「ザックファンには辛くなる作品」テッド・バンディ shi-naさんの映画レビュー(感想・評価)
ザックファンには辛くなる作品
嘘つきは泥棒の始まりと言うが、容姿の良さから多くの若い女性のハートも盗み、頭も良い魅力的な男性 連続殺人鬼バンディを描いた実話でもある作品。
ザック・エフロンにしか演じられないであろうというくらいバンディは適役でした。
過去ハイスクール・ミュージカルにハマり初めてザック・エフロンを知ったが、アイドルだった彼は完全に消え、本当に魅力的な俳優になりました。
『ニューイヤーズ・イブ』『グレイテスト・ショーマン』他ザックが出ている映画はいろいろと観ていますが、私的にはイケメン色が強く抜きん出た存在の俳優ではありませんでした。
プライベートで噂にもなったリリー・コリンズとの共演で、バンディが冤罪であってほしかったと願いたくなるほどのずっと観ていたい美男美女カップル。
幸せな時間も長くは続かず、リリー演ずるリズは後にアルコールに溺れます。
恋人バンディを疑いながらも愛し続けるリズ。
一人の女性として、子を持つ母親として、自分を保つためにバンディから距離を置きます。
その間にバンディは、自分のことをずっと想い続けてくれる女性と連絡を取り、彼女と深い仲になります。
バンディの心はリズにあるので、利用されていることに彼女は気付きません。まさに恋は盲目。
無実だったパピヨンとは違いバンディの脱獄は本当に見苦しく、その間に何人もの女性が殺められたのかと思うと…。
ホラー映画(大好きだが)を観ていたんじゃないかと思うくらい、最後の最後エンドロール前でバンディという人間性にゾッとしました。本当に鳥肌が立ちました。
被害に遭われた女性の生まれ変わりが、幸せであることを願ってやみません。
バンディにとってのリズは、リズと出会うまでの孤独だった彼の心のオアシスであり人間らしくいられる場所、そんな存在だったのかも知れません。
大切だと思える女性に出会えながらもネクロフィリアの部分が彼自身を支配していたのだと思うと、心の病というのはどの世にもある永遠のテーマなのだと思います。