「【爽やかな笑顔を浮かべ、”シリアス・キラー”テッド・バンディを演じたザック・エフロンの新境地に魅入られる。】」テッド・バンディ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【爽やかな笑顔を浮かべ、”シリアス・キラー”テッド・バンディを演じたザック・エフロンの新境地に魅入られる。】
冒頭と、ラストシーンでのテッド・バンディ(ザック・エフロン)と、何故か彼に殺められなかったリズ(リリー・コリンズ)が拘置所の面会室で対峙する場面が印象的。
特にザック・エフロンの表情の変化には驚かされる。(爽やかな笑いから徐々に戸惑いを漂わせ、涙を浮かべる七変化。)
テッドが、爽やかな笑顔を湛えながら、公選弁護人を首にし、自らを弁護する法廷内での立ち居振舞いも見応えあり。その弁舌の巧みさ。(裁判官:ジョン・マルコビッチが、彼の弁舌に引き込まれる聴衆に向け”ここは罪を裁く場だ!”と異例の苦言を呈する場面でも明らかである)
正に”巧言令色鮮し仁”であるが、ドキュメンタリータッチで描いた作風に、途中まで”もしかして無罪なのか?”と思ってしまった程、観ている側も迷わされた。
アメリカの州ごとの法制度の違いや、裁判がTV中継させる件も興味深く鑑賞。
ドキュメンタリータッチなので、仕方がないのかもしれないが、
・テッドの心の闇はどこから来ているのか
・何故、テッドはリズだけ手を掛けなかったのか
・証人カヤも含めて、何故多くの女性はテッドに惹かれていったのか
の辺りをもう少し丁寧に描いて欲しかった。
<ラストに近い場面で、テッドが拘置所の面会室のガラスに書いた”単語”以上に、リズの告白に戦慄した男性は私だけだろうか?>
コメントする