「純愛映画??」テッド・バンディ ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
純愛映画??
テッド・バンディ、連続殺人犯と言うことしか知らなかった。猟奇的犯行を重ねていくモンスターの二面性が描かれるのかと思っていたが、一切残忍な犯行そのものの描写はない。むしろ、検察側の証拠が状況証拠が多く、テッドが法学部出身で刑務所でも勉強し、自己弁護できるほど頭脳明晰、容姿も良いことから、冤罪ではないかと思ってしまうほど。実際、一人の人間が数十人もの人を殺せるのだろうか、しかも恋人もおり、将来も明るかったはず。。未解決事件を全部彼に擦り付けているのではないだろうか。本当にそう思ってしまうほど、ザックが好演している。事実、公開裁判で若い女性を惹き付ける不思議な魅力があったのだろう。。外見では判断できない。彼の言う通り、身近に潜んでいるから恐ろしい。一方、自分が愛する、信じる人が猟奇的殺人犯だったら、とリズの心中は計り知れない。どれだけ信じられるのだろうか。しかし、彼女が通報していたというのは驚き。何かを感じ取ったから行動に、起こしたのだろう。子を守る本能かもしれない。しかし、どこかで諦めきれず、ずっと苦しめられてきた。最後の面会シーン、唯一愛していたからこそ、リズに真実を告げた、自分から完全に去ることになるのをわかりながら、彼女の心を長年縛り、苦しめてきたことを止めた。ザックとリリーの一番の見どころあるシーンだった。これは事実なのだろうか?また、彼の愛を信じたキャロルも可哀想。子供も好奇な目で見られるだろう。しかし、結局のところ、愛を知る人間がなぜこの様な犯行を犯すのか理解できない、突如、あるいは部分的に人間性を欠いてしまうモンスターだったとしか言いようがない。