「悪魔は善人の顔をしている」テッド・バンディ U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
悪魔は善人の顔をしている
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監督のインタビューだったかな?
実に、この言葉通りの映画だった。
物語の構成としと決定的なものは出てこない。ラストカットに至るまで彼は一貫して無罪を主張し続ける。
真っ直ぐと曇りがない目で。
観終わって思うのは死刑制度への批判も込めたかったのか、と。
観客にはその凄惨な事件写真も殺害方法も一切明示されない。彼にどのようなアリバイがあって、それをどう崩したかも明かされない。
司法が開示しない闇を暗示するかのようでもあった。
結局のところ、彼の自白によって、彼の罪を肯定するかのような構成だった。
この事件の詳細を知らない俺はそんな事を思った。
キャスティングは驚く程に的確で、エンディングに当時の映像が流れる。
ザック・エフロンを起用した理由も凄く良く分かる。結びつかないのだ。
30人を殺害した殺人鬼。
当時の彼にも、作中のエフロンとも。
実に両極端のメッセージが込められていたように思えた。
見応えあった。
ただ、エフロン側しか描かない演出上、唐突さを感じずにはおれず…本国では認知してるであろう経緯を把握しているならば、その辺りの空白は埋めやすいのだろうと思う。
そおいう極端な偏りしか描写してない事にも「公正さ」への問題提起を感じたりする。
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