「裏切られる苦しみ」テッド・バンディ KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
裏切られる苦しみ
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テッド・バンディ演じるザックの演技、容姿が要素としてもちろんあるが、テッドの人としての魅力はこの作品を通して感じることはできた。エリザベスをはじめとした女性に対して優しくレディーファーストなところ、そしてなにより饒舌で頭の回転が早いところは人としての魅力は感じる。
ただ、この作品はエリザベスをはじめとした、被害に遭わずに済み彼を信じた恋人たちもまた被害者であるということに重きを置いてるように感じたため、テッドがどういう動機や手口で大量殺人に及んだのかは殆ど描かれておらず、終始テッドは裁判に挑み繰り返し無実を訴え、エリザベスは愛してしまった事を苦しむシーンが繰り返されるため、恥ずかしながら事件を知らない世代からすると少しだけ退屈に感じてしまった。
ただ、鑑賞前に事件のことをある程度調べてしまって結末はわかっていたが、ザックの演技に引き込まれ、分かっていっても本当はやってんじゃないかとほんの少し疑ってしまうような見方をしてしまった。その点は鑑賞していて楽しませてもらった。
犯罪にはもちろん被害にあった被害者、その遺族が苦しませてしまうのはもちろんだが、加害者の周囲も同時に苦しませてしまう。人を裏切るということはとても辛く、苦しませてしまうということを改めて実感させられた。
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