苦悩の様子が痛々しいほどに伝わってきます。(しかし、テッド・バンディは本当に罪な男だと思いますよね…)

現実にあったとは思えない、エンターテインメント的な実在したシリアルキラー存在を知れたことは満足です。

だいふく