劇場公開日 2019年12月20日

  • 予告編を見る

「湖畔に家を買おう。車はベンツ。そして、犬も飼おう。」テッド・バンディ 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5湖畔に家を買おう。車はベンツ。そして、犬も飼おう。

2020年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「現実を想像できる者は少ない」とゲーテは言う。天性の女ったらしのテッド、彼の口から「希望を持とう」と言われれば、信じてしまうのは常人の心理であり、弱さであろう。
法廷でのテッドは何者なのか。残虐な殺人鬼なのか、冷静で魅力的なのか。話を聞いているだけでは皆目見当がつかない。もしかしたら冤罪なんじゃないかと本気で思いかねない。なぜなら、裁判を傍聴している女性たちと同様に、映画を観ているこちらも、凄惨な殺人事件現場に居合わせていないのだから。法科の学生でもあったテッドは舌鋒鋭く、法廷で、弁護人を解雇し、なんと自分の弁舌で自らを弁護するという離れ業をやってのける。
「皆さん、私が無実の容疑者です」。うん、そうかもしれない、と惑わされる。これってやはり陪審員制度の恐いところ。
まあいろいろあって、ラスト。リズの悲鳴が聞こえた気がした。

栗太郎