「煉獄杏寿郎の壮絶な生き様」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5煉獄杏寿郎の壮絶な生き様

2022年3月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

心揺さぶられる作品である。やはり、鬼殺隊の最強の戦士・柱の一人、炎柱である煉獄杏寿郎が登場すると、作品の迫力、クオリティーが増し、格別な面白さがある。彼が鬼と戦う姿は、彼の人間としての生き様そのものであり、その凄さに圧倒される。熱いものが込み上げてくる。

本作の舞台は大正時代。主人公は、竈門炭次郎。彼は、家族を鬼に殺され、生き残ったが鬼になってしまった妹・禰豆子を人間に戻すために、鬼殺隊に入り鬼との戦いを繰り広げていた。杏寿郎、仲間の吾妻善逸、嘴平伊之助とともに、次の任務地である行方不明者が多発している無限列車に乗り込むが、夢を操る鬼に苦戦を強いられる・・・・。

夢を操る知能犯の鬼が相手であり、列車内という閉所が舞台なのでアクションシーンは控えめであり、鬼との頭脳戦が展開される。また、過激、残虐なシーンが多い作品だが、どんな時でも変わらない主人公の優しさ、主人公と禰豆子の絆の強さが、作品の殺伐さを中和している。

主人公は強者ではない。懸命に自分の全知全能を使って戦っていく。万策尽きても、考えろ、考えろと自問自答し、自分を鼓舞して戦っていく。決して諦めず生きようとする。禰豆子を人間に戻すという強い信念、兄妹愛が彼の気持ちを支えている。

中盤までは、列車内、夢という特殊な設定で魅せてはくれるが、普通の面白さだった。しかし、終盤に入って、杏寿郎の活躍が始まると、物語の面白さは加速していく。繰り出される奥義は色彩豊かな映像で表現され、美しく迫力がある。また、回想シーンを巧みに取り入れて、杏寿郎の生い立ちが紹介され、彼の強さを支えているものが明確になる。鬼との壮絶な戦いを通して、彼の生き様が浮き彫りになる。

生きるのが辛い時もある。挫ける時もある。しかし、そこで立ち止まっていても何も変わらない。気力を振り絞って前に進まなければ道は開けない。本作は、鬼との戦いを通して、人生の生き方を強く我々に訴えている。

みかずき
セロファンさんのコメント
2022年3月18日

みかずきさん。はじめまして。
こちらこそフォローと共感ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
強く美しい煉獄杏寿郎の生き様は炭治郎だけではなく、私達にも訴えてくるものがありましたね。胸が熱くなりました。

セロファン