「「ヒット」することの素晴らしさ」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 dyanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「ヒット」することの素晴らしさ

2020年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作既読組です。正直今回描かれるキャラクターやエピソードが特別好きという訳ではなかったし、コロナ禍だしで映画館で観ること自体迷ってたくらいでした。
ところが観た瞬間、このエピソードが一番大好きになってしまった。
いい年して自分も明日から少し生き方を変えたいな、とまで思わされました。

同じ話でも、アニメーション、音楽、演技、全てが最高の状態に仕上げられたものを見るここまで受け取り方が変わるのかと。決して原作を貶める訳ではなく、自分が気づけなかった「良さ」を丁寧に・最大限に突き付けられる感じです。
その先を知ってることすら忘れ、手に汗握りながら祈るように見入ってしまいました。
ネタバレなくアニメ→映画の順で見れた人はもう最高でしょう。
続き知ってるし別にな~と足が遠のいてる人、斜に構えている人…まだまだいると思いますが一度は劇場で体験した方がいい作品です。
テレビアニメ以降注目が集まり高いハードルがあったと思いますが、ufotableが甘えや妥協なくそれに応えてきています。

これまで劇場アニメ映画の大規模ヒットといえば、ジブリ作品やその後継的位置である細田作品や新海作品が主流でした。そうやって時代を積み重ねてきて、少年ジャンプ漫画×アングラ枠で実力を伸ばしたスタジオからこういう人気作が出たのは感慨深いものがあります。
特に子供のうちから映画館に足を運び、このレベルの技術に触れる切欠になるということは、日本の文化にとってとんでもなく価値のあることです。
ただ作品の質がいいだけでなく、「広くヒットした」ということも素晴らしく、アニメ漫画好きとして有難いと思います。

dyan